公営競技はどこへ行く

元気溢れる公営競技にしていきたい、その一心で思ったことを書き綴っていきます。

山本朋広はどこへ行った

2024-10-26 14:30:09 | 安倍晋三関連事件(森友・加計・桜・統一教会)
候補者の演説を聞く鈴木エイト氏=19日午後、東京都内で 🄫東京新聞


© 毎日新聞 提供 山本朋広 前衆院議員



「本当に教団と接点はないのか」鈴木エイト氏の選挙ウオッチ同行記 旧統一教会「関係ありなし」サイト登場:東京新聞 TOKYO Web 2024年10月25日 12時00分

衆院選の投開票日が2日後に迫った。自民党の裏金事件に端を発した「政治とカネ」の問題が注目されるが、忘れてはいけないのが世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と政治家の関係だ。2022年の安倍晋三元首相銃撃事件を受けてつながりが発覚後、初の大型国政選挙となる。この問題を追及してきたジャーナリストの鈴木エイト氏や元信者らは、教団との関係を指摘された候補者をどう見るのか。(山田祐一郎)
◆「マザームーン」発言の山本朋広氏になかなか会えない
東京新聞「こちら特報部」は17〜19日、東京や神奈川の複数の選挙区で、候補者をウオッチするエイト氏に同行した。17日午後に訪れたのが神奈川4区(横浜市栄区、鎌倉市、逗子市、葉山町)。大船駅を降りてすぐ目に入るのは「カルトにNO!」の大きな文字。自民党候補の前職山本朋広氏(49)の選挙事務所だ。「ここまで言い切るのは本当に教団と接点がないのか。以前のスタッフで気になる人がいる」とエイト氏。遊説先で山本氏に接触しようとしたが、地元マスコミにも遊説予定を公表していない。事務所で確認すると、スタッフの女性が「いま分かる人がいない」と繰り返した。
 エイト氏は2017年、山本氏が東京都内で開かれた教団の集会に来賓として出席し、あいさつで韓鶴子総裁を「マザームーン」とたたえたと報じた。同年10月の衆院選中に山本氏に直接取材すると、選挙妨害だとして警察を呼ばれた経験がある。「懐かしいですね。あの時以来です」。駅前の交番を見ながらつぶやいた。
この日、夕方に大船駅周辺で街頭活動をするとの情報を受け、地元新聞社や複数のテレビ局の記者が待ち続けたが結局、山本氏は姿を見せなかった。地元で企画された公開討論会も欠席していた。「まさか会うのにこんなに苦労するとは。カルトと関係を絶ったと宣言しながら、選挙の場で積極的に説明しようという姿勢がないのは矛盾していますよね」とエイト氏は静かに指摘する。
◆「私はカルトではないから。随分、誤解されている」
 翌日、夕方に別の駅で街頭活動をするという情報を得て向かうと、チラシ配りの準備をする山本氏を発見した。「やせましたか?」とエイト氏が声を掛ける。「大変ですよ。人生が随分変わってしまいました。おかげさまでめちゃくちゃ厳しいですよ」。驚いた山本氏が警戒しながらも応じる。旧統一教会との関係断絶について問われると「私はカルトではないから。随分、誤解されている」と返した。チラシでも「信者だと誹謗(ひぼう)中傷を受け、被害に遭われた方々の心痛に共感した」と強調する。
 「(スタッフの)○○さんはもういないんですか」とエイト氏が切り出すと「もう辞めてますね。本人の希望です」と山本氏。「教団との関係を絶つ意味で?」と質問を重ねると、「そもそも信者かどうか知らない。内心の自由があるので確認はしない」と述べた。その上で「(教団の集会に)呼ばれてあいさつしただけなので、組織的な関係は全くないですよ」と強調した。
遊説予定を公表せず、討論会に参加しなかった理由について、スタッフの男性は「逃げ回っているつもりはないのですが。直前まで予定が決まらないんです。討論会も日程が合わなかったためです」と説明した。
 神奈川4区は前回、前々回と小選挙区で勝利している立憲民主の前職早稲田夕季氏(65)に山本氏が挑む構図。日本維新の会の新人加藤千華氏(26)、参政党の新人津野照久氏(57)も立候補している。
◆「政治の存在によって被害がより深くなっている」
