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ATACMS © UPI通信社
【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(11月18日の動き) 2024年11月19日 0時04分
ロイター通信 “射程の長いミサイル 近日中に攻撃に使われる”
アメリカの主要メディアが、バイデン大統領がウクライナに対し、ロシア領内への攻撃にアメリカが供与した射程の長いミサイルを使うことを許可したと伝えたことをめぐり、ロイター通信は近日中に攻撃に使われるとの見通しを伝えました。
ロシア側からは反発の声が上がっています。
アメリカの複数のメディアは17日、アメリカ政府当局者の話としてバイデン大統領がウクライナに対しすでに供与した射程の長いミサイルATACMS(エイタクムス)をロシア領内への攻撃に使用することを許可したと伝えました。
ロシア西部のクルスク州で越境攻撃を続けるウクライナ軍を防衛するため、ロシア軍と北朝鮮軍の部隊に対し使用される見通しだと報じています。
これについてロイター通信は、情報筋の話として「ウクライナは近日中に最初の攻撃を行う計画だ」と伝えました。
米シンクタンク “効果は限定的“との見方
アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は「クルスク州の軍事目標に対する射程の長い兵器の使用制限を部分的に解除しても、ロシア軍の聖域をなくすことにはならない」と指摘し、効果は限定的だとの見方を示しました。
一方、ロシア議会下院で国際問題を担当する委員会のスルツキー委員長は17日、国営のタス通信に対し「きわめて深刻なエスカレーションを招くことは避けられない」などと述べて反発しました。
アメリカのメディア、ブルームバーグは17日、北朝鮮が今後、兵士を順次派遣しその規模はあわせて10万人に達する可能性があると一部の国が分析しているという関係者の話を伝えていて、ウクライナがATACMSを使って両国の部隊を食い止められるかが焦点です。
専門家 “戦況を大きく変えるとは思えない”
防衛省防衛研究所の山添博史米欧ロシア研究室長はアメリカの主要メディアがバイデン大統領がウクライナに対して、ロシア領内への攻撃で射程の長いミサイルの使用を許可したと伝えていることについて「ウクライナにとって大きな力になることは確かだがより大きな力が必要だ。そういう意味で戦況を大きく変えるとは思えない」と述べ、効果は限定的だという考えを示しました。
また、バイデン政権がこの時期に決断したとされることについては、「バイデン大統領の政治生命がみえていて、アメリカとして政権的に難しい段階であっても強い決断を進める力があるとロシアに示す意味合いもある」と述べ、ウクライナ支援に消極的な姿勢を示すトランプ氏を意識し、アメリカとして支援は揺るがないという姿勢を示したかったのではないかとの見方を示しました。
さらに、「北朝鮮が入ってきてアメリカやウクライナが何か“しっぺ返し”をする必要性があるという思惑が高まってきたのではないか」と述べ、ロシアと北朝鮮の軍事協力が進む中、バイデン大統領としては何らかの対抗措置を示す必要があったとの分析を示しました。
”ウクライナにロシア領内への長距離ミサイル使用許可”米報道
アメリカの有力紙、ニューヨーク・タイムズなど複数のメディアは17日、政府関係者の話としてバイデン大統領が、ウクライナに対し、すでに供与した長距離ミサイルをロシア領内への攻撃のために使用することを許可したと伝えました。
使用を許可したのは精密攻撃が可能とされる射程の長いミサイル、ATACMSだとしています。
ウクライナ政府はロシア領内への攻撃に射程の長い兵器を使うことを許可するよう、繰り返し求めてきましたが、バイデン政権は、緊張が過度に高まることを懸念して、認めていませんでした。
ATACMSの使用の許可は、ロシアが北朝鮮の兵力を戦闘に投入する決断をしたことに対応するためで、ロシア西部のクルスク州で越境攻撃を続けているウクライナ軍を防衛するため、ロシアと北朝鮮の部隊に対して使用される見通しだとしています。
ニューヨーク・タイムズは、これはアメリカの政策の転換を意味するとし、ウクライナへの追加支援の制限を主張してきたトランプ次期大統領の就任を2か月後に控えた時点での決断をめぐっては、バイデン大統領のアドバイザーのあいだでも意見が割れたと伝えています。
アメリカ製 地対地ミサイル ATACMSとは
ATACMSは、地上から発射され、地上の標的を攻撃する、アメリカ製の地対地ミサイルです。
