今回は登山ではなくて登拝。
全く信仰心のない私ですがご縁があり、山中の神仏を拝みながら登山するっというのをやって来ました。
白装束に身を包み先達に連れらて、登拝するってやつですよ。
まずは荒沢寺に参拝します。
ここは羽黒山の裏手、月山登山道の起点となります。
八合目までは車道しかないので車で移動。
高山植物が楽しませてくれます。
今回は先達の他、同行六名。
女性ばかりですが、無駄話せず静かなもんです。
登拝中は先達の言葉に「受け賜もう」としか発しちゃいけないのね。
歩くペースは早め、皆さん健脚です。
あと、皆さん般若心経は暗唱。
宿泊は九合目 仏生池小屋さんです。
ここの食事はとても標高1745mの稜線上で提供されるものとは思えません。
品数の多い精進料理に感激。お酒もすすんじゃうよ。
要所要所、先達から導きの言葉と読経があります。
私の心を動かしたのは”賭け念仏”。
「懺悔懺悔」「六根清浄」と唱えながら歩くのです。
先達いわく、山を詩で飾るそうです。
せっかくの機会ですから腹からでかい声を出してやります。
掛け念仏は先達の言葉を復唱するので、聞き漏らさぬよう集中しなければなりません。
何も考えずに本当に無心になります。
いつもの登山ではない体験です。
いくつかある文言の中に、「登らせたまえ」「引き上げたまえ」というのがあります。
これは神仏にすがって登るということなのでしょうけど、
私は長年登山してきましたが、このように思ったことはございません。
昔は登山は命がけだったことでしょう。
山を登る活動に様々な思いを寄せたのでしょう。
月山神社本宮に参拝した後は湯殿山への下り。
登頂しちゃうと掛け念仏は無しなのね。
びっくりするような急梯子や、いかにも滑りそうな沢道も通ります。
よくこんなところに道をつけたものだ。
湯殿山神社本宮に参拝。
車道を下って赤い橋を渡ると俗世なのね。
2泊目は羽黒山に戻って、斎館 。
ここは宿坊じゃなく参籠所っていうんだ。
本殿の三神合祭殿と廊下続き、かなりの人数が泊まれそう。
ここでも精進料理をいただきます。
出羽三山
月山は山頂が本宮。
湯殿山は山頂には道がなくて、下ってきて裏手から社に入ります。
羽黒山は裏手から車で上っちゃっいました。
登山で言うピークハントとは違いますが、登拝ではこれでいいみたい。
今回、羽黒山は山麓から2446段石段を上ってなくて消化不良なので、これは別の機会に。
三山を歩き、それぞれが現在・過去・未来だそうです。
これによって自分が生まれ変わったとも思わないし、徳を積んだとも思いません。
でもアラ60にして心に響いたのは確かです。
次回、不信心な私が、何かを感じるか、何もないか、興味があるところです。
機会があればもう一度、歩いてみたいと思います。