思えば、つくり笑いをしてた時と、
マタニティライフエンジョイ期間と、別の時代のできごとのよう。
それくらい、
気持ちの転換ということは、人の幸不幸を変えるんだね。
出産に向けてパーマもかける。
シャリバンの体自体に病気は7割の確率であったけど、妊娠経過にはなんの問題もなく、まもなく臨月を迎えるというあたり。
地元のお祭りに、ギャバンとじいじと、でかける。金魚すくいとかミルクせんべいとか、楽しいことをいっぱいやって‥
実家で、横になっていた時だ。むぎゅうむぎゅうとシャリバンが動き、うーんと体を伸ばしたような感じがした時、
じわーーん
こ‥こ‥これは!
破水かーーーー!!
いやはや、2度目の妊娠出産だから、産んでるのは同じわたしなんだから同じように進むような気がしていたのだけど、
まさかの破水スタート。破水したら、陣痛くんの?こなかったらどうすんの?
病院に電話したはずだけど覚えてないし、
そこからの記憶、ぜろ!
Yさんに連れて行ってもらったのだと思う。
気がついたら分娩台、横で寝てるYさん、
ときどき襲う陣痛。
「Yさん、お産でーす」と、担当助産師さんが小児科に電話をかける。
リスクありなので、赤ちゃんに何かあった時万全の体制でいてくれるのだ。
うぉーーーーと出産し、
Yさん、「あ、男だ。」と第一声。
お顔を見ると、あれ‥男前じゃない??
パチリと写真を撮って、
すぐどこかへ連れていかれたシャリバン。
その間に私はおいしいサンドイッチとおにぎりをペロリ。
シャリバンの病気については説明を受けて、手術の話も聞いて、覚悟してたので、はいわかりましたという感じ。
やっとシャリバンと2人になって顔をゆっくり見ると‥
あーーんなに壮絶な妊娠期間だったのに、
こんなホワワンとした子が産まれてきた‥
悪魔でも産むつもりでいたんだろうか。
赤ちゃんの可愛さに、心底感動した。
上手に母乳も飲める子で、よく泣く。
ところが。
2日目、3日目、だんだん飲めなくなっていく。含む、口の力がなくなっていくよう。
戦うけど、そのうち眠ってしまう。
だんだん命が、こぼれていきそうになってることを、腕の中に感じる。
お風呂に入れる実習を、3人で聞く予定だったとき。
説明を受けている時、看護婦さんやお医者さんが急に走ったり、バタバタして雰囲気が変わったのを感じた。
なに?
わたしには何も告げられずに、説明を受けてる後ろで、看護師さんにお風呂に入れられてるシャリバン。え?なんで?今から私が入れるのでは??
なぜかわたしだけ、人形で実習させられた。
え、何かゆうてくださいよ‥
後から説明があった。危険な不整脈が起こって、NICUに入ることになったと。
急に離れ離れになった。母乳だけは飲ませたくて、手絞りで、なんとか、栄養価の濃いところだけは、届け続けた。
そして私だけ退院。
実家で搾乳しては、冷凍を繰り返す。それを持っていって飲ませてもらう。
NICUでは、おむつひとつ。
顔が変わったな‥
あんなに泣いてたのに目も覚まさない。母乳を飲ませることにこだわる私に、ちょっと看護師さんが引いてる。頭がゆがまないように、位置を変えてもらえますか?と言うと、それにもちょっと引いてらっしゃる。
たぶん、そんな次元にないんだろうな。
つづく