侘寂菜花筵(わさびなかふぇ)

彼岸の岸辺がうっすらと見え隠れする昨今、そこへ渡る日を分りつつ今ここを、心をこめて、大切に生きて行きたい思いを綴ります。

かぐや姫の生まれた竹におもう、、

2010-04-01 00:26:32 | Weblog
 近頃、竹林は邪魔者扱いされている、らしい。
かつてのように、竹を素材にして生業をたてていた竹細工師がめっきり居なくなったことも一因。
 と言うよりも、自然由来の道具類が石油由来のプラスチック製品に席巻されてしまったことがそもそもの原因かも。

 
 
 

 かぐや姫の物語はとても心惹かれるストリーだった。
 
 この物語は源氏物語の中でも「物語の出で来はじめの祖(おや)」と高く評価されている。9世紀後半から10世紀初めの成立らしい。千年以上も前の物語が今もこうして語り継がれている例は極めて稀だとおもう。
 それだけ語るに足るものが潜んでいるということだろう。

 かぐや姫に求婚する貴族達の愚かしさを描く筆致はするどく、目の当たりにその人物を見るがごとくである。
 一説では実在の人物がモデルになっているらしい。
 沖浦和光著「竹の民族誌」にその事は詳しい。

 私は高校の演劇部一年の時に石つくりの皇子の役を演じたことがあるけれど、残簿で奸計をめぐらす軽佻浮薄な皇子
と言う役柄になじめず、ぐらぐらな演技に終始してしまったような気がする。

 それはともかく、このお話はものすごくファンタジックなスケールの大きな物語の雄だった。
桃太郎、金太郎、鉢かつぎひめ、瓜こ姫こ、浦島太郎にはない宇宙的な物語でありながら、登場してくる人物が
 竹取の翁という一般庶民から帝という最高位の身分の人までが登場し、最後は月に帰って行くという
壮大な物語。 
 飽くことのない物語だった。
 様々な人の挿絵で何度も、何度も読んだ。
 かぐや姫が月を見上げて物思いに更ける時には思わずため息がもれるほどに、、
 そんなファンタジ~として読んだ物語に、実は又別の深い読みがある、、らしい。
 これからそのかぐや姫伝説の古層と深層にせまってみたい、、、

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