万葉短歌-悠山人編

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万葉短歌1245 志賀の海人の1140

2014年01月30日 | 万葉短歌

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万葉短歌1245 志賀の海人の1140

志賀の海人の 釣舟の綱 堪へかてに
心思ひて 出でて来にけり  

1140     万葉短歌1245 ShuD194 2014-0130-man1245

しかのあまの つりぶねのつな あへかてに
  こころおもひて いでてきにけり
=未詳。作者名・脚注・左注のいずれもない。
【編者注】題詞は「羈旅作」。全90首(1161~1250)の第85首(補正歌順85、第1161歌参照)。
【訓注】志賀(しか=四可)[筑前国(福岡県)志賀島]。海人(あま=白水郎)。釣舟(つりぶね=釣船)。堪へかてに(あへかてに=不堪)。心思ひて(こころおもひて=情念而)。


万葉短歌1244 娘子らが1139

2014年01月29日 | 万葉短歌

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万葉短歌1244 娘子らが1139

娘子らが 放りの髪を 由布の山
雲なたなびき 家のあたり見む  

1139     万葉短歌1244 ShuD194 2014-0129-man1244

をとめらが はなりのかみを ゆふのやま
  くもなたなびき いへのあたりみむ
=未詳。作者名・脚注・左注のいずれもない。
【編者注】題詞は「羈旅作」。全90首(1161~1250)の第84首(補正歌順84、第1161歌参照)。
【訓注】娘子(をとめ=未通女)。放りの髪(はなりのかみ=放髪)。由布の山(ゆふのやま=木綿山)[大分県由布岳]。雲なたなびき(くもなたなびき=雲莫蒙)。家のあたり(いへのあたり=家当)。


万葉短歌1243 見わたせば1138

2014年01月28日 | 万葉短歌

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万葉短歌1243 見わたせば1138

見わたせば 近き里みを た回り
今ぞ我が来る 領巾振りし野に  

1138     万葉短歌1243 ShuD190 2014-0128-man1243

みわたせば ちかきさとみを たもとほり
  いまぞわがくる ひれふりしのに
=未詳。作者名・脚注・左注のいずれもない。
【編者注】題詞は「羈旅作」。全90首(1161~1250)の第83首(補正歌順83、第1161歌参照)。
【訓注】見わたせば(みわたせば=視渡者)。里み(さとみ=里回)。た回り(たもとほり=田本欲)。今ぞ我が来る(いまぞわがくる=今衣吾来)。領巾(ひれ=礼巾)[0871, 0872, 0873, 0874, 0883]。


万葉短歌1242 あしひきの1137

2014年01月27日 | 万葉短歌

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万葉短歌1242 あしひきの1137

あしひきの 山行き暮らし やど借らば
妹立ち待ちて やど貸さむかも  

1137     万葉短歌1242 ShuD190 2014-0127-man1242

あしひきの やまゆきぐらし やどからば
  いもたちまちて やどかさむかも
=未詳。作者名・脚注・左注のいずれもない。
【編者注】題詞は「羈旅作」。全90首(1161~1250)の第82首(補正歌順82、第1161歌参照)。
【訓注】あしひきの(足引之)。やど(宿)[二か所]。妹(いも)。


万葉短歌1241 ぬばたまの1136

2014年01月26日 | 万葉短歌

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万葉短歌1241 ぬばたまの1136

ぬばたまの 黒髪山を 朝越えて
山下露に 濡れにけるかも  

1136     万葉短歌1241 ShuD190 2014-0126-man1241

ぬばたまの くろかみやまを あさこえて
  やましたつゆに ぬれにけるかも
=未詳。作者名・脚注・左注のいずれもない。
【編者注】題詞は「羈旅作」。全90首(1161~1250)の第81首(補正歌順81、第1161歌参照)。
【訓注】ぬばたまの(黒玉の)。黒髪山(くろかみやま=玄髪山)[備中国阿賀郡?山城大和国境佐保山系?]。濡れに(ぬれに=沾)。


万葉短歌1240 玉櫛笥1135

2014年01月25日 | 万葉短歌

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万葉短歌1240 玉櫛笥1135

玉櫛笥 みもろと山を 行きしかば
おもしろくして いにしへ思ほゆ  

1135     万葉短歌1240 ShuD190 2014-0125-man1240

たまくしげ みもろとやまを ゆきしかば
  おもしろくして いにしへおもほゆ
=未詳。作者名・脚注・左注のいずれもない。
【編者注】題詞は「羈旅作」。全90首(1161~1250)の第80首(補正歌順80、第1161歌参照)。
【訓注】玉櫛笥(たまくしげ=珠匣)。みもろと山(みもろとやま=見諸戸山)[?]。おもしろくして(面白四手)。いにしへ思ほゆ(いにしへおもほゆ=古昔所念)。


万葉短歌1239 大海の1134

2014年01月24日 | 万葉短歌

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万葉短歌1239 大海の1134

大海の 磯もと揺り 立つ波の
寄せむと思へる 浜の清けく  

1134     万葉短歌1239 ShuD185 2014-0124-man1239

おほうみの いそもとゆすり たつなみの
  よせむとおもへる はまのきよけく
=未詳。作者名・脚注・左注のいずれもない。
【編者注】題詞は「羈旅作」。全90首(1161~1250)の第79首(補正歌順79、第1161歌参照)。
【訓注】磯もと(いそもと=礒本)。浜の清けく(はまのきよけく=浜之浄奚久)。
【2014年01月23日のアクセス数】 「閲覧数379 訪問者数209 順位7,175位 / 1,979,847ブログ中」。


