2016-0430-man2087
万葉短歌2087 渡り守1920
渡り守 舟出し出でむ 今夜のみ
相見て後は 逢はじものかも ○
1920 万葉短歌2087 ShuE502 2016-0430-man2087
□わたりもり ふなでしいでむ こよひのみ
あいみてのちは あはじものかも
○=未詳。
【編者注】「七夕」(しちせき、1996~2093、98首)の第92首。秋雑歌(10-1996~2238、二百四十三首)の第92首。
【訓注】今夜のみ(こよひのみ=今夜耳)。
2016-0430-man2087
万葉短歌2087 渡り守1920
渡り守 舟出し出でむ 今夜のみ
相見て後は 逢はじものかも ○
1920 万葉短歌2087 ShuE502 2016-0430-man2087
□わたりもり ふなでしいでむ こよひのみ
あいみてのちは あはじものかも
○=未詳。
【編者注】「七夕」(しちせき、1996~2093、98首)の第92首。秋雑歌(10-1996~2238、二百四十三首)の第92首。
【訓注】今夜のみ(こよひのみ=今夜耳)。
2016-0429-man2086
万葉短歌2086 彦星の1919
彦星の 妻呼ぶ舟の 引き綱の
絶えむと君を 我が思はなくに ○
1919 万葉短歌2086 ShuE502 2016-0429-man2086
□ひこほしの つまよぶふねの ひきづなの
たえむときみを わがおもはなくに
○=未詳。
【編者注】「七夕」(しちせき、1996~2093、98首)の第91首。秋雑歌(10-1996~2238、二百四十三首)の第91首。
【訓注】彦星(ひこほし=牽牛)。妻呼ぶ舟(つまよぶふね=嬬喚舟)。引き綱(ひきづな=引綱)。我が(わが=吾之)。
2016-0428-man2085
万葉短歌2085 天の川1918
天の川 瀬々に白波 高けども
直渡り来ぬ 待たば苦しみ ○
1918 万葉短歌2085 ShuE499 2016-0428-man2085
□あまのがは せぜにしらなみ たかけども
ただわたりきぬ またばくるしみ
○=未詳。
【編者注】「七夕」(しちせき、1996~2093、98首)の第90首。秋雑歌(10-1996~2238、二百四十三首)の第90首。
【訓注】天の川(あまのがは=天漢)。瀬々に白波(せぜにしらなみ=湍瀬尓白浪)。待たば苦しみ(またばくるしみ=待者苦三)。
2016-0427-man2084
万葉短歌2084 天の川1917
天の川 去年の渡り瀬 荒れにけり
君が来まさむ 道の知らなく ○
1917 万葉短歌2084 ShuE498 2016-0427-man2084
□あまのがは こぞのわたりぜ あれにけり
きみがきまさむ みちのしらなく
○=未詳。
【編者注】「七夕」(しちせき、1996~2093、98首)の第89首。秋雑歌(10-1996~2238、二百四十三首)の第89首。
【訓注】天の川(あまのがは=天漢)。去年の渡り瀬(こぞのわたりぜ=去年之渡湍)。
2016-0426-man2083
万葉短歌2083 秋風の1916
秋風の 吹きにし日より 天の川
瀬に出で立ちて 待つと告げこそ ○
1916 万葉短歌2083 ShuE498 2016-0426-man2083
□あきかぜの ふきにしひより あまのがは
せにいでたちて まつとつげこそ
○=未詳。
【編者注】「七夕」(しちせき、1996~2093、98首)の第88首。秋雑歌(10-1996~2238、二百四十三首)の第88首。
【訓注】吹きにし日より(ふきにしひより=吹西日従)。天の川(あまのがは=天漢)。
2016-0425-man2082
万葉短歌2082 天の川1915
天の川 川門八十あり いづくにか
君がみ舟を 我が待ち居らむ ○
1915 万葉短歌2082 ShuE498 2016-0425-man2082
□あまのがは かはとやそあり いづくにか
きみがみふねを あがまちをらむ
○=未詳。
【編者注】「七夕」(しちせき、1996~2093、98首)の第87首。秋雑歌(10-1996~2238、二百四十三首)の第87首。
【訓注】天の川(あまのがは=天漢)。川門(かはと=河門)。いづくにか(何尓可)。君がみ舟(君之三船)。我が(あが=吾)。
2016-0424-man2081
万葉短歌2081 天の川1914
天の川 棚橋渡せ 織女の
い渡らさむに 棚橋渡せ ○
1914 万葉短歌2081 ShuE493 2016-0424-man2081
□あまのがは たなはしわたせ たなばたの
いわたらさむに たなはしわたせ
○=未詳。
【編者注】「七夕」(しちせき、1996~2093、98首)の第86首。秋雑歌(10-1996~2238、二百四十三首)の第86首。
【訓注】天の川(あまのがは=天漢)。織女(たなばた)。い(伊)。
【依拠本注】これは、中国の七夕伝説と同じ発想に立つ歌で、織女の方が天の川を渡って行くことを詠んでいる。牽牛が川を渡って逢いに行く日本的な七夕歌とは大きく違っている。
2016-0423-man2080
万葉短歌2080 織女の1913
織女の 今夜逢ひなば 常のごと
明日を隔てて 年は長けむ ○
1913 万葉短歌2080 ShuE493 2016-0423-man2080
