万葉短歌-悠山人編

万葉短歌…万葉集全4516歌(長短)のうち、短歌をすべてJPG&TXTで紹介する。→日本初!

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2018年07月30日 | 万葉短歌

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万葉短歌0000 開肇献詠
 
訪ぬれば いづれか見ゆる ことなれば
さまよひ入らむ よろづ葉の森  悠山人
 
0000     万葉短歌0000 ShuA000 2010-1101-man0000
 
たづぬれば いづれかみゆる ことなれば
 さまよひいらむ よろづはのもり
悠山人(ゆうさんじん)。
 
    =万葉短歌 開肇献詠=

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万葉短歌2898 ひとり居て2710

2018年07月30日 | 万葉短歌

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万葉短歌2898 ひとり居て2710

ひとり居て 恋ふれば苦し 玉たすき
懸けず忘れむ 事計りもが  

2710     万葉短歌2898 ShuF515 2018-0730-man2898

ひとりゐて こふればくるし たまたすき
  かけずわすれむ ことはかりもが
=出典未詳。
【編者注】「正述心緒」(2864-2963、100首)の第35首。男。
【訓注】恋ふれば苦し(こふればくるし=恋者辛苦)。玉たすき(たまたすき=玉手次)[下記注]。事計り(ことはかり=言量)[「段取り、計画」]。
【編者注-玉襷】たまだすき。美しいたすき。・・・うなじにかけるものであるから、「かく」にかかる。(『詳説古語辞典』) 10-2236玉たすき 懸けぬ時なく 我(あ)が恋ふる しぐれし降らば 濡れつつも行かむ。


万葉短歌2897 いかならむ2709

2018年07月29日 | 万葉短歌

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万葉短歌2897 いかならむ2709

いかならむ 日の時にかも 我妹子が
裳引きの姿 朝に日に見む  

2709     万葉短歌2897 ShuF515 2018-0729-man2897

いかならむ ひのときにかも わぎもこが
  もびきのすがた あさにけにみむ
=出典未詳。
【編者注】「正述心緒」(2864-2963、100首)の第34首。男。
【訓注】いかならむ(何)。日の時(ひのとき=日之時)。我妹子(わぎもこ=吾妹子)。裳引きの姿(もびきのすがた=裳引之容儀)[「優美の極・・・官能美」]。朝に日に(あさにけに=朝尓食尓)[03-0377朝尓食尓 恒見杼毛(~ つねにみれども)、-0403朝尓食尓 欲見(~ みまくほりする)、など]。


万葉短歌2896 うたがたも2708

2018年07月28日 | 万葉短歌

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万葉短歌2896 うたがたも2708

うたがたも 言ひつつもあるか 我れならば
地には落ちず 空に消なまし  

2708     万葉短歌2896 ShuF515 2018-0728-man2896

うたがたも いひつつもあるか われならば
  つちにはおちず そらにけなまし
=出典未詳。
【編者注】「正述心緒」(2864-2963、100首)の第33首。男。
【訓注】うたがたも(歌方毛)[下記注]。
【編者注-うたがたも】出現は4か所。12-2896歌方毛、15-3600宇多我多毛、17-3949宇多我多毛、-3968宇多賀多母。
【依拠本注-うたがたも】(要約)むやみやたらに、いちずに、ひとえに。17-3949、-3968では下に否定を伴って、よもや、ゆめゆめ。「未必」を、ウタカタモ、ウツタヘニ、の訓も。04-0517[打細丹(うつたへに)]。


万葉短歌2895 人言を2707

2018年07月27日 | 万葉短歌

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万葉短歌2895 人言を2707

人言を 繁み言痛み 我妹子に
去にし月より いまだ逢はぬかも  

2707     万葉短歌2895 ShuF515 2018-0727-man2895

ひとごとを しげみこちたみ わぎもこに
  いにしつきより いまだあはぬかも
=出典未詳。
【編者注】「正述心緒」(2864-2963、100首)の第32首。男。
【訓注】人言(ひとごと)。繁み言痛み(しげみこちたみ=繁三言痛三)。我妹子(わぎもこ)。