万葉短歌1238 高島の1133

2014年01月23日 | 万葉短歌

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万葉短歌1238 高島の1133

高島の 安曇白波は 騒けども
我れは家思ふ 廬り悲しみ  

1133     万葉短歌1238 ShuD185 2014-0123-man1238

たかしまの あどしらなみは さわけども
  われはいへおもふ いほりかなしみ
=未詳。作者名・脚注・左注のいずれもない。
【編者注】題詞は「羈旅作」。全90首(1161~1250)の第78首(補正歌順78、第1161歌参照)。
【訓注】安曇(あど=阿戸)[滋賀県高島市安曇川]。我れは(われは=吾)。廬り悲しみ(いほりかなしみ=五百人鉇染)。


万葉短歌1237 静けくも1132

2014年01月22日 | 万葉短歌

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万葉短歌1237 静けくも1132

静けくも 岸には波は 寄せけるか
これの屋通し 聞きつつ居れば  

1132     万葉短歌1237 ShuD185 2014-0122-man1237

しづけくも きしにはなみは よせけるか
  これのやとほし ききつつをれば
=未詳。作者名・脚注・左注のいずれもない。
【編者注】題詞は「羈旅作」。全90首(1161~1250)の第77首(補正歌順77、第1161歌参照)。
【訓注】静けくも(しづけくも=静母)。寄せ(よせ=縁)。


万葉短歌1236 夢のみに1131

2014年01月21日 | 万葉短歌

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万葉短歌1236 夢のみに1131

夢のみに 継ぎて見えつつ 高島の
磯越す波の しくしく思ほゆ  

1131     万葉短歌1236 ShuD185 2014-0121-man1236

いめのみに つぎてみえつつ たかしまの
  いそこすなみの しくしくおもほゆ
=未詳。作者名・脚注・左注のいずれもない。
【編者注】題詞は「羈旅作」。全90首(1161~1250)の第76首(補正歌順76、第1161歌参照)。
【訓注】夢(いめ)。高島(たかしま)[近江国高島村、現滋賀県高島市]。磯(いそ=礒)。しくしく(敷布)[0206、0698、1101]。


万葉短歌1235 波高し1130

2014年01月20日 | 万葉短歌

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万葉短歌1235 波高し1130

波高し いかに楫取 水鳥の
浮寝やすべき なほや漕ぐべき  

1130     万葉短歌1235 ShuD182 2014-0120-man1235

なみたかし いかにかぢとり みづとりの
  うきねやすべき なほやこぐべき
=未詳。作者名・脚注・左注のいずれもない。
【編者注】題詞は「羈旅作」。全90首(1161~1250)の第75首(補正歌順75、第1161歌参照)。
【訓注】波(なみ=浪)。楫取(かぢとり=梶取)。浮寝(うきね=浮宿)。漕ぐ(こぐ=榜)。


万葉短歌1234 潮早み1129

2014年01月19日 | 万葉短歌

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万葉短歌1234 潮早み1129

潮早み 磯みに居れば 潜きする
海人とや見らむ 旅行く我れを  

1129     万葉短歌1234 ShuD182 2014-0119-man1234

しほはやみ いそみにをれば かづきする
  あまとやみらむ たびゆくわれを
=未詳。作者名・脚注・左注のいずれもない。
【編者注】題詞は「羈旅作」。全90首(1161~1250)の第74首(補正歌順74、第1161歌参照)。
【訓注】潮(しほ=塩)。磯(いそ=礒)。潜き(かづき=入潮)。旅行く我れを(たびゆくわれを=多比由久和礼乎)。


万葉短歌1233 娘子らが1128

2014年01月18日 | 万葉短歌

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万葉短歌1233 娘子らが1128

娘子らが 織る機の上を 真櫛持ち
掻上げ栲島 波の間ゆ見ゆ  

1128     万葉短歌1233 ShuD182 2014-0118-man1233

をとめらが おるはたのうへを まくしもち
  かかげたくしま なみのまゆみゆ
=未詳。作者名・脚注・左注のいずれもない。
【編者注】題詞は「羈旅作」。全90首(1161~1250)の第73首(補正歌順73、第1161歌参照)。
【訓注】娘子(をとめ=未通女)。織る機の上(おるはたのうへ=織機上)。


万葉短歌1232 大海の1127

2014年01月17日 | 万葉短歌

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万葉短歌1232 大海の1127

大海の 波は畏し しかれども
神を斎ひて 舟出せばいかに  

1127     万葉短歌1232 ShuD182 2014-0117-man1232

おほうみの なみはかしこし しかれども
  かみをいはひて ふなでせばいかに
=未詳。作者名・脚注・左注のいずれもない。
【編者注】題詞は「羈旅作」。全90首(1161~1250)の第72首(補正歌順72、第1161歌参照)。
【訓注】しかれども(然有十方)。斎ひて(いはひて=斎祀而)。舟出(ふなで=船出)。いかに(如何)。


万葉短歌1231 天霧らひ1126

2014年01月16日 | 万葉短歌

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万葉短歌1231 天霧らひ1126

天霧らひ ひかた吹くらし 水茎の
岡の港に 波立ちわたる  

1126     万葉短歌1231 ShuD179 2014-0116-man1231

あまぎらひ ひかたふくらし みづくきの
  をかのみなとに なみたちわたる
=未詳。作者名・脚注・左注のいずれもない。
【編者注】題詞は「羈旅作」。全90首(1161~1250)の第71首(補正歌順71、第1161歌参照)。
【訓注】天霧らひ(あまぎらひ=天霧相)。ひかた(日方)。岡の港(をかのみなと=岡水門)。