チーママの庭とウサギたち

チーちゃんのママことチーママです。植物とウサギと戯れ、マイペースでハンドメイドをしています。

ブロムス2009

2010-01-10 16:00:29 | 音楽
ウィーンフィルを見たんだからと、続けてブロムス2009を見ました。
残念ながら頭が切れちゃっている録画でしたが。

毎年イギリスでおこなわれるブロムス。
期間中は沢山の演奏が行われ、大勢のボランティアのもと運営され、音楽基金が集められます。
その際終夜が「ラスト・ナイト」として、ロイヤル.アルバート.ホールと英国各地の5つのパーク(グラスゴー・スウォンジー・ヒルズパーク・サルフォート・ハイドパーク)を中継で結んで全世界に中継されます。
英国全体のお祭りです。
ラスト・ナイトの特徴は、いくつか定番の曲が演奏される事と、何より聴衆が歌う事です。

今年のコンダクターはアメリカのデーヴィット・ロバートソン。


なかなか明るく的確な指揮ぶりです。
ラスト・ナイトの終盤にコンダクターがスピーチをするのですが、さすがアメリカ人のロバートソンは非常に上手い。
期間中の全ての関係者に敬意をささげ、創始者のヘンリー・ウッド(胸像ですが)へ聴衆を誘って賛辞を送り、最後にこう話しました。(勝手な要約です。)

全世界には、いまだ非情なことが行われている。
我々音楽家は、音楽を持ってこれに立ち向かう。
オーケストラの持つ楽器は、成立も背景も、国も、音も形も違い、それぞれが独立している。
しかし、その一つでも失われたら、大きな損失と感じるだろう。
だから、この先心が大きく沈む事があったら、オーケストラを思い出して欲しい。

そして始まるエルガーの威風堂々。
この曲は本当に心を奮い立たせるし、全ての楽器が精一杯歌います。
それぞれの成り立ちも個性も違う楽器。それぞれが独立して演奏される事もある楽器。
それらがオーケストラとして奏でる曲は、こんなに力強いハーモニーを奏でる事ができるのだと。
人間もそうありたい。そうあらねばならない。
そんなメッセージが、心地よく伝わってきました。

先日映画の「ガンジー」を見ていて、インドとパキスタンの成立と、その後の長い確執の現況を垣間見た時、ママちんが「日本で良かった」と言いました。
人種や宗教の違いは、本当に超えにくいものです。
単一民族の日本人は、その点幸せだともいえます。
でも「日本でもアイヌ法などという馬鹿げた法律を作って、アイヌの人たちを迫害した事を忘れちゃいけない。戦後の在日朝鮮の人たちがどれほど苦労したか、忘れちゃいけない。」と話しました。
人種による、宗教による、国を分けるほどの争いがなかった事は、単なる幸運でしかない事。
人は簡単に、そうした罪を犯す動物なのだと。

ブロムスを見ていると、ルール・ブリタニアを歌う時、エルサレムや威風堂々を歌う時、国歌を歌う時の団結力は凄いものだと感じます。
今の日本にはないもの。
温室育ちの自分と、世界の民族意識の差を実感します。

ともあれ、今年のブロムスも楽しめました。
ウィーンフィルのニューイヤーコンサートとブロムスは、一度は実際に行ってみたい華やかな世界です。


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