2010-1101-man0000
万葉短歌0000 開肇献詠
訪ぬれば いづれか見ゆる ことなれば
さまよひ入らむ よろづ葉の森 悠山人
0000 万葉短歌0000 ShuA000 2010-1101-man0000
□たづぬれば いづれかみゆる ことなれば
さまよひいらむ よろづはのもり
○悠山人(ゆうさんじん)。
=万葉短歌 開肇献詠=
【2020年02月01日】2010年11月01開設から 3***日
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2020-0130-man3495
万葉短歌3495 巌ろの3240
巌ろの 沿ひの若松 限りとや
君が来まさぬ うらもとなくも ○
3240 万葉短歌3495 ShuG483 2020-0130-man3495
□いはほろの そひのわかまつ かぎりとや
きみがきまさぬ うらもとなくも
〇=出典未詳。
【編者注】相聞(3455-3566、112首)の第41首。女。
【訓注】巌ろ(いはほろ=伊波保呂)[「<伊香保ろの>の訛りかと見る説がある」。14-3409伊香保呂、-3410伊香保呂、など]。うらもとなくも(宇良毛等奈久文)[「<心元(こころもと)なし>・・・<若松>との縁で・・・<末元>を懸ける」]。
2020-0129-man3494
万葉短歌3494 児毛知山3239
児毛知山 若かへるでの もみつまで
寝もと我は思ふ 汝はあどか思ふ ○
3239 万葉短歌3494 ShuG483 2020-0129-man3494
□こもちやま わかかへるでの もみつまで
ねもとわはもふ なはあどかもふ
〇=出典未詳。
【編者注】相聞(3455-3566、112首)の第40首。男。
【訓注】児毛知山(こもちやま=児毛知夜麻)[「群馬県渋川市に北方に子持山・・・がある」]。かへるで(加敝流弖)[蛙手、楓。08-1623黄変蝦手(もみつかへるて)]。もみつ(毛美都)[01-0016(長歌)黄葉、08-1546黄反、前項、など]。寝も(ねも=宿毛)[「<寝む>の東国形」]。我は思ふ(わはもふ=和波毛布)。汝はあどか思ふ(なはあどかもふ=汝波安杼可毛布)[3379安杼可(あどか)、ほか]。
2020-0128-man3493
万葉短歌3493 遅速も3238
遅速も 汝をこそ待ため 向つ峰の
椎の小枝の 逢ひは違はじ ○
3238 万葉短歌3493 ShuG483 2020-0128-man3493
□おそはやも なをこそまため むかつをの
しひのこやでの あひはたがはじ
〇=出典未詳。
【編者注】相聞(3455-3566、112首)の第39首。男。左注(読下し)に、「或本の歌に曰はく 遅速も 君をし待たむ 向つ峰の 椎のさ枝(えだ)の 時は過ぐとも」。女。
【訓注】遅速(おそはや=於曽波夜)。汝(な=奈)。向つ峰(むかつを=牟可都乎)。小枝(こやで=故夜提)[「<小枝(こえだ)>の訛り」]。(或本歌)さ枝(さえだ=佐要太)。
2020-0127-man3492
万葉短歌3492 小山田の3237
小山田の 池の堤に さす柳
成りも成らずも 汝と二人はも ○
3237 万葉短歌3492 ShuG483 2020-0127-man3492
□をやまだの いけのつつみに さすやなぎ
なりもならずも なとふたりはも
〇=出典未詳。
【編者注】相聞(3455-3566、112首)の第38首。男。
【訓注】さす柳(さすやなぎ=左須楊)[「堤防補強のために挿した柳」]。成りも成らずも(なりもならずも=奈里毛奈良受毛)[「<成る>は柳が根づいて育つ意」]。汝と二人(なとふたり=奈等布多里)。
2020-0126-man3491
万葉短歌3491 柳こそ3236
柳こそ 伐れば生えすれ 世の人の
恋に死なむを いかにせよとぞ ○
3236 万葉短歌3491 ShuG483 2020-0126-man3491
□やなぎこそ きればはえすれ よのひとの
こひにしなむを いかにせよとぞ
〇=出典未詳。
【編者注】相聞(3455-3566、112首)の第37首。女?