製造する「ロッキード・マーチン」によりますと、最大射程はおよそ300キロで、GPSを使った精密な攻撃が可能だとしています。
ウクライナに供与されている軍事車両にロケット弾の発射システムを搭載した高機動ロケット砲システム=「ハイマース」から発射できます。
ATACMSは23年10月にウクライナ軍が使用を開始したことが確認されていますが、バイデン政権はロシア領内の奥深くへの攻撃に使用することを許可してきませんでした。
バイデン政権はことし5月にロシア軍がウクライナ東部ハルキウ州で攻勢を強める中、アメリカが供与した兵器でロシア領内の国境沿いに集結するロシア軍の部隊などを攻撃することを許可しましたが、ATACMSの使用には制限を課してきました。
アメリカのAP通信は17日、アメリカ政府当局者などの話として今回、バイデン大統領がこうした使用制限を緩和したと伝えています。
また、CNNテレビは、ATACMSはウクライナ軍が越境攻撃を続け、北朝鮮の兵士がロシア軍とともに軍事作戦を始めたとされるロシア西部クルスク州で使用される可能性が高いと報じています。
ロシアとの国境に接するウクライナ北東部スムイ州の州都スムイから射程300キロのATACMSを発射した場合、クルスク州全域が射程に入ることになります。
バイデン大統領 政策変更決断の思惑とは
バイデン大統領が今回のタイミングで政策の変更を決断をした背景には、大統領としての任期が残り2か月あまりとなるなか、ウクライナをできるだけ有利な立場においたうえで政権を引き継ぎたいという思惑があります。
トランプ次期大統領は、選挙期間中から、自身が当選すれば就任前にウクライナとロシアの戦争を終結させると主張し、停戦交渉の仲介に乗り出す可能性を示唆してきました。
これを意識してか、ロシアのプーチン大統領は、西部のクルスク州で越境攻撃を続けるウクライナ軍に対し、北朝鮮から派遣された兵士と合わせ、5万人規模の部隊を近く投入する計画だと伝えられています。
バイデン大統領としては、この2年半続けてきたウクライナへの軍事支援の成果が、大きく損なわれかねないとの危機感があるとみられます。
安全保障政策を担当するサリバン大統領補佐官はバイデン大統領が出席するG20の首脳会議に先だって記者団に対し、「バイデン大統領はヨーロッパの首脳らと、ウクライナを強化する方法を見いだし、次期政権に可能な限り最善の状態で引き継ぐことができるよう、話し合う予定だ」と話していました。
バイデン大統領は、ドイツやフランス、イギリスなどNATO=北大西洋条約機構のメンバー国も参加するG20の機会が、決断に対する理解を得やすいタイミングだと捉えた可能性があります。
ただ、ウクライナがATACMSをロシア領内に向けて実際に使用すれば、プーチン大統領の怒りを買い、紛争が拡大するリスクも伴います。
アメリカメディアによれば、ATACMSの使用が戦況を大きく変える可能性は低いとの見方もあり、使用の許可については、バイデン大統領のアドバイザーの間でも意見が割れたということです。
さらに、トランプ氏がバイデン大統領の決断を引き継がない可能性もあるとみられていて、今後の戦況への影響が注目されます。
ウクライナが使用を求める背景
アメリカのバイデン政権は、自国が供与した兵器についてウクライナ国内での使用に限定してきました。
方針が変わったのはことし5月です。
ロシア軍が東部ハルキウ州の北部で国境を越えて州内に侵入し、国境周辺の複数の集落を掌握したことを受けて、ウクライナに対し、ロシア領内の一部の地域への攻撃を許可しました。
ただ、その後も国境から離れたロシア領内を攻撃することは、認めてきませんでした。
一方、ロシア側はロシア領内からウクライナの東部や北部の市街地に滑空爆弾などによる攻撃を繰り返し行っているほか、北朝鮮から供給されたミサイルでも攻撃を行い、ウクライナ側には市民の犠牲が相次いでいます。
このためゼレンスキー政権は空からの攻撃を防ぐためとして、ロシア領内の基地や弾薬庫などを攻撃できるよう、射程の長い兵器についても使用制限の撤廃を強く求めてきました。
制限の撤廃を求めてきたとみられるのが、アメリカから供与された最大射程がおよそ300キロとされるミサイル、ATACMSや、イギリスとフランスから供与された射程が250キロ以上の巡航ミサイル「ストームシャドー」と「SCALP」(スカルプ)です。
アメリカのシンクタンク「戦争研究所」はことし8月下旬の時点で、ロシア領内の16の空軍基地を含む少なくとも245の軍事施設などの標的がATACMSの射程内にあるという分析を示しています。
“使用許可” ゼレンスキー大統領は否定も肯定もせず
