670年の「庚午(こうご)年籍」に始まる戸籍は、国家統治の基礎であった。しかし、明治に入っても
戸籍への編入を拒絶し、国民の三大義務である徴兵、納税、義務教育を無視してきたのがサンカで、
あった。日清戦争後にも20数万人、第2次世界大戦後の昭和24年にも、約1万4000人の無国籍サンカ
がいた。その当時サンカ以外の流浪人を合わせると80数万人の戸籍を持たない人達がいたという。
昭和27年朝鮮戦争を契機に国家再編成を実現する目的で施行された「住民登録令」によって、
この列島に住む人々は全て、居住地を決め、その住所を申請すると同時に、米穀通帳、国民年金、
健康保険、選挙人名簿などを一括登録する事を義務化した。後に「住民基本台帳法」として、
完成するこの政令によってサンカの歴史は幕を下ろすことになる。
つづく
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