【訓注】柳(やなぎ=楊奈疑)。生えすれ(はえすれ=伴要須礼)[「<生えす>は<生ゆ>の名詞形<生え>にサ変動詞がついた形」]。恋に死なむを いかにせよとぞ(こひにしなむを いかにせよとぞ=古非尓思奈武乎 伊可尓世余等曽)。
2020-0125-man3490
万葉短歌3490 梓弓3235
梓弓 末は寄り寝む まさかこそ
人目を多み 汝をはしに置けれ ○
3235 万葉短歌3490 ShuG477 2020-0125-man3490
□あづさゆみ すゑはよりねむ まさかこそ
ひとめをおほみ なをはしにおけれ
〇=出典未詳。
【編者注】相聞(3455-3566、112首)の第36首。男。脚注に、「柿本朝臣人麻呂歌集出也」。
【訓注】まさか(麻左可)[「目の前の時。現在」]。はしに(波思尓)[「末端に・・・粗末に・・・」]。
【編者注-脚注】依拠本注は、「東歌に、<人麻呂歌集>所出と記される歌は、一様につまらない。」とし、東歌編者が「自己の歌巻の特性をはっきりさせようとする気位を見せている。」と記す。
2020-0124-man3489
万葉短歌3489 梓弓3234
梓弓 欲良の山辺の 茂かくに
妹ろを立てて さ寝処払ふも ○
3234 万葉短歌3489 ShuG477 2020-0124-man3489
□あづさゆみ よらのやまへの しげかくに
いもろをたてて さねどはらふも
〇=出典未詳。
【編者注】相聞(3455-3566、112首)の第35首。男。
【訓注】欲良(よら)[「長野県小諸市東部の与良町か・・・」]。茂かく(しげかく=之牙可久)[「<茂けく>の東国形」]。さ寝処(さねど=左祢度)[「共寝する所」]。
2020-0123-man3488
万葉短歌3488 生ふしもと3233
生ふしもと この本山の ましばにも
告らぬ妹が名 かたに出でむかも ○
3233 万葉短歌3488 ShuG477 2020-0123-man3488
□おふしもと このもとやまの ましばにも
のらぬいもがな かたにいでむかも
〇=出典未詳。
【編者注】相聞(3455-3566、112首)の第34首。男。
【訓注】しもと(之毛等)[「笞にする柴の小枝」]。ましば(麻之波)[「<真柴>で、雑木、低木の意の<柴>をほめ親しんで呼んだ語」]。かた(可多)[「形・象・・・占いの結果」。3374宇良敝可多也伎 麻左弖尓毛(うらへかたやき まさでにも)]。
2020-0122-man3487
万葉短歌3487 梓弓3232
梓弓 末に玉巻き かくすすぞ
寝なななりしに 奥をかぬかぬ ○
3232 万葉短歌3487 ShuG477 2020-0122-man3487
□あづさゆみ すゑにたままき かくすすぞ
ねなななりしに おくをかぬかぬ
〇=出典未詳。
【編者注】相聞(3455-3566、112首)の第33首。男。
【訓注】かくすすぞ(可久須酒曽)[掛・懸く。「<すす>は・・・<す>・・・を二つ重ねて継続反復を表わす」。11-2743珠藻苅々(たまもかるかる)、14-3564安騰須酒香(あどすすか)]。寝なな(ねなな=宿莫奈)[「未詳。・・・寝られない状態・・・。<寝なへ>の転か」]。かぬかぬ(可奴加奴)[「兼ねる、今と同じ状態を続けようとする」]。
2020-0121-man3486
万葉短歌3486 愛し妹を3231
愛し妹を 弓束並べ巻き もころ男の
こととし言はば いや片増しに ○
3231 万葉短歌3486 ShuG476 2020-0121-man3486
□かなしいもを ゆづかなべまき もころをの
こととしいはば いやかたましに
〇=出典未詳。
【編者注】相聞(3455-3566、112首)の第32首。男。
【訓注】愛し(かなし=可奈思)。弓束(ゆづか=由豆加)。もころ男(もころを=母許呂乎)[「向かい合う男、相似る男」。09-1809(長歌)如己男尓 負而者不有跡(もころをに まけてはあらじと)。下記注]。