ウクライナのゼレンスキー大統領は17日のビデオ演説で、アメリカがロシア領内への攻撃で供与した長距離ミサイルを使うことを許可したと伝えられていることに触れ「攻撃はことばで行われるものではない。そういったことは発表されない。ミサイルがみずから語る」と述べました。
ゼレンスキー大統領は否定も肯定もしなかったものの、許可が出たかどうかは実際のミサイル攻撃という形で明らかになると示唆しました。
EU上級代表 加盟国と協議する考え示す
ウクライナがロシア領内への攻撃で射程が長いミサイルを使うことをアメリカが許可したと伝えられていることをめぐり、EU=ヨーロッパ連合の外相にあたるボレル上級代表は加盟国と協議する考えを示しました。
ボレル氏はミサイルを使用できるようにするべきだとしたうえで「加盟国がウクライナが必要とするあらゆる支援を行うよう望んでいる」と述べました。
またフランスは、射程の長いミサイル「SCALP」をウクライナに供与していますが、フランスのメディアは、ロシア領内への攻撃に使用することについてフランス政府がこれまでミサイルの一部にアメリカ製の部品が使われていることを理由に許可していなかったと伝えています。
これについてフランスのバロ外相は、「ロシアがウクライナの領土を攻撃している拠点を標的とするのであれば、選択肢だとしている」と述べ、許可する用意があることを示唆しました。
林官房長官「戦況や情勢への影響含め 動向を注視」
林官房長官は18日午前の記者会見で「コメントは控えるが、政府としてウクライナでの戦況や情勢への影響を含め、関連の動向を注視したい」と述べました。
一方で、「北朝鮮によるロシアへの兵士の派遣を含む、最近のロシアと北朝鮮の軍事協力の進展の動きを強く非難する。こうした動きはウクライナ情勢のさらなる悪化を招くのみならず、わが国を取り巻く地域の安全保障に与える影響の観点からも、深刻に憂慮すべきものだ」と述べました。
ウクライナ北東部でロシア軍がミサイル攻撃 11人死亡
ウクライナの当局は北東部のスムイで、17日夜ロシア軍のミサイルが住宅街の建物を直撃し、これまでに9歳と14歳の子ども2人を含む
11人が死亡し、89人がけがをしたと発表しました。
400人以上の住民が避難を余儀なくされたということで、地元当局は「日曜日の夜が地獄になった」とロシアを非難しました。
地元当局によりますと、ロシア軍はその数時間後に再びスムイに対しミサイル攻撃を行い、市内では停電が発生したということです。
ゼレンスキー大統領は17日夜のビデオ演説で「もう1000日近く、ロシアは同じことをしている。モスクワの誰かと話すためではなく、ロシアに本当に戦争を終わらせるために時間を費やすべきだ」と訴えました。
キム総書記 “米と西側が軍事的介入を拡大するための戦争”
北朝鮮の国営メディアは、キム・ジョンウン総書記が、11月15日に、首都ピョンヤンで開かれた軍の大隊長らの集会で演説したと18日伝えました。
この中でキム総書記は、ウクライナ情勢について、「アメリカと西側が実戦経験を増やして、軍事的な介入の範囲を全世界に拡大するための戦争と見なければならない」と主張しました。
その上で、「多くの国が巻き込まれ、第3次世界大戦が起きかねないという不安を増大させている」などと非難し、戦争への備えを急ぐよう強調しました。
一方で、演説でキム総書記が、ロシアへの兵士の派遣について、言及したのかは伝えられていません。
韓国の通信社、連合ニュースは、専門家の話として、「ロシアへの派兵などについて、一線にいる将校たちの不満や動揺を事前にコントロールする意図が読み取れる」と伝えています。
ロシア軍 ウクライナのエネルギー施設を攻撃 全土で計画停電へ
ウクライナではロシア軍が各地のエネルギー施設を標的に、この3か月で最大規模とされるミサイルと無人機による攻撃を行ったことを受けて、18日に全土で計画停電が実施されることになり、本格的な冬を前に影響が広がっています。
ウクライナ軍は17日、ロシア軍が極超音速ミサイルだとする「キンジャール」や巡航ミサイルなどあわせて120発のミサイルと90機の無人機で攻撃を仕掛け、このうち102発のミサイルと42機の無人機を撃墜したと発表しました。
標的はウクライナ全土のエネルギー施設だとしていて、首都キーウの当局は、これだけ強力な攻撃が行われたのはおよそ3か月ぶりだとしています。
地元の当局などによりますと、これまでに南部のオデーサ州やミコライウ州、西部のリビウ州であわせて5人が死亡し、東部ドニプロペトロウシク州では鉄道の施設が被害を受け、鉄道会社の職員2人が死亡しました。