□たなばたの こよひあひなば つねのごと
あすをへだてて としはながけむ
○=未詳。
【編者注】「七夕」(しちせき、1996~2093、98首)の第85首。秋雑歌(10-1996~2238、二百四十三首)の第85首。
【訓注】織女(たなばた)。今夜(こよひ)。明日を隔てて(あすをへだてて=明日乎阻而)。
2016-0422-man2079
万葉短歌2079 恋ふる日は1912
恋ふる日は 日長きものを 今夜だに
ともしむべしや 逢ふべきものを ○
1912 万葉短歌2079 ShuE493 2016-0422-man2079
□こふるひは けながきものを こよひだに
ともしむべしや あふべきものを
○=未詳。
【編者注】「七夕」(しちせき、1996~2093、98首)の第84首。秋雑歌(10-1996~2238、二百四十三首)の第84首。
【訓注】恋ふる日(こふるひ=恋日)。日長きもの(けながきもの=気長物)。今夜だに(こよひだに=今夜谷)。ともしむ(令乏)。逢ふべきもの(あふべきもの=可相物)。
2016-0421-man2078
万葉短歌2078 玉葛1911
玉葛 絶えぬものから さ寝らくは
年の渡りに ただ一夜のみ ○
1911 万葉短歌2078 ShuE493 2016-0421-man2078
□たまかづら たえぬものから さぬらくは
としのわたりに ただひとよのみ
○=未詳。
【編者注】「七夕」(しちせき、1996~2093、98首)の第83首。秋雑歌(10-1996~2238、二百四十三首)の第83首。
【訓注】玉葛(たまかづら)。さ寝らくは(さぬらくは=左宿者)。年の渡り(としのわたり=年之度)。ただ一夜のみ(ただひとよのみ=直一夜耳)。
2016-0420-man2077
万葉短歌2077 渡り守1910
渡り守 舟早渡せ 一年に
ふたたび通ふ 君にあらなくに ○
1910 万葉短歌2077 ShuE493 2016-0420-man2077
□わたりもり ふねはやわたせ ひととせに
ふたたびかよふ きみにあらなくに
○=未詳。
【編者注】「七夕」(しちせき、1996~2093、98首)の第82首。秋雑歌(10-1996~2238、二百四十三首)の第82首。
【訓注】ふたたび通ふ(ふたたびかよふ=二遍徃来)。
2016-0419-man2076
万葉短歌2076 天の川1909
天の川 瀬を早みかも ぬばたまの
夜は更けにつつ 逢はぬ彦星 ○
1909 万葉短歌2076 ShuE493 2016-0419-man2076
□あまのがは せをはやみかも ぬばたまの
よはふけにつつ あはぬひこほし
○=未詳。
【編者注】「七夕」(しちせき、1996~2093、98首)の第81首。秋雑歌(10-1996~2238、二百四十三首)の第81首。
【訓注】天の川(あまのがは=天漢)。ぬばたま(烏珠)。夜は更けにつつ(よはふけにつつ=夜者闌尓乍)。彦星(ひこほし=牽牛)。
2016-0418-man2075
万葉短歌2075 人さへや1908
人さへや 見継がずあらむ 彦星の
妻呼ぶ舟の 近づき行くを ○
1908 万葉短歌2075 ShuE493 2016-0418-man2075
□ひとさへや みつがずあらむ ひこほしの
つまよぶふねの ちかづきゆくを
○=未詳。
【編者注】「七夕」(しちせき、1996~2093、98首)の第80首。秋雑歌(10-1996~2238、二百四十三首)の第80首。脚注読下しに、<一には「見つつあるらむ」といふ>。
【訓注】人さへや(ひとさへや=人左倍也)。彦星(ひこほし=牽牛)。妻呼ぶ舟(つまよぶふね=嬬喚舟)。
2016-0417-man2074
万葉短歌2074 天の川1907
天の川 渡り瀬ごとに 思ひつつ
来しくもしるし 逢へらく思へば ○
1907 万葉短歌2074 ShuE487 2016-0417-man2074
□あまのがは わたりぜごとに おもひつつ
こしくもしるし あへらくおもへば
○=未詳。
【編者注】「七夕」(しちせき、1996~2093、98首)の第79首。秋雑歌(10-1996~2238、二百四十三首)の第79首。
【訓注】天の川(あまのがは=天漢)。渡り瀬(わたりぜ=渡湍)[下記注]。思ひつつ(おもひつつ=思乍)。来しくもしるし(こしくもしるし=来之雲知師)。逢へらく思へば(あへらくおもへば=逢有久念者)。
【編者注-わたりぜ】対応原文の出現個所は次の通り。07-1307渡瀬、10-2067渡瀬、-2074渡湍、-2084渡湍、12-3128度瀬、13-3315渡瀬、17-4024和多理瀬。
2016-0416-man2073
万葉短歌2073 ま日長く1906
ま日長く 川に向き立ち ありし袖
今夜まかむと 思はくがよき ○
1906 万葉短歌2073 ShuE487 2016-0416-man2073
□まけながく かはにむきたち ありしそで
こよひまかむと おもはくがよき
○=未詳。
【編者注】「七夕」(しちせき、1996~2093、98首)の第78首。秋雑歌(10-1996~2238、二百四十三首)の第78首。
【訓注】ま日長く(まけながく=真気長)[10-2016真気長]。川(かは=河)。今夜(こよひ)。