タケ・タケ・エヴリバディ!

当ブログは「竹と生きる・竹を生かす」をメインテーマに、管理人の田舎暮らしの様子をお届けします。

教誨(きょうかい)

2023年09月21日 | 読みました!見ました!

柚月裕子さんの「教誨(きょうかい)」(小学館)を読了しました。やっぱり柚月さんの小説は面白い。ハズレがありませんね。彼女の小説は、先月読んだ「月下のサクラ」に次いで2か月連続です。いやぁ~面白い。


女性死刑囚の心に迫る本格的長編犯罪小説。幼女2人を殺害した女性死刑囚が最期に遺した言葉「約束は守ったよ、褒めて」。この言葉の意味するところは何か??

吉沢香純と母の静江は、遠縁の死刑囚三原響子から身柄引受人に指名され、刑の執行後に東京拘置所で遺骨と遺品を受け取った。響子は10年前、わが子も含む女児2人を殺めたとされた。香純は、響子の遺骨を三原家の墓におさめてもらうため、菩提寺がある青森県相野町を単身訪れる。香純は、響子が最期に遺した言葉の真意を探るため、事件を知る関係者と面会を重ねてゆく。(Amazonより)


なんとも重たくて辛い小説でしたね。ストーリーの先が気になって一気に読んでいまいましたが、気分は沈んでいくばかりでした。数年前(?)に秋田で発生した連続児童殺害事件がヒントになっているんですかね?。息苦しい地方の嫌な所、寺の住職も地域住民も、周りの人間がみんな嫌な人間に思えてきてしまいました。

人は誰もが、善と悪の両者を持っています。悪には先天的なものだけでなく、自分ではどうしようもない事情で、後天的に周囲の環境からそうなっていくケースもあるのだと再認識しました。しかも、どん底まで心が弱っている時ほど、悪を抑えねばならない状況になるのですよね。ところが、人間は弱い動物なのですよ。

そうなると、やっぱり周りの人間との関係は重要ですよね。「不幸な女性」の周りには、例外なく「ダメな男がいる」ってことも再認識しました。

まぁ、いろいろなことを考えさせられた小説でした。気持ちはスッキリしないけど、それこそが作者の柚月裕子さんの「ねらい」なのかもしれません。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする