河原の石の観察
天王寺川や天神川は長尾連山にその源はあります。川原では、長尾連山をつくっている岩石が小石になって運ばれてきたと考えられますが、そのほかに伊丹台地をつくっている岩石がまじっている場合もあります。伊丹台地は武庫川や猪名川が運んできた泥や砂や小石でできています。 武庫川は流紋岩や凝灰岩、猪名川は泥岩(けつ岩)やチャートをたくさん運んできます。川原では過去や現在流れてきた小石のほか、工事によって使われた石もあります。他にも、人間が作り出したものがまじっています。植木鉢や瓦、レンガやアスファルトのかけらなどもまじって川原をつくっています。
流紋岩
マグマが地上または地上近くで急激に冷え固まった岩石。火山が爆発したときにくだかれた石のかけら(火山れき)が入っているものもみられます。岩石の中に白いアルカリ長石や斜長石,灰色の石英のなどの粒(斑晶)が点々と入っています。石英や長石類の斑晶が破片状になっている場合は火砕流堆積物(火砕岩)と考えられます。川原では火砕流たい積物の流紋岩のほうががよくみられます。
凝灰岩
火山灰などの火山の噴出物が固まってできた岩石。温度が高い状態で、粒子が溶けて固まったものを溶結凝灰岩と呼ぶこともあります。加工しやすいので、古くは古墳のなかにおさめる石棺などに利用されています。
花こう岩
マグマが地下深部でゆっくり冷えて固まってできた岩石。地下でゆっくりと冷え固まった深成岩に分類されます。墓石に利用されるのが御影石で、花こう岩のことです。御影石は神戸市東灘区にある御影という地域が名前の由来です。現在では、ほとんど採掘されておらず、墓石はほかの産地のものが使われています。この川原でみられる花崗岩はカリ長石(ちょうせき)を多くふくみ赤っぽい色をしています。六甲花崗岩とよく似ています。花こう崗岩は風化すると真砂土(まさつち)になり園芸用の土として利用されます。
泥岩(けつ岩)
粘土や泥が強い圧力でおされて,固まった岩石。長尾連山のふもとには泥岩や砂岩の地層が見られる。それらの地層は海底でできた地層で、泥岩は固くなっているので「けつ岩」と呼ばれます。川原ではあまり見つけることはできません。
チャート
主成分が二酸化ケイ素でできている硬い堆積岩です。二酸化ケイ素のもとは放散虫というプランクトンです。水深3000~4000メートルの海洋底で降り積もってできます。海洋で形成されたチャートはプレートに乗ってやってきました。とても硬いため、他の岩石が川を下る間に砕けてぼろぼろになってもチャートは小石として残っています。この川原で見られるのは、おそらく猪名川や武庫川が運んできたチャートの岩石が伊丹台地に堆積し、再び天王寺川や天神川が台地けずってながれてきたものとおもわれます。
人工的なもの
いろいろなものがあります。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます