種を蒔くと芽が出る。
種の大きさからは、考えられないほど大きな芽が出る。
逆に言えば、今見ているこの大きな双葉[子葉]は、あの小さな種が作り出したものなのだ。
双葉が地上に顔を出した時点[出芽]で種の役目は終わる。
ここからは自分の力で育っていかなければならない。
双葉は、葉の気孔から二酸化炭素を吸収し、根から水を吸い上げる。
これが、光のエネルギーによって養分のデンプンになり、ついでに酸素を放出する[光合成]。
四、五日もすると双葉は倍ほどの大きさになり、根の数も増え、より多くの養分を作り出せるようになる。
それを見はからって、一週間もすると双葉の間から本葉が展開していく。
人間が双葉に最適な光と水を与えれば、三十日ほどで本葉が三、四枚になる。
しかし、それほど簡単なことではない。
双葉を虫に喰われようものならどうしようもない。
双葉が元気でも、柔らかくておいしい本葉の芯芽は虫の大好物だ。
そこで、いきおい、幼苗のころだけは農薬に頼る。
病気の予防も兼ねて市販の殺虫殺菌剤を年に一本だけ、苗づくり用に買っている。
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「苗半作」という言葉がある。
苗を育てる段階で、収穫までのが半分の作業が終わっている。
最初の苗作りが最も重要で、良い苗ができれば半分は成功したようなものだ。
毎日毎日、苗床の小さな畑を、虫がついていないか目をさらにして見る。
太陽の様子をみながら日向や日陰に苗床を移動する。
なんとも手のかかる小さな畑である。
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