 同行した3日間でエイト氏は、神奈川4区以外にも東京都内で、自民の推薦を受けた元職や、裏金問題で自民の公認を受けられずに無所属で出馬した前職の演説会などを訪れた。いずれも自身が旧統一教会とのつながりを指摘してきた政治家だ。現場では、選挙活動を支えるスタッフなどを注視する。「今回の選挙で表立って教団が組織的な選挙支援をしているとは考えにくいですが、確認は必要」。いずれの候補者も演説で、旧統一教会の問題に言及することはなかった。「自分は関係ないんだというスタンスなんでしょう」
なぜここまで旧統一教会の問題を追い続けるのか。「最初は、目の前で行われていたカルト宗教の違法な勧誘行為をやめさせたいという理由だった。誰かがやらなければ、多くの人がはまってしまう」。安倍氏の事件前から、政治家と教団のつながりを指摘してきた。先日も、過去の選挙で自民党が教団の強力な支援を受けてきたことを暴く記事を公開した。「政治の存在によって被害がより深くなっている。政治家個人が教団と関係を絶ったことを強調するだけでは問題の本質を理解したことにならない」。自民党が組織として検証する必要性を訴える。
◆1300人データベース 「旧統一教会」に加え「裏金」問題の有無も
 政治家と教団との関係を検証する動きはエイト氏だけではない。両親が現役信者で、30代の元信者の「もるすこちゃん」(仮名)は、総選挙に立候補した1300人余について、過去に報じられた教団との関係を、生成人工知能(AI)を使ってデータベース(DB)化。「統一決別 解散総選挙 国会議員データベース」として公開し、投票の判断材料の一つにしてもらおうとしている。14日の公開後、8000件以上のアクセスがある。
DBでは、選挙区ごとにAIがこれまで教団との関係性が強いと判断した候補者名が赤色で示され、裏金に関係した場合は紫色、両方に関係ある場合は黄色になる。候補者の裏金有無や教団との具体的な接点、関わり度合いの評価、その根拠となった情報のリンクを見ることができる一覧も作成した。
 「選挙で国民の審判を受けるべきだが、国民の間でもこの問題が終わったことになりつつある」と危ぶむ。もるすこちゃんは教団に献金し、経済的に苦しい両親に代わって自身や親族の学費などを負担してきた。「事件を受けて救済法が成立したが実効性がない。誰も救われない法律ができただけだ」。問題がまだ現在進行形であることを強調する。
◆「説明責任を果たさずに当選しても、みそぎにはならない」
 被害者支援に取り組む全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)は16日、主要8党に教団との関係などを尋ねた公開質問状の回答を公表した。自民党は「問題を受けガバナンスコードを改定し、今後もこれを順守した政治活動を徹底する」と回答。自民党と公明党以外は、問題についての調査の必要性を訴えた。
 「旧統一教会と政治の関係についての整理や調査が行われる前に裏金問題が発覚した。総裁選後の公認など裏金を巡る動きが活発すぎて、結果として旧統一教会の問題が隠れてしまっている」と話すのは、中央大の山崎望教授(政治理論)。「本来、今回の選挙で『政治と宗教』の関係を問い直す必要がある。『政治とカネ』と同じく大きな争点だが議論が広がっていない」と指摘する。
 選挙で当選すれば、関わった議員がいずれの問題も「みそぎを終えた」とされかねない。山崎氏はこう強調する。「それぞれの問題について議員は自らが公に説明する義務がある。説明責任を果たさずに当選しても、みそぎにはならない。自民党の内部調査は不十分。与野党関係なく、当選した議員は調査に協力するべきだ」
◆デスクメモ
 先日期日前投票を終えたばかり。もるすこちゃんのDBで調べたところ、自分の選挙区に教団との関わりが伝えられた候補者はいなかった。とはいえ今月新たに教団の選挙支援や会合出席を認めた大臣もいて、疑念は残る。説明せず逃げ回る候補者は、有権者にも同僚議員にも失礼だ。(恭)

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2024年衆院選では、裏金に加え、『壺』候補者にも鉄槌が下りそう

2024-10-25 00:11:19 | 安倍晋三関連事件(森友・加計・桜・統一教会)
旧統一教会が自民党議員を選挙支援したことを記す内部資料 © 文春オンライン



〈教団関係者と満面の笑みも〉旧統一教会施設で撮影された自民党候補たちの“証拠写真”を公開する《2021年衆院選》文春オンライン2024年10/24(木) 20:12配信

