2010-1101-man0000
万葉短歌0000 開肇献詠
訪ぬれば いづれか見ゆる ことなれば
さまよひ入らむ よろづ葉の森 悠山人
0000 万葉短歌0000 ShuA000 2010-1101-man0000
□たづぬれば いづれかみゆる ことなれば
さまよひいらむ よろづはのもり
○悠山人(ゆうさんじん)。
=万葉短歌 開肇献詠=
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2015-0130-man1631
万葉短歌1631 今造る1490
今造る 久迩の都に 秋の夜の
長きにひとり 寝るが苦しさ 大伴家持
1490 万葉短歌1631 ShuD725 2015-0130-man1631
□いまつくる くにのみやこに あきのよの
ながきにひとり ねるがくるしさ
○大伴家持(おほともの やかもち)=原文は「大伴宿祢家持」。03-0403歌参照。
【編者注】題詞は、「大伴宿祢家持贈安倍女郎(あへの いらつめ に)歌一首」。「秋相聞」三十首(08-1606~1635)の第26首。
【訓注】久迩の都(くにのみやこ=久迩京)[久邇京、恭仁京。京都府木津川市加茂地区]。寝る(ねる=宿)。
2015-0129-man1630
万葉短歌1630 高円の1489
高円の 野辺のかほ花 面影に
見えつつ妹は 忘れかねつも 大伴家持
1489 万葉短歌1630 ShuD720 2015-0129-man1630
□たかまとの のへのかほはな おもかげに
みえつついもは わすれかねつも
○大伴家持(おほともの やかもち)=原文は「大伴宿祢家持」。03-0403歌参照。
【編者注】前歌(08-1629、長歌、題詞は「大伴宿祢家持贈坂上大嬢歌一首并短歌」、下記【原文】)の「反歌」。「秋相聞」三十首(08-1606~1635)の第25首。
【訓注】高円(たかまと)。野辺(のへ)。かほ花(かほはな=容花)[かきつばた?おもだか?ひるがほ?]。
【原文】08-1629 大伴宿祢家持贈坂上大嬢歌一首
叩ゝ 物乎念者(ねもころに 物を思へば)
将言為便 将為ゝ便毛奈之(言はむすべ 為[せ]むすべもなし)
妹与吾 手携而(妹と我[あ]れと 手たづさはりて)
旦者 庭尓出立(朝[あした]には庭に出で立ち)
夕者 床打払(夕[ゆふへ]には 床[とこ]うち掃[はら]ひ)
白細乃 袖指代而(白栲[しろたへ]の 袖さし交[か]へて)
佐寐之夜也 常尓有家類(さ寝し夜や 常にありける)
足日木能 山鳥許曽婆(あしひきの 山鳥こそば)
峰向尓 嬬問為云(峰[を]向ひに 妻どひすといへ)
打蝉乃 人有我哉(うつせみの 人なる我[わ]れや)
如何為跡可 一日一夜毛(何すとか 一日一夜[ひとひひとよ]も)
離居而 嘆恋良武(離[さか]り居て 嘆き恋ふらむ)
許己念者 胸許曽痛(ここ思へば 胸こそ痛き)
其故尓 情奈具夜登(そこゆゑに 心なぐやと)
高円乃 山尓毛野尓母(高円[たかまと]の 山にも野にも)
打行而 遊徃杼(打ち行きて 遊び歩けど)
花耳 丹穂日手有者(花のみ にほひてあれば)
毎見 益而所思(見るごとに まして偲はゆ)
奈何為而 忘物曽(いかにして 忘れむものぞ)
恋云物呼(恋といふものを)
( )内読下しは依拠本伊藤博。編者の翻歌「万葉擬歌1629 しみじみと」は
http://blog.goo.ne.jp/goo2049/d/20150201 と
http://blog.goo.ne.jp/goo2049/d/20150202 参照。
2015-0128-man1628
万葉短歌1628 我がやどの1488
我がやどの 萩の下葉は 秋風も
いまだ吹かねば かくぞもみてる 大伴家持
1488 万葉短歌1628 ShuD717 2015-0128-man1628
□わがやどの はぎのしたばは あきかぜも
いまだふかねば かくぞもみてる
○大伴家持(おほともの やかもち)=原文は「大伴宿祢家持」。03-0403歌参照。
【編者注】「大伴宿祢家持、時じき藤の花、并(あは)せて萩の黄葉(もみち)の二つの物を攀(よ)ぢて、坂上大嬢に贈る歌二首」の第2首。「秋相聞」三十首(08-1606~1635)の第23首。左注読下しに、「右の二首は、天平十二年庚辰(かのえたつ)の夏の六月に往来す。」
【訓注】我がやどの(わがやどの=吾屋戸之)。萩(はぎ=芽子)。もみてる(毛美照)[(黄葉)]。
2015-0127-man1627
万葉短歌1627 我がやどの1487
我がやどの 時じき藤の めづらしく
今も見てしか 妹が笑まひを 大伴家持
1487 万葉短歌1627 ShuD717 2015-0127-man1627
□わがやどの ときじきふぢの めづらしく
いまもみてしか いもがゑまひを
○大伴家持(おほともの やかもち)=原文は「大伴宿祢家持」。03-0403歌参照。
