わたしを 誰かが
なぞっていく
わたしの 言葉を
ひろっていく
わたしは だれで
私の心は だれのもの
わたしは 私で
他の だれでもなく
一人で生きていると
思っていたのだけれど
それは 真っ赤な嘘で
わたしを生かしているものは
私以外の だれかであると
思ってしまう日には
息を止めて
だれかの振る舞いを
静かに 見守り
わたしは だれかの影かもしれないと
それとも だれかが 影で
わたしは 影を落としているだけの
実体のない風のような
あるいは 風に散った花びらのような
不確かな行く先のない
むなしさなのかも 知れないのだけれど
すべてが 定かでない時であればこそ
わたしを 今日も
誰かが なぞっていくなら
わたしは 実体のない
陽炎になって あなたのそばで
たゆとうことをえらぶ
なぞっていく
わたしの 言葉を
ひろっていく
わたしは だれで
私の心は だれのもの
わたしは 私で
他の だれでもなく
一人で生きていると
思っていたのだけれど
それは 真っ赤な嘘で
わたしを生かしているものは
私以外の だれかであると
思ってしまう日には
息を止めて
だれかの振る舞いを
静かに 見守り
わたしは だれかの影かもしれないと
それとも だれかが 影で
わたしは 影を落としているだけの
実体のない風のような
あるいは 風に散った花びらのような
不確かな行く先のない
むなしさなのかも 知れないのだけれど
すべてが 定かでない時であればこそ
わたしを 今日も
誰かが なぞっていくなら
わたしは 実体のない
陽炎になって あなたのそばで
たゆとうことをえらぶ
エキナセア
花言葉 あなたの痛みを癒します
懐かしいその笑顔
心和む仕草
あなたに会うために
幾たびこの道をたどったことだろう
あなたの前に立ち
ひと時を 追憶の中で
たゆとうとき
すべてが 許され
すべてが受け入れられ
しかし とか
けれど とか
反意的な思いが
すこしも 頭をもたげない
かつてあなたは
熟考を促すために
私の落胆を承知の上で
数々の けれど
や しかしを
私に届けてくれたのに
あなたは そんなに鷹揚に
今の私の生き方を
許してくれるのでしょうか
自分自身がわからなくなった時
あなたのこたえを聞きたくて
この道を 幾度となくたどり
答えのない答えを
受け止めて 私は
ゆっくりと 家路につくのです。
拒めない 明日のために。
心和む仕草
あなたに会うために
幾たびこの道をたどったことだろう
あなたの前に立ち
ひと時を 追憶の中で
たゆとうとき
すべてが 許され
すべてが受け入れられ
しかし とか
けれど とか
反意的な思いが
すこしも 頭をもたげない
かつてあなたは
熟考を促すために
私の落胆を承知の上で
数々の けれど
や しかしを
私に届けてくれたのに
あなたは そんなに鷹揚に
今の私の生き方を
許してくれるのでしょうか
自分自身がわからなくなった時
あなたのこたえを聞きたくて
この道を 幾度となくたどり
答えのない答えを
受け止めて 私は
ゆっくりと 家路につくのです。
拒めない 明日のために。
葛の花
花言葉 芯のつよさ
人の優しさや 暖かさは
生来のものなのか
私の中の優しさ的要素は
優柔不断 自信のなさなど
マイナスの要素からなる
ソフトイメージでしかないのだけれど
決断力のなさや
いつまでも引きずって生きることを
こころよしとはしない私もいるので
人とは 本当に複雑な存在だと
心底思う
自分を許せない時
人もまた 許せないと固執する心を
懐柔する心がもたげることもあるし
何気ない仕草や 無邪気な行動を
難なく受け入れてしまう
無防備な心ももっている
楚々としていきて
人に迷惑をかけず
いつか 懐かしさをもって
思い出してもらえる存在になりたいと
思いながら
野の草のように 人知れず
静かに生きて
心を解放して 素直であることを
何よりも大切にしたい
生来のものなのか
私の中の優しさ的要素は
優柔不断 自信のなさなど
マイナスの要素からなる
ソフトイメージでしかないのだけれど
決断力のなさや
いつまでも引きずって生きることを
こころよしとはしない私もいるので
人とは 本当に複雑な存在だと
心底思う
自分を許せない時
人もまた 許せないと固執する心を
懐柔する心がもたげることもあるし
何気ない仕草や 無邪気な行動を
難なく受け入れてしまう
無防備な心ももっている
楚々としていきて
人に迷惑をかけず
いつか 懐かしさをもって
思い出してもらえる存在になりたいと
思いながら
野の草のように 人知れず
静かに生きて
心を解放して 素直であることを
何よりも大切にしたい
ソバナ
花言葉 清らかな愛
心細い感じがつづいて
もぞもぞしていると
本のページも なかなか
読み進まない
気がかりが何なのか
心細さは何からくるのか
ペースがよめない