このうちオデーサ州ではインフラ施設に被害が出て、停電や断水となり、暖房の供給も止まりました。
また、リビウ州でも地域の暖房システムが被害を受けたことで、6000人が一時的に暖房の供給のない状態に陥ったということです。
国営の電力会社「ウクルエネルゴ」は、攻撃でエネルギー施設が被害を受けたとして、ウクライナ全土で18日の午前6時から午後10時の間に計画停電を実施すると発表し、本格的な冬を前に影響が広がっています。
ウクライナではロシア軍の攻撃でことし3月から8月にかけて発電所などが深刻な被害を受けていて、日本政府は16日にオデーサとハルキウにエネルギー支援として新たな発電機などの供与を発表したばかりでした。
”ウクライナにロシア領内への長距離ミサイル使用許可”米報道 | NHK 2024年11月18日 5時54分
アメリカの主要メディアは、バイデン大統領がウクライナに対し、ロシア領内への攻撃で長距離ミサイルを使うことを許可したと伝えました。ロシアが北朝鮮の兵力を戦闘に投入する決断をしたことへの対応だとしています。
アメリカの有力紙、ニューヨーク・タイムズなど複数のメディアは17日、政府関係者の話としてバイデン大統領がウクライナに対し、すでに供与した長距離ミサイルをロシア領内への攻撃のために使用することを許可したと伝えました。
使用を許可したのは精密攻撃が可能とされる射程の長いミサイル、ATACMS(エイタクムス)だとしています。
ウクライナ政府はロシア領内への攻撃に射程の長い兵器を使うことを許可するよう繰り返し求めてきましたが、バイデン政権は緊張が過度に高まることを懸念して認めていませんでした。
ATACMSの使用の許可は、ロシアが北朝鮮の兵力を戦闘に投入する決断をしたことに対応するためで、ロシア西部のクルスク州で越境攻撃を続けているウクライナ軍を防衛するためロシアと北朝鮮の部隊に対して使用される見通しだとしています。
ニューヨーク・タイムズは、これはアメリカの政策の転換を意味するとし、ウクライナへの追加支援の制限を主張してきたトランプ次期大統領の就任を2か月後に控えた時点での決断をめぐってはバイデン大統領のアドバイザーのあいだでも意見が割れたと伝えています。
ロシア軍 ウクライナのエネルギー施設を攻撃 全土で計画停電へ NHK 2024年11月18日 5時18分
ウクライナではロシア軍が各地のエネルギー施設を標的にこの3か月で最大規模とされるミサイルと無人機による攻撃を行ったことを受けて、18日に全土で計画停電が実施されることになり、本格的な冬を前に影響が広がっています。
ウクライナ軍は17日、ロシア軍が極超音速ミサイルだとする「キンジャール」や巡航ミサイルなどあわせて120発のミサイルと90機の無人機で攻撃を仕掛け、このうち102発のミサイルと42機の無人機を撃墜したと発表しました。
標的はウクライナ全土のエネルギー施設だとしていて、首都キーウの当局は、これだけ強力な攻撃が行われたのはおよそ3か月ぶりだとしています。
地元の当局などによりますとこれまでに南部のオデーサ州やミコライウ州、西部のリビウ州であわせて5人が死亡し、東部ドニプロペトロウシク州では鉄道の施設が被害を受け、鉄道会社の職員2人が死亡しました。
このうちオデーサ州ではインフラ施設に被害が出て、停電や断水となり、暖房の供給も止まりました。
また、リビウ州でも地域の暖房システムが被害を受けたことで6000人が一時的に暖房の供給のない状態に陥ったということです。
国営の電力会社「ウクルエネルゴ」は、攻撃でエネルギー施設が被害を受けたとしてウクライナ全土で18日の午前6時から午後10時の間に計画停電を実施すると発表し、本格的な冬を前に影響が広がっています。
ウクライナではロシア軍の攻撃でことし3月から8月にかけて発電所などが深刻な被害を受けていて、日本政府は16日にオデーサとハルキウにエネルギー支援として新たな発電機などの供与を発表したばかりでした。
ロシアが大規模攻撃 ウクライナ“エネルギー施設標的”と非難 | NHK 2024年11月17日 20時34分
ウクライナではロシア軍がおよそ120発のミサイルや90機の無人機による大規模な攻撃を各地に行い、これまでに2人が死亡しました。ゼレンスキー大統領はエネルギー施設を標的にした攻撃だと強く非難しています。
ウクライナのゼレンスキー大統領は17日、ウクライナ全土に対し、夜から朝にかけてロシア軍による大規模な複合攻撃が行われたとSNSで明らかにしました。
ロシア軍が極超音速ミサイルだとする「キンジャール」や海上発射型の「ツィルコン」など、およそ120発のミサイルと90機の無人機による攻撃だったとしています。