【編者注】題詞読下しは、「大伴宿祢家持、時じき藤の花、并(あは)せて萩の黄葉(もみち)の二つの物を攀(よ)ぢて、坂上大嬢に贈る歌二首」、その第1首。「秋相聞」三十首(08-1606~1635)の第22首。
【訓注】我がやどの(わがやどの=吾屋戸之)。時じき藤(ときじきふぢ=非時藤)。めづらしく(目頬布)。妹が笑まひ(いもがゑまひ=妹之咲容)。
2015-0126-man1626
万葉短歌1626 秋風の1486
秋風の 寒きこのころ 下に着む
妹が形見と かつも偲はむ 大伴家持
1486 万葉短歌1626 ShuD714 2015-0126-man1626
□あきかぜの さむきこのころ したにきむ
いもがかたみと かつもしのはむ
○大伴家持(おほともの やかもち)=原文は「大伴宿祢家持」。03-0403歌参照。
【編者注】題詞読下しは、「また、身に着(け)る衣を脱(ぬ)きて家持に贈るに報(こた)ふる歌一首」。「秋相聞」三十首(08-1606~1635)の第21首。左注読下しに、「右の三首は、天平十一年己卯(つちのとう)の秋の九月に往来(わうらい)す。」
【訓注】このころ(此日)。着む(けむ=将服)。妹が形見(いもがかたみ=妹之形見)。偲はむ(しのはむ=思務播武)。
2015-0125-man1625
万葉短歌1625 我妹子が1485
我妹子が 業と作れる 秋の田の
早稲田のかづら 見れど飽かぬかも 大伴家持
1485 万葉短歌1625 ShuD714 2015-0125-man1625
□わぎもこが なりとつくれる あきのたの
わさだのかづら みれどあかぬかも
○大伴家持(おほともの やかもち)=原文は「大伴宿祢家持」。03-0403歌参照。
【編者注】題詞は「大伴宿祢家持報(こたへ)贈歌一首」。「秋相聞」三十首(08-1606~1635)の第20首。
【訓注】我妹子が(わぎもこが=吾妹児之)。業(なり)。早稲田(わさだ=早穂)。かづら(蘰)。
2015-0124-man1624
万葉短歌1624 我が蒔ける1484
我が蒔ける 早稲田の穂立 作りたる
かづらぞ見つつ 偲はせ我が背 坂上大嬢
1484 万葉短歌1624 ShuD714 2015-0124-man1624
□わがまける わさだのほたち つくりたる
かづらぞみつつ しのはせわがせ
○坂上大嬢(さかのうへの おほいらつめ)=原文は「坂上大娘(おほいらつめ)」。08-1448歌参照。
【編者注】題詞は、「坂上大娘秋稲蘰(いねのかづらを)贈大伴宿祢家持歌一首」。「秋相聞」三十首(08-1606~1635)の第19首。
【訓注】我が蒔ける(わがまける=吾之蒔有)。早稲田(わさだ=早田)。かづら(蘰)。偲はせ我が背(しのはせわがせ=師弩波世吾背)。
2015-0123-man1623
万葉短歌1623 我がやどに1483
我がやどに もみつかへるて 見るごとに
妹を懸けつつ 恋ひぬ日はなし 大伴田村大嬢
1483 万葉短歌1623 ShuD713 2015-0123-man1623
□わがやどに もみつかへるて みるごとに
いもをかけつつ こひぬひはなし
○大伴田村大嬢(おほともの たむらの おほいらつめ)=04-0759歌参照。
【編者注】「大伴田村大嬢与妹(いもひと)坂上大嬢歌二首」の第2首。「秋相聞」三十首(08-1606~1635)の第18首。
【訓注】我がやど(わがやど=吾屋戸)。もみつかへるて(黄変蝦手)。恋ひぬ日はなし(こひぬひはなし=不恋日者無)。
2015-0122-man1622
万葉短歌1622 我がやどの1482
我がやどの 秋の萩咲く 夕影に
今も見てしか 妹が姿を 大伴田村大嬢
1482 万葉短歌1622 ShuD713 2015-0122-man1622
□わがやどの あきのはぎさく ゆふかげに
いまもみてしか いもがすがたを
○大伴田村大嬢(おほともの たむらの おほいらつめ)=04-0759歌参照。
【編者注】題詞は、「大伴田村大嬢与妹(いもひと)坂上大嬢歌二首」、その第1首。「秋相聞」三十首(08-1606~1635)の第17首。依拠本に、「田村大嬢の歌九首のうちで最もすぐれているのではないか。」
【訓注】我がやど(わがやど=吾屋戸)。萩(はぎ=芽子)。姿(すがた=光儀)。
2015-0121-man1621
万葉短歌1621 我がやどの1481
我がやどの 萩花咲けり 見に来ませ
いま二日だみ あらば散りなむ 巫部麻蘇娘子
1481 万葉短歌1621 ShuD711 2015-0121-man1621
□わがやどの はぎはなさけり みにきませ
いまふつかだみ あらばちりなむ
○巫部麻蘇娘子(かむなぎべの まそをとめ)=04-0703歌参照。
【編者注】題詞は、「巫部麻蘇娘子歌一首」。「秋相聞」三十首(08-1606~1635)の第16首。家持宛て?