【編者注-もころを】如己男。自分と匹敵する、競争相手の男。恋がたきの男。(『詳説古語辞典』) 「もころ」は副詞的に「・・・のように」(同前参照) 02-0196(長歌)立者 玉藻之母許呂 臥者 川藻之如久(たたせば たまものもころ こやせば かはものごとく)。
2020-0120-man3485
万葉短歌3485 剣大刀3230
剣大刀 身に添ふ妹を 取り見がね
音をぞ泣きつる 手児にあらなくに ○
3230 万葉短歌3485 ShuG476 2020-0120-man3485
□つるぎたち みにそふいもを とりみがね
ねをぞなきつる てごにあらなくに
〇=出典未詳。
【編者注】相聞(3455-3566、112首)の第31首。男。
【訓注】剣大刀(つるぎたち=都流伎多知)。見がね(みがね=見我祢)[「<がね>は、~しようにもすることができないで、の意。<かね>の連濁。」 04-0364語継金(かたりつぐがね)、-0529立隠金(たちかくるがね)、など]。音(ね=哭)。手児(てご)。
2020-0119-man3484
万葉短歌3484 麻苧らを3229
麻苧らを 麻笥にふすさに 績まずとも
明日着せさめや いざせ小床に ○
3229 万葉短歌3484 ShuG472 2020-0119-man3484
□あさをらを をけにふすさに うまずとも
あすきせさめや いざせ小床に
〇=出典未詳。
【編者注】相聞(3455-3566、112首)の第30首。男。
【訓注】麻苧ら(あさをら=安左乎良)[「麻の繊維」。09-1800(長歌)小垣内之 麻矣引干(をかきつの あさをひきほし)]。 麻笥(をけ)[13-3243(長歌)処女等之 麻笥垂有 績麻成(をとめらが をけにたれたる うみをなす)。下記注]。ふすさに(布須左尓)[「たくさん、の意らしい。・・・中央語の<ふさ>・・・と同源・・・」。08-1549(旋)瞿麦花 総手折(なでしこがはな ふさたをり)、09-1683捄手折 吾刺可(ふさたをり わがかざすべく)]。績まずとも(うまずとも=宇麻受登毛)[「<績む>は麻などの繊維を繋いで縒(よ)り合わせ、糸にすること」]。着せさめや(きせさめy=伎西佐米也)[「<着せさ>は・・・<着す>の尊敬態。・・・ここは親愛の上に立っておどけていったもの」]。いざせ(伊射西)[「<せ>は・・・<す>の命令形」]。
【編者注-麻笥】細く裂いてつないだ麻を入れる円形の器。桧(ひのき)の薄皮を曲げて作る。=麻小笥(をごけ)。(『詳説古語辞典』)
2020-0118-man3483
万葉短歌3483 昼解けば3228
昼解けば 解けなへ紐の 我が背なに
相寄るとかも 夜解けやすけ ○
3228 万葉短歌3483 ShuG472 2020-0118-man3483
□ひるとけば とけなへひもの わがせなに
あいよるとかも よるとけやすけ
〇=出典未詳。
【編者注】相聞(3455-3566、112首)の第29首。女。
【訓注】我が背な(わがせな=和賀西奈)。解けやすけ(とけやすけ=等家也須家)[「<解けやすき>」の東国形]。
2020-0117-man3482
万葉短歌3482 韓衣3227
韓衣 裾のうち交へ 逢はねども
異しき心を 我が思はなくに ○
3227 万葉短歌3482 ShuG472 2020-0117-man3482
□からころも すそのうちかへ あはねども
けしきこころを あがおもはなくに
〇=出典未詳。
【編者注】相聞(3455-3566、112首)の第28首。男。左注(読下し)に、「或本の歌に曰はく 韓衣 裾のうち交ひ 逢はなへば 寝なへのからに 言痛(ことた)かりつも」。
【訓注】韓衣(からころも=可良許呂毛)。異しき心(けしきこころ=家思吉己許呂)。(或本歌)からに(可良尓)[「原因が些細なわりに結果が重大なことを言い表わす語法」]。