 世界平和統一家庭連合(旧統一教会。以下、統一教会とする)が2021年の衆議院総選挙で、自民党議員を選挙支援したことを記す内部資料が波紋を拡げている。

 ジャーナリストの鈴木エイト氏が入手したのは、統一教会のフロント組織である世界平和連合(FWP)の中部地区常任講師のS氏が、組織内の会議のために作成した資料、『激動の2021年「政治決戦 総選挙と日本の行方」』だ。

「 文藝春秋 電子版 」が10月23日に報じた「 全公開『極秘 旧統一教会内部資料』33ページ 2021年衆院選、旧統一教会に支援された自民候補者実名リスト 」では、全33ページを公開。婦人部や青年部、壮年部までが時間制で電話掛けやビラ撒きを行う“総力戦態勢”や、愛知県から新潟県に至る「中部地区」候補者の“格付け一覧”、さらには、自民党議員と統一教会との関係を示す“決定的証拠写真”が掲載されている。

各候補者の当落予測や当選戦略まで記載
 内部資料の2頁には、「勝共推進国会議員」4名の全員当選について本部から要請があったことや、各候補者の当落予測や当選戦略までが明記されている。

「勝共推進国会議員」とされる4名のうち、愛知4区の工藤彰三氏といえば、消費者庁を担当する内閣副大臣として23年11月17日の国会で、教団の韓鶴子総裁との5回にわたる面会、21年選挙での電話作戦応援を認めるなど、教会と深い関係にある人物である。5区の神田憲次氏、3区の池田佳隆氏、12区の青山周平氏も、関連団体会合について出席・挨拶や会費支出があったことを認めている(青山氏は会費支出のみ)。「勝共推進国会議員」とは、既に関係性が構築されている議員を指す用語といえるだろう。

3頁は、「勝利への戦略」として東海ブロック(愛知・岐阜・三重・静岡)32小選挙区の情勢を分析し、「東海32小選挙区で21勝11敗」と「比例8議席復活」のための「絶対条件」を掲げる。その上で惜敗率の低い順に静岡5区(吉川赳氏)、三重3区(石原正敬氏)、愛知2区(中川貴元氏)を挙げている。いずれも比例復活を果たした候補者で予測の正確性が窺える。

 つづく4頁には、「選挙結果」として21年衆院選での東海ブロック32小選挙区の投開票結果が記され、選挙前の予想を遥かに上回る結果が得られたことが示されている。

 9頁には、「新しくUPFに繋がった東海ブロック国会議員10人」が記されており、統一教会のフロント組織である天宙平和連合(UPF)と世界平和連合(FWP)が一体となった政界工作であることが示されている。

教団関係者と撮影した「記念写真」の数々
 資料の後半、20頁から32頁には教団関係者が各候補者と撮影した「記念写真」が掲載されている。これらは、各議員が「組織的な選挙支援」を受けていたことを示す“決定的証拠”ともいえ、「統一教会とは知らずに参加し挨拶した」「ボランティアとして信者が偶然、選対本部に紛れ込んでいた」などの常套句的な言い訳が通用しないレベルの衝撃的な内容である。 

「丹羽秀樹先生を迎えて国政報告会」は公示直前の21年10月17日に行われている。見えづらいが、写真中央奥に統一教会の21年10月のカレンダーが掲げられていることから、教会施設である可能性が高い。しかし、丹羽氏はこれまで統一教会との関連について「接点あり」としか答えず、詳細を明かしてこなかった(事務所によれば「祝電を送ったと回答」)。

教団関係者と満面の笑みの丹羽氏だが、当選後から県連会長として教団との関係遮断を確認する「誓約書」への署名を公認候補者に求めてきた立場だ。丹羽事務所は、この会合について、「旧統一教会関連会合に出席した記録は確認できませんでした」と回答。「これまで、旧統一教会及び関連団体への選挙支援の依頼、及び組織的支援などの依頼をしたことはありません。また、ボランティアを受け入れる際、信教・思想信条の確認はおこなっておりません」と続けた。

 写真の国政報告会については、この期に及んで「統一教会のものとは知らなかった」と言うのだろうか。県連会長の認識がこの程度のものであれば、党の方針の徹底順守も甚だ疑わしい。