ゼレンスキー大統領はこの攻撃で南部ミコライウで2人が死亡し、子ども2人を含む6人がけがをしたほか、複数のエネルギー施設が被害を受けたと明らかにし「敵の標的はウクライナ全土のエネルギー施設だった」と強く非難しました。
また首都キーウでも落下した破片で集合住宅に被害が出て、1人がけがをしたと当局がSNSに投稿し、この規模の攻撃が行われたのはおよそ3か月ぶりだったということです。
攻撃の影響で南部オデーサ州の一部では停電や断水が発生しているほか、ウクライナの電力大手は火力発電所の施設が深刻な被害を受けたと明らかにしました。
ウクライナのシビハ外相は15日にドイツのショルツ首相とロシアのプーチン大統領がおよそ2年ぶりに電話会談したことを念頭に、SNSにメッセージを投稿し「これがプーチンの真の反応だ。必要なのは譲歩ではなく、力による和平だ」と訴えました。
“ロシア軍兵士の死者7万8000人以上に” 英BBCなどが独自調査 | NHK 2024年11月17日 4時05分
ロシアがおととし始めたウクライナへの軍事侵攻で、これまでに確認されたロシア軍兵士の死者の数は7万8000人以上に上るとイギリスのBBCなどが伝えました。
イギリスの公共放送BBCとロシアの独立系メディア「メディアゾナ」は、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まったおととし2月以降、ロシア軍兵士の死者の数を遺族によるSNSの投稿などの公開情報を元に独自に調査しています。
15日に報じられた最新の調査結果によりますと、これまでに確認できた死者数は7万8329人に上っているほか、ことし9月から今月11月にかけて死者の数が去年の同じ時期と比べておよそ1.5倍に増えているとしています。
死者が増加しているのは、ロシア軍がウクライナ東部のドネツク州で兵士の犠牲をいとわない攻撃を続けていることなどが背景にあると見られます。
一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は、16日、地元の公共放送のインタビューに対し、「われわれはこの戦争を来年、外交を通じて終わらせるために、あらゆることをしなければならない」と述べました。
ただ、ロシアとの和平交渉については、プーチン大統領は和平を求めていないと指摘するとともに、国際社会から孤立しているロシアに資するだけだとして否定的な立場を示しました。
プーチン大統領は、15日に行われたドイツのショルツ首相との電話会談でも一方的に併合を宣言したウクライナ国内の4つの州を自国の領土だと改めて主張したとみられ、和平交渉をめぐって譲歩しない姿勢を崩していません。
“ロシアは不当拘束のジャーナリストら解放を” キーウで集会 | NHK 2024年11月16日 18時24分
ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアが支配地域でジャーナリストや人権活動家らを不当に拘束しているとして、解放を求める集会が首都キーウで開かれました。
ウクライナの人権団体は、軍事侵攻を続けるロシアがウクライナ東部や南部の支配地域で、言論に対する弾圧を強め、ジャーナリストや人権活動家、それに芸術家などを不当に拘束しているとしています。
人権団体などが15日、首都キーウ中心部で開いた集会の会場には、不当に拘束されたり、行方がわからなくなったりしたとする人たちの名前が書かれた紙が貼られたおよそ50脚のいすが並べられました。
集会では家族や友人たちがスピーチを行い、芸術家の兄がおととしから拘束されているという女性は「兄は故郷のために、ウクライナの国旗のもとで暮らすためにたたかった。こうした拘束された人たちのことにもっと関心を持ってほしい」と訴えました。
また、ジャーナリストの夫が拘束されているという女性は「毎日、夫のことを思い一日が始まる。夫を解放するためにできることは全てやったのか自分自身に問いかけている。不法に自由を奪われた人たちを取り戻すよう国際社会が支援してほしい」と話していました。
集会を主催した人権団体はロシアが支配地域で不当に拘束しているジャーナリストや人権活動家を含むウクライナの民間人は7000人以上にのぼるとして、速やかに解放するよう訴えています。
東部要衝でロシア軍撃退 ウクライナ軍が表明:東京新聞デジタル 2024年11月15日 09時52分 (共同通信)
【キーウ、モスクワ共同】ウクライナ軍参謀本部は、東部ハリコフ州の要衝クピャンスクで13日にロシア軍の攻勢を受け、撃退したと表明した。国営通信社ウクルインフォルムが14日、報道官の話として伝えた。ロシア軍は戦車や装甲車両で攻撃を繰り返したが、ゼレンスキー大統領は声明で「兵士が効果的に戦っている」と説明した。
