懐かしの旗竿制作

2009年08月31日 21時46分20秒 | 公開記事

先日、E655系に旗が付いて試運転されましたが、なんだか鉄道車輛に掲げる“旗竿”について夢中になっていた頃を懐古してしまいました。今日は台風で撮影には出かけませんでしたので、そんな懐古話を記してみたいと思います。

 去る07-6-17のロクイチ牽引ミステリー団臨を企画した際、終着駅がやむなく横川に決定しました。“ミステリーな行路”を優先するか“EF5861が走れる行路”を優先するかで、こう決まったわけですが、終着駅が横川になった以上は隣接の碓氷峠鉄道文化むらに寄らないわけがありません。ただ寄るだけでは、企画者として非難されてしまうので、いろいろ考えていた末、「EF58172に旗をつけようじゃないか!」と思いついたのです。

 早速、碓氷峠鉄道文化むらに打診したところ、予想に反してすんなり許可が下りました。そんなこんなで、3月に挨拶を兼ね下見に行きました。EF58 172はかつて日光線でお召列車牽引の実績があり、旗竿などのお召装備も一緒に保管されているのかと期待はしていたのですが、案の定、同園にはないとのこと。「それでは自作しかない!」と私の工作魂がうずうずとうずき始めたのです。

 さて、同車を観察してみると、かつて「999」のヘッドマークを掲げた際に使われたヘッドマークステー(写真左①)、旗竿の交差部分と車体とを固定するための器具(写真左②)、旗竿の足元を固定する器具(写真左③)を確認。肝心のメジャーを忘れたので、これだけ見て撤収しました。
 自宅に帰って文献をあさってみたり、「旗竿」などのワードでネット検索するも、寸法などの細かい情報はやはり皆無でした。その頃は鉄道博物館もまだオープンしていませんから、近場でEF58の実車(※EF5889には旗取り付け器具はありません)を見ることは不可能。挙句の果てにNゲージのロクイチが登場しました…。こうして、旗竿制作は、尾久公開時の日章旗を掲げたロクイチの写真とNゲージ、そして自分の勘に頼ることになったのです。

 まずはホームセンターで、お手ごろ価格・サイズの棒と、発泡スチロールの玉、黒と金の塗料を買い込み、自分なりに計算してたたき出した数値をあてはめた適当な設計図をもとに製作を開始。その後、幾度となく自宅⇔ホームセンターを往復したことは言うまでもありません。

 ③の器具間はとりあえず65cm(←予想値)。旗竿の底に頑丈な釘を打ち込んで、③の穴に差し込む方式を取りました。交差位置はさすがのお召なので、③の器具と交差部分を結ぶ3点は正三角形になるのかと思い、根元から70cm付近にしました。交差部分と車体とを固定する器具はもはや使いようがなかったので、ヘッドマークステー①から針金で引っ掛ける方針に。交差部分の固定方法や飾り物などは上写真右をご覧ください。

 ということで、4月になってから一度現地に取り付け演習しに行きました。竿の長さも交差箇所などもほぼ問題なく、見た目も納得。取り付け方法も文化むらからOKをいただき、6月の本番を迎えたのでした。


OBでもあり実行委員メンバーが取り付ける様子(プライバシー保護のため一部修正) T氏撮影


飾り物は校章。金色の折り紙も捨てたもんじゃない!


取り付け演習時のもの。本番は左側の旗(小金井鉄研)もきちんと新規製作された


本番時の様子。旗が風になびいて美しい


もちろんEF58 172で記念撮影。某編集長の姿も… T氏撮影

 今となってはこの旗竿は行方不明。それにしても、この団臨以来、なにかに没頭したり熱中したりしていないなぁ…。笑
 そんなことは置いといて、それでもやはり、ロクイチの方がかっこいいのである。国鉄時代だったら、横川停車中に旗をつけさせてもらったり、線路に降りて記念撮影とかできたのでしょうね。



もう完全な“過去”のものとなった、懐かしき、あの日…


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