 愛知13区の石井拓氏も公示直前の21年10月14日に「石井拓先生衆議院選勝利決起集会」を開催している。写真は、統一教会のシンボルマークのついた演台に上がり、石井氏が壇上から出席者に挨拶している姿をとらえている。主催は「拓世会」とあることから、後援会を結成してもらっている可能性がある。統一教会は候補者の名前の1字と「世」を後援会名にするのが特徴だ。石井氏はこれまでの調査で、関連団体の会合に出席し挨拶したことを認めているが、教団主催の会合への出席や、教団による選挙支援、後援会の結成については一切言及していない。

 石井事務所に決起集会の開催趣旨や「拓世会」の結成趣旨について問い合わせたが、「旧統一教会及びその関係団体とのかかわりについては、党本部から適宜公表されているとおりです」とだけ答えた。写真を提示し詳細を問うと、「知人の呼びかけで挨拶依頼があり、選挙前に参加した。“拓世会”の名称は先方が決め、決起集会を開くとの説明ではなく、石井さんを応援したいので人を集めておきますとの説明でしたので参加しました」とし、これまでの説明と矛盾する理由については言及しなかった。

統一教会なしで選挙を戦えるのか?
 内部資料から読み取れる問題点は3つだ。第一に、自民党と統一教会との組織的な協力関係への疑い。第二に、自民党の点検調査が不十分であること。第三に、こうした組織的な選挙支援は中部地区のみならず、全国規模で行われていると推測されることである。統一教会による全国5地区の区分けのうち、残りの4地区でも、自民党議員への当選活動が同時期に日本全域で行われていたのではないだろうか。また、統一教会信者たちによる献身的かつ組織的な選挙運動が、今回の選挙では行われていないと、誰が断言できるのだろうか。

「 文藝春秋 電子版 」には、石破茂内閣の現役閣僚や副大臣、政務官と統一教会との関係を示す“決定的証拠”となる衝撃的な写真が多数掲載されている。加えて、統一教会による中部地方議員の“格付け”の詳細や「全員当選」のための具体的選挙戦略が詳述されている。

(「文藝春秋」編集部/文藝春秋 電子版オリジナル)

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教団問題で辞任した山際大志郎の「マスコミお断り」出陣式に野党のみならず身内からも集中砲火

2024-10-22 07:11:45 | 安倍晋三関連事件(森友・加計・桜・統一教会)
教団問題で辞任した元閣僚は「マスコミお断り」出陣式 神奈川18区 野党のみならず身内からも集中砲火  東京新聞 2024年10月22日 06時00分

「報道関係者の入場をお断りしております」。衆院選公示日の15日、川崎市高津区のホテル3階宴会場の入り口付近に貼り紙があった。会場内では、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の問題で閣僚を辞任した自民党前職の山際大志郎が出陣式を開いていた。
◆代表取材で旧統一教会に触れず、経済対策ばかり
 会場に入れたのは代表取材の川崎市政記者クラブの幹事社のみ。代表取材によれば、山際は教団の問題には一切触れず、「デフレから本当に脱却し、豊かな国になったと思ってもらえるようにしたい」などと経済対策を中心に訴えたという。

