これが本物、大人のエッセイ 【ポーカー・フェース】

沢木耕太郎さんの最新エッセイ集。帯に「これが本物、大人のエッセイ。」とあります。やっぱり沢木耕太郎さんは、最高です！

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	ポーカー・フェース
	新潮社

◆圧倒的な清潔感と独自の美意識にあふれた13編

アマゾンの商品説明に
「高峰秀子の潔さ、尾崎豊への後悔、そしてサリンジャーが死んだ―虚と実が綾なす人生の不思議。
独り在ることの惑いと誇り。
生きる者と死にゆく者へ贈る励ましと別れの言葉。
圧倒的な清潔感と独自の美意識に溢れた、13編を収録。」
とありました。

そう、沢木さんの本を読むと、彼の清潔感を感じます。
とても正直な方だな～と感心するんです。
と同時に、人から好かれる天性があるんです。

この本に収録された13編のエッセイは、どれも珠玉。

今回も最高です。


◆ 無人島にもっていくとしたら

雑誌に、
「無人島に持っていく３冊」
旨の特集を組むにあたって、雑誌社から原稿依頼を受けることがあるそうです。

でも
「いつも断っています。
というか書けないんです」


無人島で必要な本と言えば
「短時間で確実に火を起こす方法」
や
「食料を見つけ出す方法」
の類が必要ではないか。

いやその前に、
「無人島を確実に脱出する方法」
という本が要るのではないかと考えてしまう。

だから、雑誌社が期待するような「お勧め本」は書けそうも無い。


博打はやらない沢木さんですが、賭博のバカラの「必勝法を真剣に探す」ことを考えていたときがあったとか。

すると米国の友人から、数字ばかりの本が送られてきて、見ると正に「バカラ必勝法」の類の本だったとか。
この数字ばかりの本を見ていると飽きない。

「そうだ、無人島にはこの本を持って行こう。
誰にも邪魔されずに、必勝法を見つけ出すことができる！」
と喜ぶ沢木さん。

それを友人に話すと、反応がイマイチ。
「もし必勝法が見つかったら、それこそ悲しいですよね。
だって無人島では、必勝法を生涯実践することができないんだから」


◆１３編

女優・高峰秀子さんのこと、出来上がるまでに恐ろしく時間のかかる食堂の定食、ブラディマリーの由来・・・。
何気ない話、有名人との爽やかな交友関係など、興味深い話が満載です。

今回も、大満足です～。


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