万葉短歌2894 聞きしより2706

2018年07月26日 | 万葉短歌

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万葉短歌2894 聞きしより2706

聞きしより 物を思へば 我が胸は
破れて砕けて 利心もなし  

2706     万葉短歌2894 ShuF512 2018-0726-man2894

ききしより ものをおもへば あがむねは
  われてくだけて とごころもなし
=出典未詳。
【編者注】「正述心緒」(2864-2963、100首)の第31首。女。
【訓注】利心(とごころ)[「しっかりした心」(『詳説古語辞典』)]。
【原文】12-2894  従聞 物乎念者 我胷者 破而摧而 鋒心無  作者未詳
【編者注-胷】別写本では「匈」も。「胸」に同じ。現代中国語音ではいずれも xiong1。


万葉短歌2893 朝去にて2705

2018年07月25日 | 万葉短歌

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万葉短歌2893 朝去にて2705

朝去にて 夕は来ます 君ゆゑに
ゆゆしくも我は 嘆きつるかも  

2705     万葉短歌2893 ShuF512 2018-0725-man2893

あしたいにて ゆふへはきます きみゆゑに
  ゆゆしくもあは なげきつるかも
=出典未詳。
【編者注】「正述心緒」(2864-2963、100首)の第30首。女。
【訓注】朝去にて(あしたいにて=朝去而)。夕は来ます(ゆふへはきます=暮者来座)。君ゆゑに(きみゆゑに=君故尓)。ゆゆしくも我は(ゆゆしくもあは=忌々毛吾者)[「不吉だ、縁起が悪い」。下記注]。
【編者注-ゆゆし】02-0199(長歌)挂文 忌之伎鴨 一云 由遊志計礼杼母 言久母(かけまくも ゆゆしきかも/ゆゆしけれども いはまくも)、03-0475言巻毛 斎忌志伎可物(いはまくも ゆゆしきかも)、04-0515絶西紐緒 忌見跡(たえにしひもを ゆゆしみと)、06-0948(長歌)言巻毛 湯々敷有跡(いはまくも ゆゆしくあらむと)、など。


万葉短歌2892 思ひ遣る2704

2018年07月24日 | 万葉短歌

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万葉短歌2892 思ひ遣る2704

思ひ遣る すべのたどきも 我れはなし
逢はずてまねく 月の経ゆけば  ○

2704     万葉短歌2892 ShuF512 2018-0724-man2892

□おもひやる すべのたどきも われはなし
  あはずてまねく つきのへゆけば
○=出典未詳。
【編者注】「正述心緒」(2864-2963、100首)の第29首。女。
【訓注】思ひ遣る(おもひやる=思遣)。すべのたどき(為便乃田時)[12-2881為便乃田時毛 今者無(すべのたどきも いまはなし)]。我れ(われ=吾)。まねく(数多)[12-2879不相日数多 年之経者(あはぬひまねく としのへぬれば)]。


万葉短歌2891 あらたまの2703

2018年07月23日 | 万葉短歌

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万葉短歌2891 あらたまの2703

あらたまの 年の緒長く かく恋ひば
まこと我が命 全くあらめやも  

2703     万葉短歌2891 ShuF511 2018-0723-man2891

あらたまの としのをながく かくこひば
  まことわがいのち またくあらめやも
=出典未詳。
【編者注】「正述心緒」(2864-2963、100首)の第28首。女。
【訓注】あらたま(荒玉)。まこと我が命(まことわがいのち=信吾命)。全く(またく=全)。