陣営の話では、選挙期間中の日程は原則非公表。秘密裏に行動する理由に挙げるのが、教団の問題だ。選対本部長を務める川崎市議の大島明は「山際本人がそういう方向でやりたいと言うから、選対会議で議論して決めた。(教団と関係があるかのように発言を)切り取られるからだ」と説明する。
 山際は2021年10月に岸田文雄内閣の経済再生担当相として初入閣を果たし、新型コロナウイルス対策などを担当した。同月の前回衆院選後に発足した第2次岸田内閣、続く改造内閣で再任されたものの、教団トップと会合で同席するなど、教団側との接点が次々と発覚し、辞任に追い込まれた。
 山際側は「事務所スタッフまで含め、当該団体に所属している者はいない」と主張するが、足元の自民からも疑問の声が上がる。
◆安倍元首相銃撃事件前から問題視してきた自民県議が
 公示3日前の12日、出陣式の会場と同じホテルの7階会議室。高津区選出の神奈川県議で現在7期目の小川久仁子が記者会見を開き、山際が党公認で立候補することに抗議するとして、県連に離党届を提出したと明らかにした。
 小川は、安倍晋三元首相銃撃事件の前から教団と山際の関係を問題視してきた。会見では「教団と関係があるかどうかを再調査すべきだと県連に求めてきたが、受け入れられなかった。長年一緒に活動してきた仲間たちと離れるのはつらいが、自分の支援者を裏切ることはできない」などと時折涙ぐみながら語った。
大島は「(小川の動きは)選挙に影響はない」と言い切る。しかし、陣営内からは「教団の問題がクローズアップされるのはマイナス」「マスコミから逃げてばかりで選挙になるのか」などと不安の声も漏れる。
◆取材拒否の姿勢は「有権者無視と同じ」
 教団の問題は、自民派閥の政治資金パーティー裏金事件に隠れがちだが、18区の野党候補は争点化に余念がない。
 立憲民主党新人の宗野創は15日の第一声で「(18区は)旧統一教会との癒着問題で不誠実な政治の舞台となってしまった。今回の決戦で新しい政治をつくる」とアピール。公示前日の14日に18区入りした立民幹事長の小川淳也は「説明責任からの逃げ方は政治家としてもっての外だ」と指摘する。
 共産党新人の君嶋千佳子は、街頭演説などで教団の問題に多くの時間を割いてきた。取材を拒否する山際の対応を「有権者を無視しているのと同じ。こんな不誠実で無責任な態度があるのか」と厳しく批判する。(敬称略、佐藤圭)
 神奈川18区 区域は川崎市中央部の高津区と中原区。選挙人名簿登録者数(14日現在)は44万4169人。今回の区割り変更で宮前区が19区に移行する一方、10区だった中原区南部が18区に加わった。高津区は旧宿場町の溝口を中心に発展してきた歴史を持ち、市内では比較的保守地盤が強い。武蔵小杉駅周辺にタワーマンションが林立する中原区は市内7区の中で人口が最も多く、支持政党なし層が多いとされる。2012年から自民が4連勝中。


◆神奈川18区 立候補者(届け出順)
君嶋千佳子 74 共産 新
西岡 義高 47 国民 新
山際大志郎 56 自民 前⑥
宗野  創 31 立民 新
横田 光弘 66 維新 新

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「教団が信者を使い、現金を韓国に運ばせている」との情報 → 解散命令が確定して教団財産の清算手続きに入るまでの間に、教団が財産隠しに走る可能性が指摘されている

2024-10-13 10:02:30 | 安倍晋三関連事件(森友・加計・桜・統一教会)
🄫東京新聞



聖本3000万円、多宝塔7000万円…旧統一教会「霊感商法」の底知れない被害 「一刻も早く解散命令を」  東京新聞 2024年10月13日 06時00分

世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の解散命令を、文部科学省が請求してから13日で1年になる。教団側は争う姿勢で、東京地裁で非公開の審理が続いている。教団による高額献金や霊感商法の被害救済に取り組む弁護団は、教団側による「財産隠し」を懸念し、早期の命令に期待する。「宗教2世」の救済策なども不十分として、国に法整備を求めている。(三宅千智)
◆経典セット、絵画、つぼ、印鑑
「これは元信者が教団から3000万円で購入した『聖本』です」。全国統一教会被害対策弁護団の事務局次長、阿部克臣弁護士(45)が東京都内の事務所で、約1300ページの分厚い本を手にした。7000万円の多宝塔や430万円の経典セット、絵画、つぼ、印鑑…。こうした物品を購入するため、親戚や消費者金融から借金したり、土地を売ったりする信者もいるという。
 文科省が昨年10月に解散命令を請求した以降も、弁護団への相談は相次いでいる。これまで元信者ら171人が計52億円の賠償を教団側に求める民事調停を地裁に申し立てたが、阿部弁護士は被害者の一部に過ぎず「潜在的な被害は、はるかに大きい」と話す。
◆解散命令の「請求」から1年、司法の判断はいつ示される?
解散命令請求を受け、東京地裁では今年2月、文科省側と教団側の双方から意見を聞く「審問」が開かれた。判断がいつ出るかは不明で、地裁の判断が出ても、高裁、最高裁でも争え、確定時期は不透明だ。
 ただ、阿部弁護士は「来年には命令が確定するのではないか」とみる。
 根拠に挙げるのは、解散命令請求に向けた質問権行使で教団側が回答を拒否したとして、過料10万円の支払いが確定した8月の東京高裁決定だ。教団に「解散命令の要件に該当する疑いがあった」と判断した。あくまで「疑い」を認定したに過ぎないものの、阿部弁護士は「過料事件の延長線上で解散命令が出るはずだ」と話す。
教団の高額献金を巡っては、最高裁が7月、元信者が残した「献金の返還は求めない」との念書を「無効」と断定した。阿部弁護士は「救済への道が開ける判断。教団に厳しい姿勢で臨む司法の態度が固まってきた」との見方を示し「多くの被害者の望みは、一刻も早く解散命令を確定させることだ」と語る。
◆財産隠しの恐れ…「韓国に現金を運んでいる」との情報も
一方、命令が確定して教団財産の清算手続きに入るまでの間に、教団が財産隠しに走る可能性が指摘されている。教団が信者を使い、現金を韓国に運ばせているという情報も弁護団に寄せられているという。弁護団は、昨年施行の不当寄付勧誘防止法では信者家族への救済が十分できないなどとして、家裁の監督下で信者本人に代わって献金を取り消し、財産を管理できる制度の設置など同法の見直しを求めている。
 阿部弁護士は「まだまだこの問題は道半ば。救済や被害抑止に向け、国には責任を持って取り組んでほしい。清算人の権限強化など法整備も必要だ」と強調した。
 解散命令請求 宗教法人法に基づき、文部科学相や都道府県知事らが、特定の宗教法人に解散命令を出すよう裁判所に求める手続き。命令が確定すると宗教法人は法人格を失う。任意の団体として活動できるが、お布施などの収入が非課税になるといった税制上の優遇措置が受けられなくなる。法令違反を理由に解散命令を受けたのは、地下鉄サリン事件を起こしたオウム真理教など2例。