足取りについていけない
一人の時間は
思いがけない考えが
頭をもたげ
すべてをご破算にして
ひっそりと生きていきたいと思ったりする
夜の闇も つらさだけが際立ち
信じていたひとすら
信じてはいけないと思い始める
スーパーマーケットで
トマトを手にしながら
ゴーヤの調理を考えているような
ちぐはぐ
タクシーを待っていたのに
バスが来ると
行先を確認せずのりこんでしまう
その無秩序な考えの破天荒が
余計 心を不安にする
少し心細いだけなのに
天変地異が予言されたほどに
落ち着かない
何かを また
失おうとしているようだ
もぞもぞしていると
本のページも なかなか
読み進まない
気がかりが何なのか
心細さは何からくるのか
ペースがよめない
足取りについていけない
一人の時間は
思いがけない考えが
頭をもたげ
すべてをご破算にして
ひっそりと生きていきたいと思ったりする
夜の闇も つらさだけが際立ち
信じていたひとすら
信じてはいけないと思い始める
スーパーマーケットで
トマトを手にしながら
ゴーヤの調理を考えているような
ちぐはぐ
タクシーを待っていたのに
バスが来ると
行先を確認せずのりこんでしまう
その無秩序な考えの破天荒が
余計 心を不安にする
少し心細いだけなのに
天変地異が予言されたほどに
落ち着かない
何かを また
失おうとしているようだ
ベロニカ
花言葉 忠実
夢見がよかった朝
眠りから覚めると
かつてなかったような
心楽しい想いが
胸に満ちていて
すべてのものに
機嫌よく 挨拶をしたくなる
おはよう
おはよう
今日はきっと いい一日だよ
小犬たちは
その気持ちを感じ取って
足元に絡みつき
ぐるぐる回り
ありったけの 可愛さで
いつもは気難しいわたしに
歓心をかおうとまといつく
眠る前の呪文と
夢の中の
うれしい出来事で
すっかり上機嫌で
目覚めたあとまで
いいことがありそうな気がする
一日の始まりに
小犬たちの
嬉しさの表現が
何にもまして幸せな時間と
空間を 作ってくれる
この子達の
無邪気な振る舞いに
いくども
救われてきたのを
忘れない。
眠りから覚めると
かつてなかったような
心楽しい想いが
胸に満ちていて
すべてのものに
機嫌よく 挨拶をしたくなる
おはよう
おはよう
今日はきっと いい一日だよ
小犬たちは
その気持ちを感じ取って
足元に絡みつき
ぐるぐる回り
ありったけの 可愛さで
いつもは気難しいわたしに
歓心をかおうとまといつく
眠る前の呪文と
夢の中の
うれしい出来事で
すっかり上機嫌で
目覚めたあとまで
いいことがありそうな気がする
一日の始まりに
小犬たちの
嬉しさの表現が
何にもまして幸せな時間と
空間を 作ってくれる
この子達の
無邪気な振る舞いに
いくども
救われてきたのを
忘れない。
千日紅
花言葉 色あせぬ愛
何かのスウィッチが
接触して
わたしを わけのわからない
哀しみ色のストールが覆い
その場に立ちすくんでしまう
好きとか 嫌いとか
どうでもよい時間が流れていき
胸の中に
思いもつかないほどの
大きな 空洞ができる
胸の中に手を差し込んで
その得体のしれない哀しみを
つかみ出したいけれど
それは 大きくて重い
屈託のない笑顔で
慰めたりしないでほしい
野の花を摘んでは 捨てて
野中の道に花のじゅうたんを敷き
その上を歩めよと
言われるがごとき 索漠とした
思いに陥るだけなのだから
時の魔術師が
なにがしかの 手練手管で
哀しみ消滅術を披露するなら
苦虫の笑いで
わたしもまた 蘇生するに違いない
接触して
わたしを わけのわからない
哀しみ色のストールが覆い
その場に立ちすくんでしまう
好きとか 嫌いとか
どうでもよい時間が流れていき
胸の中に
思いもつかないほどの
大きな 空洞ができる
胸の中に手を差し込んで
その得体のしれない哀しみを
つかみ出したいけれど
それは 大きくて重い
屈託のない笑顔で
慰めたりしないでほしい
野の花を摘んでは 捨てて
野中の道に花のじゅうたんを敷き
その上を歩めよと
言われるがごとき 索漠とした
思いに陥るだけなのだから
時の魔術師が
なにがしかの 手練手管で
哀しみ消滅術を披露するなら
苦虫の笑いで
わたしもまた 蘇生するに違いない
ギボウシ
花言葉 沈静
真似て生きるのは
とても難しい
憧れの女性の 思いを尋ねて
その生き方に傾倒し
語り口調すら
そのまま 自分の唇にのせようと
ひたすら 真似たりしてみたが
到底無理なことであった
それに気づいて
心折れて 途方にくれた
それが 青春という形であった
その通過点を過ぎると
異性の心惹かれる人の
好みの女性になりたいと思った
自分が見えなくなり
彼の人が どのように思うかが
最重要ポイントとなった
自分を捨てることも厭わなかった
然程までしても
人の心は移ろいやすく
決して
