ヤマヒデの沖縄便りⅣ 歩き続けて 歩き続ける 再び

「基地の島」沖縄を歩き、琉球諸島を巡る基地・戦争への道を問いかけ、自然を語る。●無断転載、お断り。
 

【拡散願います】B-52戦略爆撃機を中軸とする米韓日軍事演習と日本政府の関与(20231019)

2023年10月19日 | 朝鮮半島情勢

 2023年10月17日、米国空軍B-52戦略爆撃機等と韓国空軍F-35の共同演習が朝鮮半島で行なわれた。従来、B-52戦略爆撃機は演習が終われば、グアムに戻っていたが、韓国の空軍基地に着陸した。異例なことだという。

 10月22日に今度は韓米日で同様な訓練を行なうようだ。朝鮮半島を巡る対立は、1950年の朝鮮戦争から表面化してきた。力には力の理屈が極まり、朝鮮人民民主主義共和国も核開発やミサイル開発を急速に進めてきており、軍事緊張を高めてきた事は否めない。

 そこに日本国が露骨に噛んで今度の演習が行なわれようとしている。B-52戦略爆撃機は長距離を大量な爆弾を積み、核攻撃もできる。これに日本側が参加することじたい、「専守防衛」を明らかに超えた攻撃パターンとなり、憲法上断じて許されないことだ。爆撃機を援護しながら航空自衛隊の戦闘機が飛ぶとすれば(詳細不明)、「敵基地攻撃能力」の行使への加担となる。日本国が明確に火をつける側にまわることになる。

 やめるべきだ。しかしこれは「安保3文書」が描く方向にあることなのだろう。23年10月5日、木原防衛大臣はワシントンで米日防衛相会談を開いている。この中で、ロシアと中国について触れ、さらに「北朝鮮による核・弾道ミサイル開発等の日米同盟をとりまく安全保障環境について議論した上で日米間の連携をこれまで以上に強く強化したことを確認した」(防衛大臣臨時記者会見」(23年10月5日ー防衛省HPから)とある。続けて「さらにミサイル警戒情報のリアルタイムでの共有を含む日米韓防衛協力や、共同訓練を含む様々な分野で日米豪防衛協力をさらに深化させていくことを確認」などと米国・米軍の意向に正面から乗っかっていく方針を示している。

 米国の拡大抑止戦略に乗っていけば、来すことは核戦争しかないだろう。其処までガチに衝突している現在、私たちは如何に考えるのか? 冷静に捉えれば、「拡大抑止」ということの危うさを見るべきだ。米国は敵を震え上がらせるほどの暴力による威嚇を、対して朝鮮民主主義人民共和国は、人民・住民を無視できる独裁態勢と反撃力の強化、こうした悪循環がこれまで続いてきたのだ。

 昨日18日、防衛省の芹沢清審議官は、韓国を訪問し、第12回ソウル・ディフェンス・ダイアローグへの参加のために韓国訪問中、シン韓国国防部次官と約40分協議したという(防衛省23年10月18日HPから)。「北朝鮮による核・ミサイルの脅威を始めとする地域の厳しい安全保障環境について意見交換を行ない、本年8月の日韓米首脳会合の成果も踏まえ、日韓・日韓米防衛協力当局間で緊密に意思疎通していくことで一致」したとある。

 こうした動きと、B-52戦略爆撃機による朝鮮民主主義共和国に対する恫喝訓練は、密接に関係しているだろう。机上と「戦場」(朝鮮戦争は休戦のままだ)が繋がっており、日本国政府が米国に基地提供に輪を掛けた能動的な動きを提供することは、朝鮮半島(南北朝鮮)と私たちに何をもたらすのだろうか? 沖縄に何をもたらすのかを私は考えざるを得ないのだ。

 B-52戦略爆撃機を中心とした共同演習を取りやめ、力による威嚇の軍事方針を撤回すべきだ。米韓日と北朝鮮の両者が噛み合う平和外交に舵を切るべきだ。日本は過去の朝鮮侵略(朝鮮併合)が今日の分断統治ー政治をもたらす基礎となったのだ。日本帝国の加害者としての歴史は消すことはできない。その上塗りをやめるべきだ。明確な総括をしてこなかったから、米国につけ込まれることにもなったのだ。



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