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統一教会との関係を一切絶つ:富山市議会の決議や市長の発言で苦痛や損害を受けたとして、信者と関連団体が市を訴えた裁判で、富山地方裁判所は「信教の自由を侵害するものとはいえない」として却下

2024-10-10 02:53:00 | 安倍晋三関連事件(森友・加計・桜・統一教会)
富山市の「旧統一教会との関係断絶」訴訟 信者らの訴え棄却 NHK 2024年10月9日 18時51分

旧統一教会などと一切の関係を絶つとした、富山市議会の決議や市長の発言で苦痛や損害を受けたとして、信者と関連団体が市を訴えた裁判で、富山地方裁判所は「信教の自由を侵害するものとはいえない」などとして、いずれの訴えも退けました。

富山市議会が、おととし9月に旧統一教会や関係団体と一切の関係を断つと決議したことについて、富山市に住む信者の男性は「不当な差別的扱いを受け、精神的苦痛を受けた」などとして、市に350万円の賠償を求めました。

また、おととし8月に、富山市の藤井市長が会見で「旧統一教会などとの関わりは一切もたない」と発言し、市議会も同様の決議をしたことについて、旧統一教会の関連団体「富山県平和大使協議会」は、市に2200万円の賠償を求めました。

9日の判決で富山地方裁判所の矢口俊哉裁判長は、「市議会の決議は何らの法的効果を伴うものではなく、信教の自由を侵害するものとはいえない。市長の決意表明などと議会の決議は一定の裁量を逸脱したものとまでは認められない」などとして、信者と団体の訴えをいずれも退けました。

信者と関連団体は判決を不服として控訴する意向を示しました。

信者の男性「不当判決だ」
信者の男性は会見を開き「不当判決だ。世間で言われているような悪い団体ではないことを伝えていきたい」と話しました。

また「富山県平和大使協議会」の鴨野守代表理事は、「われわれが行ってきた地域における議員の後援会活動などが何もできなくなってしまった。承服できない結果だ」と話しました。

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牧原秀樹:統一教会の会合などに37回出席 選挙では支援も

2024-10-08 14:59:56 | 安倍晋三関連事件(森友・加計・桜・統一教会)
牧原法相 旧統一教会の会合などに37回出席 選挙では支援も NHK 2024年10月8日 12時30分

牧原法務大臣は、過去に旧統一教会や関連団体による会合などに、みずからや秘書が合わせて37回、出席していたと明らかにしました。また、2005年に衆議院選挙に初めて立候補したときから、教団の関係者からボランティアとして支援を受けていたとしています。

