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2010-1101-man0000
万葉短歌0000 開肇献詠
訪ぬれば いづれか見ゆる ことなれば
さまよひ入らむ よろづ葉の森 悠山人
0000 万葉短歌0000 ShuA000 2010-1101-man0000
□たづぬれば いづれかみゆる ことなれば
さまよひいらむ よろづはのもり
○悠山人(ゆうさんじん)。
=万葉短歌 開肇献詠=
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2015-0220-man1651
万葉短歌1651 沫雪の1510
沫雪の このころ継ぎて かく降らば
梅の初花 散りか過ぎなむ 大伴坂上郎女
1510 万葉短歌1651 ShuD752 2015-0220-man1651
□あわゆきの このころつぎて かくふらば
うめのはつはな ちりかすぎなむ
○大伴坂上郎女(おほともの さかのうへの いらつめ)=04-0563歌参照。
【編者注】題詞は、「大伴坂上郎女歌一首」。「冬雑歌(08-1636~1654 十九首)」の第16首。
【訓注】沫雪(あわゆき)。このころ(此日)。継ぎて(つぎて=続而)。降らば(ふらば=落者)。初花(はつはな=始花)。
2015-0219-man1650
万葉短歌1650 池の辺の1509
池の辺の 松の末葉に 降る雪は
五百重降りしけ 明日さへも見む 聖武天皇
1509 万葉短歌1650 ShuD750 2015-0219-man1650
□いけのへの まつのうらばに ふるゆきは
いほへふりしけ あすさへもみむ
○聖武天皇(しゃうむ てんわう)=原文に作者名なし。04-0530歌参照。
【編者注】題詞読下しは、「西の池の辺(へ)に御在(いま)して、肆宴(とよのあかり)したまふときの歌一首」。「冬雑歌(08-1636~1654 十九首)」の第15首。左注読み下しに、「右の一首は、作者不詳。ただし、豎子(じゅし)安倍朝臣(あへの あそみ)虫麻呂伝誦す。」「豎子」は「宮中で雑務に奉仕する少年」が原義、なお諸説。
【訓注】辺(へ)。末葉(うらば)。降る雪(ふるゆき=零雪)。五百重(いほへ)。降りしけ(ふりしけ=零敷)。
2015-0218-man1649
万葉短歌1649 今日降りし1508
今日降りし 雪に競ひて 我がやどの
冬木の梅は 花咲きにけり 大伴家持
1508 万葉短歌1649 ShuD748 2015-0218-man1649
□けふふりし ゆきにきそひて わがやどの
ふゆきのうめは はなさきにけり
○大伴家持(おほともの やかもち)=原文は、「大伴宿祢家持」。03-0403歌参照。
【編者注】題詞は、「大伴宿祢家持雪梅歌一首」。「冬雑歌(08-1636~1654 十九首)」の第14首。
【訓注】降りし(ふりし=零之)。我がやど(わがやど=我屋前)。冬木(ふゆき=冬木)。花咲きに(はなさきに=花開二)。
2015-0217-man1648
万葉短歌1648 十二月には1507
十二月には 沫雪降ると 知らねかも
梅の花咲く ふふめらずして 紀女郎
1507 万葉短歌1648 ShuD747 2015-0217-man1648
□しはすには あわゆきふると しらねかも
うめのはなさく ふふめらずして
○紀女郎(きの いらつめ)=原文は、「紀小鹿(をしかの)女郎」。04-0643歌参照。
【編者注】題詞は、「紀小鹿女郎梅歌一首」。「冬雑歌(08-1636~1654 十九首)」の第13首。
【訓注】十二月(しはす)。沫雪降る(あわゆきふる=沫雪零)。咲く(さく=開)。ふふめらず(不含有)。
2015-0216-man1647
万葉短歌1647 梅の花1506
梅の花 枝にか散ると 見るまでに
風に乱れて 雪ぞ降り来る 忌部黒麻呂
