●次元俳句018・夢(超次元)・松本たかし
○「夢に舞ふ能美しや冬籠」(『石魂』1953)(松本たかし01)
○季語(冬籠・三冬)
【鑑賞】:次元のなかでも「超次元」のひとつに「夢」を入れました。単純ではない人間の脳の中にこそ、異次元があると思うのです。掲句は能役者の家に生まれた作者ならではの句です。夢のなかで舞う能の美しいこと。
●松本たかし(まつもとたかし)(1906~1956)
○好きな一句:「玉の如き小春日和を授かりし」(『松本たかし句集』1935)02
○季語(小春日和・初冬)
【Profile】:東京市神田猿楽町生まれ。能の宝生流16世家元の高弟で宝生流の能役者を父にもち、5歳より能の稽古を始めたが、病弱のため20歳で能役者になることを断念した。俳句は16歳で「ホトトギス」に初入選し、→高浜虚子に師事。40歳で俳誌「笛」の主宰となる。第4句集「石魂」で第5回読売文学賞受賞。
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松本たかし掲載句
03とつぷりと後暮れゐし焚火かな(『松本たかし句集』1935)(焚火・三冬)〈次元・背後(空間)〉2010/11/28
04雨音のかむさりにけり虫の宿(『松本たかし句集』1935)(虫・三秋)〈特集・気象(雨)〉2013/10/11
05現れし我を点じて山眠る(『石魂』1953)(山眠る・三冬)〈方法677・幽体離脱15〉2013/10/11
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