繋ぎ止める鎖にはならないことを
知らされた
心ときめく人が現れても
隠して 素振りにも見せず
気づいてくれるのを
待つことが
思いを遂げる術だと
言い聞かせる 心がある
この じれるような
もどかしい気持ちは
いのち果てるまで
続くのだろう
人の心が スクリーンに
映る影絵のように
薄っすらとでも
見ることが叶うなら
幸せがどんなにか
ふくらむことだろう
とても難しい
憧れの女性の 思いを尋ねて
その生き方に傾倒し
語り口調すら
そのまま 自分の唇にのせようと
ひたすら 真似たりしてみたが
到底無理なことであった
それに気づいて
心折れて 途方にくれた
それが 青春という形であった
その通過点を過ぎると
異性の心惹かれる人の
好みの女性になりたいと思った
自分が見えなくなり
彼の人が どのように思うかが
最重要ポイントとなった
自分を捨てることも厭わなかった
然程までしても
人の心は移ろいやすく
決して
繋ぎ止める鎖にはならないことを
知らされた
心ときめく人が現れても
隠して 素振りにも見せず
気づいてくれるのを
待つことが
思いを遂げる術だと
言い聞かせる 心がある
この じれるような
もどかしい気持ちは
いのち果てるまで
続くのだろう
人の心が スクリーンに
映る影絵のように
薄っすらとでも
見ることが叶うなら
幸せがどんなにか
ふくらむことだろう
オヤマリンドウ
花言葉 淋しい愛情
ためらいながら
日々の扉を開く朝
何が 私の上に訪れるのか
予兆の鳥のさえずりが騒がしい時
少し おびえながら 一足を踏み出す
道中のコンビニエンスストアに
あわただしく出入りする 人の
丸まった背中が わびしく目にうつり
その日が そんなにわびしいものなら
踵を返して 駆け戻り
明日になるのを待つべきかとも思うが
私に課せられた その日の仕事を
だれが代わって成し遂げるかと
責める思いが
仕事に向かう気持ちに 叱咤の鞭打つ音が聞こえる
いつも この仕事さえなければ
自由に 思いのままに
すきなことだけに向き合っていられると
逃げたい気持ちが
日々 頭をもたげる
思いなおすのくり返し
同じことなら 嬉々として
向かう場所が 待っていると
思わなければ と
言い聞かせる もう一人の私がいる
ままならないのが
生きている 過程なのだから
生きているのだから
本当の自分を 殺すことも
生きるすべなのだからと
毎日を
ためらいながら遣り過ごす
日々の扉を開く朝
何が 私の上に訪れるのか
予兆の鳥のさえずりが騒がしい時
少し おびえながら 一足を踏み出す
道中のコンビニエンスストアに
あわただしく出入りする 人の
丸まった背中が わびしく目にうつり
その日が そんなにわびしいものなら
踵を返して 駆け戻り
明日になるのを待つべきかとも思うが
私に課せられた その日の仕事を
だれが代わって成し遂げるかと
責める思いが
仕事に向かう気持ちに 叱咤の鞭打つ音が聞こえる
いつも この仕事さえなければ
自由に 思いのままに
すきなことだけに向き合っていられると
逃げたい気持ちが
日々 頭をもたげる
思いなおすのくり返し
同じことなら 嬉々として
向かう場所が 待っていると
思わなければ と
言い聞かせる もう一人の私がいる
ままならないのが
生きている 過程なのだから
生きているのだから
本当の自分を 殺すことも
生きるすべなのだからと
毎日を
ためらいながら遣り過ごす
留紅草(るこうそう)
花言葉 常に愛らしい
幼い頃の思い出は
自然の中で 学んだこと
友との間で感じたこと
すこし 成長して
書架の書物にいざなわれたこと
没頭したこと
親の庇護から離れて
世の中で 悟ったこと
生と死を目にして
無常の意味を知らされたこと
自分で蒔いた種を
自分で刈り取る意味を体験したこと
映画を見て
止まらない昂ぶりに
泣きじゃくったこと
引き止める友の手を振り払って
突き進んだこと
つり橋を前に
足がすくんで 後ずさりしたこと
野いちごに出会うと
走馬灯のように浮かんでくる
それぞれを
野いちごを口に含み
ひとつ呑み込んで
又ひとつ と
心が辿る時間が
現実から私を遠ざける
昼下がりの 夢想
自然の中で 学んだこと
友との間で感じたこと
すこし 成長して
書架の書物にいざなわれたこと
没頭したこと
親の庇護から離れて
世の中で 悟ったこと
生と死を目にして
無常の意味を知らされたこと
自分で蒔いた種を
自分で刈り取る意味を体験したこと
映画を見て
止まらない昂ぶりに
泣きじゃくったこと
引き止める友の手を振り払って
突き進んだこと
つり橋を前に
足がすくんで 後ずさりしたこと
野いちごに出会うと
走馬灯のように浮かんでくる
それぞれを
野いちごを口に含み
ひとつ呑み込んで
又ひとつ と
心が辿る時間が
現実から私を遠ざける
昼下がりの 夢想
野いちご
花言葉 尊敬と愛情