一目（いちもく）置かれる存在 －在日－

田原総一郎さんが司会する”朝まで生テレビ”は、好きな番組の一つ。毎月最終金曜日の深夜に、論客が朝まで議論する番組です。自分の主張に熱心で相手の反論を聴こうとしない大半の出演者の中に、一人だけ違った空間を持っている人がいますよ。
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在日 (集英社文庫 か 48-1) (集英社文庫 か 48-1) 姜 尚中 集英社 このアイテムの詳細を見る

◆一瞬の静寂

姜 尚中（カン・サンジュン）さんが、ゆっくりと低音の効いた声で論理的に話し出すと、それまで相手の意見をかぶせてしゃべっていた人たちが、いっせいに黙ってしまいます。一瞬の静寂が訪れるんです。
論理が明快で、人を非難することなくあくまでも真理を説明しようとする姜さん。ちょっと違いますよ。一目置かれる存在。


◆在日二世として

彼は朝鮮戦争の年に、在日一世の両親の子として熊本で生まれています。
読み書きがほとんどできない両親、家畜に囲まれた家、貧しい暮らし、そして日本人の蔑視の中で成長する姜少年。
勉強はできても、在日二世には望む就職もできない現実。

彼の半生を読むことで、在日二世の方々の気持ちがチョッピリ分ったような気がします。


◆死に向き合う時

姜さんが先生と慕う二人の人物。日本人牧師と在日一世のおじさん。
この二人が亡くなるときの記述が印象的でした。

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私の指紋押捺拒否を支援してくださった土門先生が、雪まじりの底冷えする日、永遠の眠りにつかれた。奥さんに『よかったね』と一言残されて。
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この牧師さんは、社会の弱者を救済する運動を一生懸命にやった方で、権力とも闘って人です。壮絶な人生の終わりは、奥様への『よかったね』でした。


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それまで一度も妻をおじさんに紹介する機会がなかったことが心残りだった。
私達は、それから数日間、意識のないおじさんの足をさすり、マッサージをした。
『あなたにそんなに愛情をかけてくれたおじさんですもの。私もそうしたいと思うわ』。妻の言葉がうれしかった。
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一度もあったことのないおじさんの身体を、ご主人とともにマッサージする妻。
感動しました。






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↓この歳になって、肌のすべすべを喜んでいますで紹介した”しあわせ元気村けんちゃん先生”のヒマラヤ岩塩のページです。