要らないモノは家に入れない。
入り口で、毅然とシャットアウトする。
断捨離の「断」。基本中の基本だ。
確かに私自身は100%賛成で納得しているんだけど、
この主義を貫くことが、必ずしもベストではないと感じることがある。
人の気持ちが絡む場合だ。
夫の実家では野菜を作っている。
自分たちが食べる分と親戚&近所に配る分、
それ以外は農協に卸して、実際に市場に流通しているのだから、
野菜作りの腕前は玄人はだし。
野菜の種類も根菜から豆類、葉物までと、多岐にわたる。
だがハウス栽培ではないので、
同種類の野菜が一気に大量に収穫期を迎える。
キャベツの時期はキャベツの山、キュウリの時期はキュウリの山
トマトの時期は…、ナスの時期は…etc.
昔から、我が家にも大量のお裾分けがあった。
4人家族なのに、一度に柿120個とか、白菜4玉、大根7本って時も
納屋や巨大な収納庫があるわけではないから、置き場所も保管方法も頭が痛い問題だった。
柿なんて、すぐ傷むし…。
料理自慢でもないから、レパートリーもすぐ尽きる。
近所にお裾分けするにしても、
どれも旬の野菜なのでスーパーでも激安の時期、たいして有り難味もない。
頻繁にさし上げると、かえって気を遣わせるし。
義父母の野菜の売りは、ほとんど無農薬…ってことだが、
裏を返せば、虫がついているということだ。
キャベツの葉を1枚めくると、瑞々しい青虫さんがこんにちは~~ってことも、珍しくない。
虫も喜んで食べるほど、新鮮で害がない証拠だけど、
私は別に平気だが(平気になった)、こういうのが絶対ダメ…って人もいる。
だけど貰った野菜を腐らせるのは厭なので、家族総出でせっせと消費に勤しむしかない。
今、夫は週2回、私は毎日曜日、実家を訪ねて、家事を手伝っている。
行く度に、お土産に野菜を持たせてくれる。
木曜日にキュウリを20本、そして日曜日にも20本…という具合だ。
「まだ食べきっていないので…」と辞退したこともあるけれど、
最近、思うのは、在庫を抱えて困ることは困るけれど、
貰ってあげることも、愛情かもしれないということ。
義母が畑に出られなくなってからも、
一人で黙々と野菜の世話をしている義父。
大正生まれの日本男児。
「ありがとう」と素直に言えず、たいてい「迷惑かけて悪いね」と言う。
毎週、手伝いにくる息子夫婦に、なにかお返しがしたいと思っているようだ。
特に息子は、日曜しか休みが無いのに、貴重な休日を全部、義父母のために使っている。
口下手な義父のありがとうの形が、野菜なのかもしれない。
野菜を受け取ることは、義父の気持ちも受け取ることなんじゃないかな。
…だから、夏場に差し掛かり、傷み易いけれど、
私たちが帰る頃に用意してくれる摘みたての野菜は、全部いただいてくることにしている。
そして子供たちも、3週間、毎日キャベツ料理が続いても、文句は言わない。(言わせない)
要らないモノを取り込むのは掟破りだが、
時にはこんな選択もアリかな…と思う今日この頃。
私は野菜は作らないけれど、薔薇は育てる。
キャラメル・アンティークがやっと咲いた。
春になってもずっと蕾がつかず、
もう咲かないか…と諦めかけたら、思い出したようにポッと咲いた。
夢みたいに柔らかい印象の大人っぽい薔薇。
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