第41回スプリンターズステークスは30日、不良馬場となった中山競馬場で行われた。
単勝1番人気は前走のセントウルステークスで圧勝した、今年のサマースプリントシリーズチャンピオンの6・サンアディユで3.6倍、2番人気は今年の高松宮記念の優勝馬、15・スズカフェニックスで5.2倍、3番人気は7・アストンマーチャンで5.6倍、4番人気は16・キングストレイルで7.0倍。10倍以下は以上4頭。
12・ローエングリンが絶好のスタートを切ったが、それをさらに上回るダッシュ力を見せたアストンマーチャンが果敢にハナを奪う。ちょっと間が開いて1・アイルラヴァゲイン、サンアディユが2番手グループ。キングストレイルは中団よりやや後ろに構え、スズカフェニックスは後方から4番手あたり。
ハイピッチで飛ばしに飛ばすアストンは4角では後続に4~5馬身ほどの差をつける。しかし直線に入ってさすがにペースが落ちてきた。2番手集団につけていたアイル、サンアディユ、それにキングストレイルあたりが追い上げたが、前半の貯金がモノを言ったアストンが堂々逃げ切り。2着争いは最後まで分からなかったが、サンアディユが制した。3着にアイルラヴァゲイン。
今回はとにかく初手からぶっ飛ばす策を心がけたアストンマーチャン。馬場が悪かったことや、3~4角で他を大きく引き離すというセーフティリードという展開にも恵まれた格好だが、最後まで着差以上の強さを見せた形。新たな短距離女王の誕生である。
ハロンごとのラップタイムは12.0 - 10.3 - 10.8 - 11.1 - 12.0 - 13.2。馬場が悪い中で中盤に10秒台で駆け抜けられると他は厳しい。
ウォッカ、ダイワスカーレットと並び、桜花賞では「三強」を形成したが、スタートでハナを奪えなかったことが影響して敗北。その後はマイルの距離も厳しいということからその後しばらく休養し、8月の北九州記念に出走し1番人気に推されるも6着に終わったことから早熟説も囁かれていた。しかしこのレースは今年の3歳牝馬のレベルの高さを証明づける結果ともなった。
多分牡馬相手のマイル戦となると厳しい戦いが予想されることから、このあとは香港スプリントあたりの出走が良いと思われ、来年の春の目標は高松宮記念となろうが、今後のことを考えても大きな1勝となった。
サンアディユは道中2番手争いでレースを進めたが、馬場が悪かったこともあってアストンをとうとう追い詰めることができず、2番手争いを制するに止まった。良馬場だったら結果は多少違っていたはず。アイルラヴァゲインはしぶとい競馬を見せ3着に入る。キングストレイルも直線に入ってよく伸びてはきたがこの馬も馬場に泣かされた格好。スズカフェニックスは全くいいところなく9着に終わった。