喉飴と鞭による映画・小説・漫画論評~このブログを見る者は地獄を見るだろう~

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サウダーヂ(2011) ★★★★★

2021-11-04 14:42:40 | ドキュメンタリー

新宿 K's Cinema にて鑑賞。

監督:富田克也

脚本:富田克也、相澤虎之助

出演:鷹野毅、田我流

製作:空族(くぞく)

上映時間:167分

 

友達の友達の友達に今リバイバル上映されていることを教えてもらい、無職で暇だし観に行った。

本作のことは、社会学者の宮台真司が出演していることから存在は知っていた。一時期、宮台出演作をチェックしていた。しかし本作はDVD化されていないためもう観ることはできないのかと諦めていた。

 

今しか観れないなら観ておくべきだなと確信。

K's Cinemaに来るのは初めてである。

ビルの三階にある。

椅子が多くて良い。

 

劇場はミニシアターだから狭いんだろうと思っていたがシネコンの小さいサイズの劇場くらいはあった。

 

本作の主演の1人は田我流。山梨を拠点にりんご音楽祭などに出演するラッパーだ。私はにわかなので、フリースタイルダンジョンで一時期流れていたCM『やべ~勢いですげー盛り上がる』で知った。

本作はフィクションだが実在の人物も登場するのでドキュメンタリーに近い部分もある。

山梨という寂れた地方都市の寂れ具合を描く。

知り合いも山梨でそういえば働いてるが…こんな田舎で働いてたんか…

 

もう1人の主演の人は般若かと思ったら違う人だった(鷹野毅という俳優だった。)

田我流はそのままラッパーという役柄で出演する(本人役ではないが)

 

日本が技能実習とかいう名目で外国人を搾取しているさまも描かれている。

 

鷹野演じる精司は、美人のエステティシャンと結婚して小作り迫られているが、こんな田舎に身を埋めたくないから作ろうとしない。

エステティシャンは元キャバ嬢である。キャバクラに通って貢いで結婚したパターンだ。土方は昔は稼げる仕事だったのだろう。

終盤でタイに行きたいと打ち明ける精司。しかしタイ人の女からはタイに行ってもなにもない、ここの方がましだと告げられる。

どこも行き場のない精司。田我流は外国人を敵と勘違いし刺殺するわ。

今のヘイトスピーチが横行する日本を表しているかのよう。(少し違うか)

 

職を辞めて転職したいと考えてる俺に、転職してもいいことなんてないと叱咤されているようであった。

 

私に本作を紹介してくれた人は、タイから帰ってきた能天気な保坂が本作のアクセントとして効いていると語ってくれた。

私も同感だ。しかし私はまひるが好きだ。ちょっと危なそうな領域まで片足突っ込んで、スピリアチュルに傾倒していくのは見ていられないようで、この窮屈な世の中で生きていく苦痛を和らげる唯一の解決策なのではないかと今は確信しているからだ。(まひるみたいにドラッグにまで手を出そうとは思わんが。)

以上

 


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1 コメント

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Unknown (ぺんたろー)
2021-11-04 20:15:18
良いですね。すごく、見たくなってきました。現実世界にタイから戻ってきた60代独身のおじがいるので「タイに行っても何も変わらない」、「田舎に戻ってきても仕事はない」という部分が刺さります。地方での建設業の惨状もある程度肌感覚でわかっているつもりですが、これは視聴してみないとな。
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