一方、ロシア軍に独自の情報源を持つ複数の軍事ブロガーらは、ロシア軍の装甲車両がクピャンスクへの突破に成功し、郊外に拠点を築いたと発信。ロシア通信によると、ハリコフ州のロシア側制圧地域トップのガンチェフ氏は14日、ロシア軍が複数の方向からクピャンスクに向けて前進を続けていると主張した。
【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(11月13日の動き) | NHK 2024年11月13日 19時46分
首都キーウに“73日ぶり 複合的な攻撃”
ウクライナ空軍の発表によりますと、ロシア軍は12日午後からミサイル6発と無人機90機を使用し、ウクライナ側はこのうち一部を迎撃するなどしたということです。
首都キーウの当局は、13日の朝、巡航ミサイルや無人機がキーウに接近するのにあわせて弾道ミサイルも発射されたと明らかにし、「キーウへの複合的な攻撃は73日ぶりだ」としています。
また、近郊のキーウ州当局は、撃墜した物体の破片により火災が発生し、男性1人がけがをしたと明らかにしました。
攻撃についてゼレンスキー大統領は「わが軍が成果をあげれば終戦が近づく」とSNSに投稿し、防空態勢の強化が必要だと重ねて訴えました。
ロシア軍は、ウクライナの越境攻撃が続くロシア西部クルスク州の奪還に向けて、北朝鮮の兵士を含むおよそ5万人の部隊を集結させているとみられています。
ニューヨーク・タイムズは今月10日、数日以内に大規模な攻撃を仕掛けてくる見通しだと伝えていて、ウクライナ側が警戒しています。
米 “北朝鮮兵士 ロシア軍と軍事作戦開始を確認“
アメリカ国務省のパテル副報道官は12日の記者会見で、1万人以上の北朝鮮の兵士がロシアに派遣され、その大半がウクライナ軍が越境攻撃を続ける西部クルスク州に移動したとしたうえで、「ロシア軍とともに軍事作戦を始めたことを確認した」と述べました。
アメリカ政府が北朝鮮の兵士による戦闘参加をおおやけに認めるのは、今回が初めてです。
一方で、戦況への影響については「ロシアが北朝鮮の兵士を戦場で活用できるかは、いかに自国の軍に統合できるかにかかっている。それにはことばの壁などの課題がある」と述べました。
アメリカはロシアと北朝鮮の結び付きに懸念を深めていて、ブリンケン国務長官は、13日にかけてブリュッセルで開かれるウクライナ支援会合に出席し、各国の外相らとこうした問題を協議し、対応していくことにしています。
林官房長官「ロ朝軍事協力の進展を強く非難する」
林官房長官は、午前の記者会見で「北朝鮮の兵士がウクライナに対する戦闘に参加しているとアメリカ政府が発表したことは承知しており、日本政府も同様の認識を持っている。ロシアによるウクライナ侵略は国際秩序の根幹を揺るがす暴挙であり、最近のロ朝軍事協力の進展の動きを強く非難する」と述べました。
そのうえで「こうした動きは、わが国を取り巻く地域の安全保障に与える影響の観点からも深刻に憂慮すべきものだ。ウクライナにおける一日も早い公正かつ永続的な平和の実現に向け、国際社会と緊密に連携して取り組んでいく」と述べました。
ウクライナ国防省高官 “北朝鮮の目的は実戦経験“
ウクライナ軍が越境攻撃を行っているロシア西部のクルスク州では、ロシア軍と現地に派遣された北朝鮮軍の兵士からなる、およそ5万人の部隊が編成され、数日以内に大規模な攻撃を仕掛ける見通しだとアメリカの有力紙が伝えています。
これについてウクライナ国防省のコワレンコ国際協力局長が12日、首都キーウでNHKの取材に応じ、「ロシアがすでに1万1000人の北朝鮮の部隊をクルスク州に配置したことは把握しているが、今のところ活発な活動はしていない」と述べ、北朝鮮軍との本格的な戦闘は始まっていないという見方を示しました。
そのうえで「北朝鮮は戦闘のためだけでなく実戦での経験を積ませるために部隊を派遣している。この経験は兵士が北朝鮮に戻ったとき、周辺国にとって危険なものになるだろう」と指摘し、北朝鮮軍がウクライナとの戦闘に加わることは、日本や韓国などにとっても将来的に脅威になりうるという考えを強調しました。
EU=ヨーロッパ連合の外相にあたるボレル上級代表
EU ウクライナに砲弾98万発以上供与 予定より遅れも支援強化へ | NHK 2024年11月12日 19時45分
EU=ヨーロッパ連合の外相にあたるボレル上級代表は、EUがこれまでにウクライナに98万発以上の砲弾を供与したと明らかにしました。当初はことし春までに100万発を供与することになっていて、予定より遅れたものの生産能力を増強して支援をさらに強化していく考えを示しました。
