おはなしかごを主宰する大竹麗子さんは私が大尊敬する語り手であり、魔法使いの学校の校長先生でもある。
私たちナマケモノ倶楽部内 絵本の語りキャラバンチーム「え~ほん」を起ち上げるときも
絵本を読むとはどういうことなのか、こどもに届ける世界としての心得をしっかりと
お話いただいた。その事はとても大きなことだ。
彼女の話は、わたしたちの心に楔をうちこんでくださった。
麗子さんの語りはいつも、心をあたためてくれる。
ちいさいひとたちだけでなくわたしたち大人も愉快にしてくれる。
物語の世界の持つ無限の可能性をまさに魔法のようにしめしてくれる。
様々な出来事ともつねに真剣にむきあいながら、30年近くこの語りの世界で
精進し、多くの語り手を育て、豊かな世界を多くの方々に手渡してこられた。
素晴らしいことだ。
そして今回は柴川さんの賢治の世界。
柴川さんの語りは独立した一つの表現世界として完結する琥珀色の芸術でした。
素晴らしい知性の持ち主、持って生まれた感性と知性を見事に
バランスよく調合させ、最高の表現に創りあげておられた。
何もかもトータルに完璧とも言える演出が成された上で
自在に賢治の世界をたゆたうように語りはじめる
語り始まるともう彼女はある種、依り代のような、いたこ、というか御巫、というか
のような存在となる、、
なんてこの世の中には素晴らしい女性達が存在するのだろう。
同時代を生きていられる幸せを感じた一夜だった。