1506 万葉短歌1647 ShuD746 2015-0216-man1647
□うめのはな えだにかちると みるまでに
かぜにみだれて ゆきぞふりくる
○忌部黒麻呂(いむべの くろまろ)=06-1008歌参照。
【編者注】題詞は、「忌部首(おびと)黒麻呂雪歌一首」。「冬雑歌(08-1636~1654 十九首)」の第12首。
【訓注】見るまでに(みるまでに=見左右二)。風に乱れて(かぜにみだれて=風尓乱而)。降り来る(ふりくる=落久類)。
2015-0215-man1646
万葉短歌1646 ぬばたまの1505
ぬばたまの 今夜の雪に いざ濡れな
明けむ朝に 消なば惜しけむ 小治田東麻呂
1505 万葉短歌1646 ShuD745 2015-0215-man1646
□ぬばたまの こよひのゆきに いざぬれな
あけむあしたに けなばをしけむ
○小治田東麻呂(をはりだの あづままろ)=原文は、「小治田朝臣東麻呂」。未詳。小治田広耳(08-1476、-1501)の縁者か。この一首。
【編者注】題詞は、「小治田朝臣東麻呂雪歌一首」。「冬雑歌(08-1636~1654 十九首)」の第11首。
【訓注】ぬばたまの(夜干玉乃)。今夜(こよひ)。いざ濡れな(率所沾名)。
2015-0214-man1645
万葉短歌1645 我がやどの1504
我がやどの 冬木の上に 降る雪を
梅の花かと うち見つるかも 巨勢宿奈麻呂
1504 万葉短歌1645 ShuD744 2015-0214-man1645
□わがやどの ふゆきのうへに ふるゆきを
うめのはなかと うちみつるかも
○巨勢宿奈麻呂(こせの すくなまろ)=原文は、「巨勢朝臣宿奈麻呂」。「神亀六年(729)、長屋王([08-]1638[歌]左注)の糾問に当たった人。歌は確実にはこの一首のみ。ただし、[06-]1016[歌]も宿奈麻呂の詠と見てよい。」 なおこのブログでは、06-1016歌の作者は「○」としておいた。
【編者注】題詞は、「巨勢朝臣宿奈麻呂雪歌一首」。「冬雑歌(08-1636~1654 十九首)」の第10首。
【訓注】我がやど(わがやど=吾屋前)。降る雪(ふるゆき=零雪)。うち(打)。
2015-0213-man1644
万葉短歌1644 引き攀ぢて1503
引き攀ぢて 折らば散るべみ 梅の花
袖に扱入れつ 染まば染むとも 三野連石守
1503 万葉短歌1644 ShuD742 2015-0213-man1644
□ひきよぢて をらばちるべみ うめのはな
そでにこきれつ しまばしむとも
○三野連石守(みののむらじ いそもり)=未詳。「天平十二年(730)、大伴旅人が筑紫から帰国する際の従者として17-3890に歌がある。歌はそれとこれと二首。」
【編者注】題詞は、「三野連石守梅歌一首」。「冬雑歌(08-1636~1654 十九首)」の第9首。
【訓注】散るべみ(ちるべみ=可落)。扱入れつ(こきれつ=古寸入津)。染まば染むとも(しまばしむとも=染者雖染)[染(そ)む=他動詞、染(し)む=自動詞]。
2015-0212-man1643
万葉短歌1643 天霧らし1502
天霧らし 雪も降らぬか いちしろく
このいつ柴に 降らまくを見む 若桜部君足
1502 万葉短歌1643 ShuD741 2015-0212-man1643
□あまぎらし ゆきもふらぬか いちしろく
このいつしばに ふらまくをみむ
○若桜部君足(わかさくらべの きみたり)=原文は、「若桜部朝臣君足」。未詳。「次歌の作者同様、大宰帥旅人の従者か。」 この一首だけ。
【編者注】題詞は、「若桜部朝臣君足雪歌一首」。「冬雑歌(08-1636~1654 十九首)」の第8首。
【訓注】天霧らし(あまぎらし=天霧之)。降らぬ(ふらぬ=零奴)。いちしろく(灼然)。いつ柴(いつしば=五柴)。
2015-0211-man1642