EUは去年の首脳会議で、ことし3月までに100万発の砲弾をウクライナに供与することを決めていました。
これについてEUの外相にあたるボレル上級代表は、11日に掲載されたウクライナメディアとのインタビューで、これまでに98万発以上の砲弾を供与したと明らかにしました。
当初の目標から7か月以上遅れていることについては「生産能力を正確に把握していなかった」と説明しました。
そのうえで、生産能力を40%以上増強させているほか、チェコ政府が主導する別の砲弾確保の取り組みなども合わせると年内に150万発以上の砲弾を届けることができるとの見通しを示し、支援をさらに強化していく考えを示しました。
アメリカのCNNテレビはことし3月、ヨーロッパの情報機関の職員の話やNATO=北大西洋条約機構の推計などをもとに、アメリカとヨーロッパ諸国を合わせたウクライナ向けの砲弾の生産能力は年間120万発だとした一方、ロシアの生産能力については年間およそ300万発だとしていて、ロシア側が大きく上回っていると伝えています。
韓国 北朝鮮ICBM ロシアから技術支援受けた可能性を指摘 | NHK 2024年11月11日 22時26分
北朝鮮が先月発射したICBM=大陸間弾道ミサイル級のミサイルについて、韓国の国防当局は、通常、発射前に行われるエンジンの実験が確認されていないなどとして、ロシアから技術支援を受けた可能性を指摘しました。
これは、韓国の与党 国民の力の国会議員が11日、韓国国防省の国防情報本部の分析結果として明らかにしました。
それによりますと、北朝鮮が先月末に発射実験に成功したとする、ICBM=大陸間弾道ミサイル級の「火星19型」について、改良型ではなく、新型のミサイルと判断したということです。
さらに、北朝鮮は通常、新型の弾道ミサイルの発射前にエンジンの実験を行いますが、ことし3月を最後に、固体燃料のエンジンの実験は確認されていないとしています。
そして、国防情報本部は具体的な情報はないとしたうえで「『宇宙技術分野の協力』という名目で、北がロシアから、弾道ミサイルに転用できる技術支援を受けている可能性も排除できない」との見方を示したとしています。
韓国政府などは、北朝鮮がウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアに対して軍の部隊を派遣する見返りとして、ICBMなど軍事技術の支援を求める可能性を指摘していて、関係国が動向を注視しています。
「トランプ氏がプーチン大統領と電話で会談」米有力紙が伝える | NHK 2024年11月11日 9時13分
アメリカの有力紙ワシントン・ポストは、大統領選挙で勝利したトランプ氏がロシアのプーチン大統領と電話で会談していたと伝えました。会談でトランプ氏はウクライナで続く戦闘を拡大させないようプーチン大統領に呼びかけたとしています。
ワシントン・ポストは10日、複数の関係者の話として、アメリカ大統領選挙で勝利したトランプ氏が、投票日の2日後の11月7日、ロシアのプーチン大統領と電話で会談していたと伝えました。
この中でトランプ氏は、プーチン大統領にウクライナで続く戦闘を拡大させないよう呼びかけたとしています。
また2人は、ヨーロッパ大陸の平和という目標について意見を交わし、トランプ氏は「ウクライナでの戦争の早期解決」をめぐり、さらなる協議を行いたい考えを示したということです。
一方で、トランプ氏は会談の中で、ロシアが占領するウクライナの領土の問題についても取り上げたとしています。
トランプ氏は選挙戦のなかで、ロシアによるウクライナへの侵攻を即座に終わらせると訴えてきましたが、その方法については具体的には明らかにしておらず、トランプ氏の言動に関心が集まっています。
米ハガティ氏「国内問題を優先」ウクライナ支援継続に否定的 | NHK 2024年11月11日 9時04分
アメリカのトランプ次期政権で国務長官など閣僚ポストへの起用が取り沙汰されているハガティ前駐日大使は、アメリカ国内の問題を優先すべきだとして、ロシアの軍事侵攻を受けるウクライナへの支援の継続に否定的な立場を示しました。
1期目のトランプ政権のもとで、駐日大使を務めたハガティ上院議員は10日、アメリカのCBSテレビのインタビューに応じました。
この中でロシアからの軍事侵攻を受けるウクライナへの軍事支援について「相当な金額が使われている。アメリカ国民は国境が崩壊していることなど国内の問題に焦点をあてることを求めている」と述べ、支援の継続に否定的な立場を示しました。
