元ライターの小説家への道

僕もまだ本気を出していません。

秋好英明事件を読んだ

2008年05月14日 00時27分26秒 | アレコレ鑑賞
 かしゆかです。あ~ちゃんです。のっちです。青春、青春、そりゃ売春!このバカタレが!

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 まずは前置きだが、例えば誰かに意見を言う時、書く時のこと。それが言う相手だけで完結する場合は良いのだが、別の誰かが絡む場合。例えば夫婦間の話を旦那からだけ聞かされて、奥さんからの話を聞いていない。そういう場合は、夫の言い分しか話を聞いていないので、それで何かを言うのはフェアじゃないと僕は思う。奥さんには奥さんの言い分があると思う。

 別にそういう場面に遭遇したわけではないが、基本的に僕のスタンスはそうなの
で、誰かに意見をするということはあまりない。そういう意味では非常に中立であると思う。それは仮に僕が夫と非常に親しく、奥さんとは面識が無いような場合でも当てはまる。夫の話をうんうんと同調する感じで聞いていたとしてもだ。

 話はそれるが、とある友人はそのような立場になった時、問答無用に夫の味方をするといっていた。仮に夫の言うことが嘘だとしても友人の味方になると。公平ということでは僕の考えの方が正しいと思うが、人としては友人の考えが正しい気がする。

 そして話を戻すがこの本を読んだ。登場人物の一部は仮名だが、ノンフィクションの作品だ。

秋好英明事件 (文春文庫 し 17-6)
島田 荘司
文藝春秋

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 この事件は1976年6月13日に福岡県の飯塚市で起きた、一家四人殺害事件の犯人で
ある秋好英明の生い立ちから犯行に至るまでの経緯を綴った書である。秋好容疑者は現在すでに最高裁での判決が下り、死刑囚として刑の執行を待つ状態である。しかし秋好死刑囚と本書は訴える。私は(彼は)冤罪であると。一家四人のうち秋好死刑囚は一人しか殺していないと言っているのである。共犯者がいると言っているのである。

 本書の概要はこのような感じではあるが、ノンフィクションということで色々と考える部分もある。当時の世間の人々の秋好英明に対する印象は、ギャンブル好きで虚言癖があるうえ前科モノ。借金もあるし、職は点々とする無頼漢である。そしてそれらは結果としてすべて正しい。だがしかし、人にはそれぞれ止むを得ない事情が存在する。確かに彼には愚かな行動が見られるのだが、それに至る経緯を読むと同情せずにはいられない。

 誰の人生にも浮き沈みはある。全てを捨てて逃げたいと思う時もあれば、世界中の人が自分を祝福してくれているように感じることも。しかし彼の場合、その全てが人を殺すために仕組まれていたように感じるのは不思議だ。彼は子供の頃に福引をして1等賞を得たことがある。これだけ聞くと幸せの1ページに感じるが、しかし彼はこの出来事により楽をしても何かを得られることがあるんだと知ってしまう。そして後に彼をギャンブルで狂わせることになる。

 そして物語はラストで裁判へと進むのだが、これには強い憤りを感じる。周防監督の痴漢冤罪に関する映画「それでも僕はやっていない」でも思ったのだが、日本の裁判は容疑者を犯人に仕立て上げるための方法が取られており、容疑者が無実となる証拠は出さないように検察が動いたりする。

 秋好英明事件でも「指紋に関する証拠を提出してくれれば共犯者がいることがわかる」と言ってもそれは出してはもらえない。それどころか、この証拠って共犯説を裏付ける物だよね?となっても裁判官に無視されたら認めてもらえない。刑事事件逮捕者の99%が有罪になるというのも頷ける。

 僕は元々、親しい人が殺されない限り死刑には反対なのだが、ますますその思いは強くなりました。

 そして最初の話に戻るのだが、この本はあくまで秋好死刑囚側の話であり共犯者とされる人物側の話が一切無い。この状態で色々と書き連ねるのはアンフェアかとは思うが、じゃあ僕の立場で共犯者の意見を聞けるのかと言えば、それはノー。そんなことで今回の感想を書いてみました。客先で。

ちなみにこの事件は最高裁での判決は下ったがまだ続いている。
その内容はこちらでどうじょ。
http://ssk-ws.cside3.com/new/akiyoshi/index.html

 今度はこれでも読んでみようと思います。



唯脳論 (ちくま学芸文庫)
養老 孟司
筑摩書房

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 父の日のプレゼントに買っちゃいなよ。

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