万葉短歌2890 ぬばたまの2702

2018年07月22日 | 万葉短歌

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万葉短歌2890 ぬばたまの2702

ぬばたまの 夜を長みかも 我が背子が
夢に夢にし 見えかへるらむ  

2702     万葉短歌2890 ShuF511 2018-0722-man2890

ぬばたまの よをながみかも わがせこが
  いめにいめにし みえかへるらむ
=出典未詳。
【編者注】「正述心緒」(2864-2963、100首)の第27首。女。
【訓注】ぬばたまの(夜干玉之)。我が背子(わがせこ=吾背子)。夢に夢にし(いめにいめにし=夢尓夢西)[「一つの夢に続けてまた一つの夢に」]。


万葉短歌2889 いでなぞ我が2701

2018年07月21日 | 万葉短歌

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万葉短歌2889 いでなぞ我が2701

いでなぞ我が ここだく恋ふる 我妹子が
逢はじと言へる こともあらなくに  

2701     万葉短歌2889 ShuF510 2018-0721-man2889

いでなぞあが ここだくこふる わぎもこが
  あはじといへる こともあらなくに
=出典未詳。
【編者注】「正述心緒」(2864-2963、100首)の第26首。男。
【訓注】いでなぞ我が(いでなぞあが=乞如何吾)[11-2400伊田何 極太甚(いでなにか ここだはなはだ)]。ここだく(幾許)。


万葉短歌2888 世の中の2700

2018年07月20日 | 万葉短歌

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万葉短歌2888 世の中の2700

世の中の 人のことばと 思ほすな
まことぞ恋ひし 逢はぬ日を多み  

2700     万葉短歌2888 ShuF510 2018-0720-man2888

よのなかの ひとのことばと おもほすな
  まことぞこひし あはぬひをおほみ
=出典未詳。
【編者注】「正述心緒」(2864-2963、100首)の第25首。女。
【訓注】世の中(よのなか=世間)。人のことば(ひとのことば=人辞)。まこと(真)。


万葉短歌2887 立ちて居て2699

2018年07月19日 | 万葉短歌

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万葉短歌2887 立ちて居て2699

立ちて居て たどきも知らず 我が心
天つ空なり 地は踏めども  

2699     万葉短歌2887 ShuF507 2018-0719-man2887

たちてゐて たどきもしらず あがこころ
  あまつそらなり つちはふめども
=出典未詳。
【編者注】「正述心緒」(2864-2963、100首)の第24首。男。
【訓注】たどき(田時)[12-2881参照。なお、「方便」、<たづき>の変化形、たより・手がかり・方法、と『詳説古語辞典』]。我が心(あがこころ=吾意)。


万葉短歌2886 人言は2698

2018年07月18日 | 万葉短歌

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万葉短歌2886 人言は2698

人言は まこと言痛く なりぬとも
そこに障らむ 我れにあらなくに  

2698     万葉短歌2886 ShuF507 2018-0718-man2886

ひとごとは まことこちたく なりぬとも
  そこにさはらむ われにあらなくに
=出典未詳。
【編者注】「正述心緒」(2864-2963、100首)の第23首。男。
【訓注】人言(ひとごと=他言)。まこと言痛く(まことこちたく=真言痛)。そこに障らむ(そこにさはらむ=彼所将障る)。我れ(われ=吾)。


万葉短歌2885 さ夜更けて2697

2018年07月17日 | 万葉短歌

2018-0717-man2885
万葉短歌2885 さ夜更けて2697

さ夜更けて 妹を思ひ出で 敷栲の
枕もそよに 嘆きつるかも  

2697     万葉短歌2885 ShuF506 2018-0717-man2885

さよふけて いもをおもひいで しきたへの
  まくらもそよに なげきつるかも
=出典未詳。
【編者注】「正述心緒」(2864-2963、100首)の第22首。男。
【訓注】さ夜更けて(さよふけて=左夜深而)。敷栲(しきたへ=布妙)。枕もそよに(まくらもそよに=枕毛衣世二)[本来は風の擬声語だが、「ここは輾転反側するために枕が動いて鳴る音・・・。」 10-2089(長歌)本葉裳具世丹 秋風乃(もとはもそよに あきかぜの)]。