万葉短歌1642 たな霧らひ1501
たな霧らひ 雪も降らぬか 梅の花
咲かぬが代に そへてだに見む 安倍奥道
1501 万葉短歌1642 ShuD740 2015-0211-man1642
□たなぎらひ ゆきもふらぬか うめのはな
さかぬがしろに そへてだにみむ
○安倍奥道(あへの おきみち)=原文は、「安倍朝臣奥道」。「『続日本紀』には<息道>と記す。天平宝じ六年(762)正月従五位下。若狭守、大和介、左兵衛督、内蔵頭などを歴任。宝亀五年(774)三月、但馬守従四位で没。歌はこの一首のみ。」
【編者注】題詞は、「安倍朝臣奥道雪歌一首」。「冬雑歌(08-1636~1654 十九首)」の第7首。
【訓注】たな霧らひ(たなぎらひ=棚霧合)。降らぬ(ふらぬ=零奴)。咲かぬ(さかぬ=不開)。そへて(曽倍而)。
2015-0210-man1641
万葉短歌1641 沫雪に1500
沫雪に 降らえて咲ける 梅の花
君がり遣らば よそへてむかも 角広弁
1500 万葉短歌1641 ShuD738 2015-0210-man1641
□あわゆきに ふらえてさける うめのはな
きみがりやらば よそへてむかも
○角広弁(つのの ひろべ)=原文は、「角朝臣(あそみ)広弁」。未詳。この一首。
【編者注】題詞は、「角朝臣広弁雪梅(せつばい)歌一首」。「冬雑歌(08-1636~1654 十九首)」の第6首。
【訓注】沫雪(あわゆき)。君がり(きみがり=君之許)。よそへてむ(与曽倍弖牟)。
2015-0209-man1640
万葉短歌1640 我が岡に1499
我が岡に 盛りに咲ける 梅の花
残れる雪を まがへつるかも 大伴旅人
1499 万葉短歌1640 ShuD736 2015-0209-man1640
□わがをかに さかりにさける うめのはな
のこれるゆきを まがへつるかも
○大伴旅人(おほともの たびと)=原文は、「大宰帥大伴卿」。03-0315歌参照。
【編者注】題詞は、「大宰帥大伴卿梅歌一首」。「冬雑歌(08-1636~1654 十九首)」の第5首。
【訓注】我が岡(わがをか=吾岳)。咲ける(さける=開有)。残れる(のこれる=遺有)。まがへつるかも(乱鶴鴨)。
2015-0208-man1639
万葉短歌1639 沫雪の1498
沫雪の ほどろほどろに 降りしけば
奈良の都し 思ほゆるかも 大伴旅人
1498 万葉短歌1639 ShuD735 2015-0208-man1639
□あわゆきの ほどろほどろに ふりしけば
ならのみやこし おもほゆるかも
○大伴旅人(おほともの たびと)=原文は、「大宰帥(だざいのそち)大伴卿(まへつきみ)」。03-0315歌参照。
【編者注】題詞は、「大宰帥大伴卿冬日見雪憶京歌一首」。「冬雑歌(08-1636~1654 十九首)」の第4首。
【訓注】沫雪の(あわゆきの=沫雪)。ほどろほどろに(保杼呂々々々尓)[同作者03-0333歌に「曲曲二(つばらつばらに)」]。降りしけば(ふりしけば=零敷者)。奈良の都し(ならのみやこし=平城京師)。
2015-0207-man1638
万葉短歌1638 あをによし1497
あをによし 奈良の山なる 黒木もち
造れる室は 座せど飽かぬかも 聖武天皇
1497 万葉短歌1638 ShuD733 2015-0207-man1638
□あをによし ならのやまなる くろきもち
つくれるむろは ませどあかぬかも
○聖武天皇(しゃうむ てんわう)=原文は「天皇」。04-0530歌参照。
【編者注】題詞は、「天皇御製歌一首」。「冬雑歌(08-1636~1654 十九首)」の第3首。左注読下しに、「右は、聞くに<左大臣長屋王が佐保の宅(いへ)に御在(いま)して肆宴(とよのあかり)したまふときの御製>と。」
【訓注】あをによし(青丹吉)。奈良の山(ならのやま=奈良乃山)。もち(用)。座せど(ませど=雖居座)[自敬表現]。