その上で、ハガティ氏はウクライナで多くの犠牲者が出ていることに触れ、トランプ氏が今後、停戦に向けた働きかけを行うという見通しを示しました。
トランプ氏はウクライナへの軍事支援に消極的な姿勢を示していて、次期政権で支援がどこまで継続されるかが焦点となっています。
一方、同盟国との関係についてハガティ氏は「各国がそれぞれ防衛力の強化を図るべきだ」と強調し、防衛費を増額し防衛力を強化する日本の取り組みについては「前向きな動きだ」と評価しました。
ハガティ氏について、アメリカメディアは2期目のトランプ政権で国務長官などの閣僚ポストに起用される可能性があると伝えています。
ロシアと北朝鮮兵、大規模攻勢か 計5万人が「数日内」と米紙:東京新聞 TOKYO Web 2024年11月11日 01時06分 (共同通信)
【キーウ共同】ニューヨーク・タイムズ電子版は10日、ウクライナ軍が越境攻撃を続けるロシア西部クルスク州に派遣された北朝鮮兵とロシア軍部隊の計約5万人が、数日内に大規模攻勢に出る可能性があると報じた。米国とウクライナの当局者の話としている。クルスク州では既に北朝鮮兵の戦闘参加が確認されている。
同紙は、ロシア軍がクルスク州でウクライナに制圧された領土の半分を奪還したと分析。今回の攻勢でウクライナ軍を一層後退させる狙いがあるとみられる。
同紙などによると、クルスク州には1万人以上の北朝鮮兵が配置され、攻撃部隊と後方支援部隊に分かれている。ロシア軍から迫撃砲や突撃銃、暗視装置を供与され訓練を受けた。
米当局者は、多くの北朝鮮兵が装甲車を伴わず歩兵として戦うと指摘。ウクライナ軍の砲撃や無人機攻撃により甚大な損失が出るとの見方を示した。北朝鮮兵がウクライナ国内での戦闘に参加するかどうかは不明とした。
ウクライナ高官は、情報機関の分析として、北朝鮮が最大10万人の兵をロシアに派遣する可能性があると説明した。
ウクライナ軍 “ロシア軍が無人機145機で大規模攻撃” | NHK 2024年11月10日 19時44分
ウクライナ軍は、ロシア軍が145機の無人機による大規模な攻撃を仕掛けてきたとしています。ウクライナ側は、ロシア軍が無人機攻撃を増やし市民を恐怖に陥れていると非難しています。
ウクライナ軍は10日、SNSで9日夜から10日にかけてロシア軍が145機の無人機で首都キーウや南部のオデーサ州などに攻撃を仕掛け、このうち62機を撃墜し、67機は消息を絶ったと発表しました。
ひと晩の攻撃に使われた無人機の数としては記録的だとしています。
この攻撃でオデーサ州では集合住宅などに被害が出て、2人がけがをしました。
ウクライナの当局者は、一連の無人機による攻撃に軍事的な成果はほとんどないとして、市民を恐怖に陥れる行為だと強く非難しています。
ロシア軍は先月から無人機による攻撃を増やしていて、イギリス国防省によりますと、先月はおよそ2000機と前の月より700機近く増えています。
一方、首都モスクワのソビャーニン市長は、モスクワに向かってきた32機の無人機を破壊したとSNSに投稿しました。
これについてロイター通信はウクライナ側によるモスクワを標的にした無人機攻撃としては最大規模だったとし、モスクワ近郊の空港が一時的に運航の停止に追い込まれ、1人がけがをしたと伝えています。
バイデン政権 ウクライナでの米軍事企業の活動 禁止措置を解除 | NHK 2024年11月9日 18時33分
アメリカのCNNテレビは、バイデン政権がウクライナ軍を支援するために、アメリカの軍事企業がウクライナ国内で活動するのを事実上、禁じてきた措置を解除しF16戦闘機や防空システム「パトリオット」などの修理やメンテナンスをウクライナ国内で行えるようにすると伝えました。
アメリカのCNNテレビは8日、政府高官の話として、これまでアメリカの軍事企業がウクライナ国内で活動するのを事実上、禁止してきた措置をバイデン政権が今月はじめに解除したと伝えました。
軍事企業はアメリカが供与してきたF16戦闘機や防空システム「パトリオット」などの修理やメンテナンスを行うとしています。
ロシア軍との戦闘で大きな損傷を受けたアメリカ製の兵器の修理やメンテナンスは専門の知識が必要なことから、これまでウクライナから隣国のポーランドやルーマニアなど、NATO=北大西洋条約機構の加盟国に搬出して行われてきましたが、今後はウクライナ国内で行い、兵器をより早く前線に戻すことができるようになるとしています。
バイデン政権は軍事侵攻の開始以降、ロシアを刺激しないようアメリカの軍や軍事企業によるウクライナでの活動を厳しく制限していました。
CNNテレビは「この方針転換は政権のウクライナ政策の大きな変化だ」と伝えています。