【訓注】我がやど(わがやど=吾屋前)。萩(はぎ=芽子)[≠萩花]。いま二日だみ(いまふつかだみ=今二日許)。
2015-0120-man1620
万葉短歌1620 あらたまの1480
あらたまの 月立つまでに 来まさねば
夢にし見つつ 思ひぞ我がせし 大伴坂上郎女
1480 万葉短歌1620 ShuD709 2015-0120-man1620
□あらたまの つきたつまでに きまさねば
いめにしみつつ おもひぞあがせし
○大伴坂上郎女(おほともの さかのうへの いらつめ)=04-0563歌参照。
【編者注】題詞読下しは、「大伴坂上郎女が和(こたふる)歌一首」。「秋相聞」三十首(08-1606~1635)の第15首。
【訓注】あらたまの(荒玉之)。までに(左右二)。夢にし見つつ(いめにしみつつ=夢西見乍)。思ひぞ(おもひぞ=思曽)。我が(あが=吾)。
2015-0119-man1619
万葉短歌1619 玉桙の1479
玉桙の 道は遠けど はしきやし
妹を相見に 出でてぞ我が来し 大伴家持
1479 万葉短歌1619 ShuD709 2015-0119-man1619
□たまほこの みちはとほけど はしきやし
いもをあひみに いでてぞあがこし
○大伴家持(おほともの やかもち)=03-0403歌参照。
【編者注】題詞読下しは、「大伴家持、姑(をば)坂上郎女が竹田の庄(たどころ)に至りて作る歌一首」。「秋相聞」三十首(08-1606~1635)の第14首。
【訓注】玉桙(たまほこ)。はしきやし(愛哉師)。妹(いも)。我が(あが=吾)。
2015-0118-man1618
万葉短歌1618 玉に貫き1478
玉に貫き 消たらず賜らむ 秋萩の
末わくらばに 置ける白露 湯原王
1478 万葉短歌1618 ShuD707 2015-0118-man1618
□たまにぬき けたらずたばらむ あきはぎの
うれわくらばに おけるしらつゆ
○湯原王(ゆはらの おほきみ)=03-0375歌参照。
【編者注】題詞は「湯原王贈娘子歌一首」。「秋相聞」三十首(08-1606~1635)の第13首。
【訓注】玉に貫き(たまにぬき=玉尓貫)。消たらず(けたらず=不令消)。賜らむ(たばらむ=賜良牟)。秋萩(あきはぎ=秋芽子)。末(うれ=宇礼)。わくらばに(和久良葉尓)[別(わ)けても、特別に]。
2015-0117-man1617
万葉短歌1617 秋萩に1477
秋萩に 置きたる露の 風吹きて
落つる涙は 留めかねつも 山口女王
1477 万葉短歌1617 ShuD705 2015-0117-man1617
□あきはぎに おきたるつゆの かぜふきて
おつるなみだは とどめかねつも
○山口女王(やまぐちの おほきみ)=未詳。04-0613~0617歌とこの歌の、合わせて六首だけ。いずれも家持へ贈られている。
【編者注】題詞は「山口女王贈大伴宿祢家持歌一首」。「秋相聞」三十首(08-1606~1635)の第12首。
【原文】秋芽子尓 置有露乃 風吹而 落涙者 留不勝都毛