牧原法務大臣は、閣議のあとの記者会見で、旧統一教会と自身の関係についての調査結果を明らかにしました。

それによりますと、過去に旧統一教会の主催や関連団体による会合などに、みずからや秘書が合わせて37回、出席していたということです。

このうち
▽教団が主催したものが3回
▽関連団体が開いたものが34回だったとしています。

また、2005年に自身が初めて衆議院選挙に立候補したときから、教団の関係者にボランティアとして支援を受けていたとしています。

牧原大臣は、過去の会合などの日程は膨大で事実確認に時間がかかり、そのつど党側と相談しながら調査を続けてきたと説明しました。

そのうえで「当時は認識していなかったとはいえ、参加していたことが判明し、自民党に報告した」と述べ、党側への最終的な報告は、去年2月に行ったとしています。

牧原大臣は7日の国会で、党の方針に沿って今は教団側とは一切の関係を絶っていると答弁しています。

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小川彩佳:「自身が総裁になった場合、“教団”との関係について何らかの再調査を行うという方がいらしたら、挙手をお願いします」 → 自民党総裁候補9人全員ダンマリ

2024-09-27 12:46:17 | 安倍晋三関連事件(森友・加計・桜・統一教会)
「勇気ある発言に鳥肌立った」総裁選候補者全員ダンマリを決め込んだ、小川彩佳アナの鋭い質問 週刊女性プライム 2024年9/26(木) 21:02配信

次期首相を決める、自民党総裁選の真っただ中。各候補者たちはアピールのため、各テレビ局の報道番組に出演している。そんな中、こんな一幕があった。

一人も手を挙げなかった総裁選の候補者
 9月17日、TBS系の報道番組『news23』でそう切り出したのは、メインキャスターの小川彩佳。旧統一教会の問題について、改めて切り込んだ。しかし、出演していた9人全員がダンマリ。挙手した候補者は1人もいなかった。

「ちょうどこの日、朝日新聞が自民党と旧統一教会の“蜜月関係”があったのではないかというスクープを報じたのです」(テレビ局報道記者、以下同)

 旧統一教会の問題は、2022年に安倍晋三元首相が山上徹也被告に暗殺されたことで表面化する。山上被告の犯行の背景には、旧統一教会への恨みがあった。

「山上容疑者の父親は、彼が4歳のときに自殺。兄は小児がんを患い、片方の目を失明。家庭に不幸が重なり、疲弊した母親は、旧統一教会に入信。1億円にのぼる献金を重ね、自宅を売却。生活は困窮し、2002年には自己破産。旧統一教会によって、山上被告の家庭は壊れてしまったのです。山上被告は当初、教団幹部の暗殺を考えたが難しかった。そこで、教団と深い関係があった安倍元首相を狙ったのです」

 この事件を機に、自民党が旧統一教会から選挙支援を受けていた“疑惑”が、盛んに報じられる。

「組織的な癒着があったならば、山上被告のような“教団被害者”を生んだことに、自民党にも多大な責任がある。しかし、自民党は“組織的な関係はない”と否定してきました。そこに朝日新聞は、2013年当時に首相だった安倍氏が、参院選直前に自民党本部にある総裁応接室で教団幹部らと面談していたと写真付きで報じたのです。国民にしてみれば“また自民党は嘘をついたのか”という感じでしょうか。小川さんも、朝日新聞の報道を受けて、追及したのでしょう」

 SNSでは、こうしたキレのある質問をした小川を称賛する声が多数あがった。

《小川彩佳キャスターすごいねぇ。自民党に忖度せずに質問してくれた》

《小川アナよくぞ言ってくださった。自民党の本来の姿が見えたのでは》

《小川アナみたいにガツンと言える人がテレビ界にも増えてほしい》

《小川アナ、痺れる質問! 勇気ある発言に鳥肌立った》

2019年に『news23』のメインキャスターに就任した小川だが、ここまでの道のりは平坦ではなかった。

視聴率2%台の日もあった
「小川さんがメインキャスターになってから視聴率はボロボロで、同じ時間帯の『news zero』や『報道ステーション』に大差をつけられていたんです。視聴率2%台の日もありましたから。あまりにも数字が悪いので、小川さんの降板が内定したとか、『news23』が終了を検討なんて報道も飛び出しました」(スポーツ紙記者、以下同)

 2021年にはテコ入れのため、人気のあった国山ハセンが同番組に加わったが、

「国山さんは2022年末にTBSを退社しました。理由の1つとして“テレビ番組が見られていない感じがあった”と明かしていました」

 こうしたピンチに小川が力を発揮する。テレビ局関係者が話を引き継ぐ。

「実は、2023年に話題となった旧ジャニーズ事務所の性加害問題で、民放番組で最初に大きく扱ったのが『news23』だったんです。各局がジャニーズタレントを起用していましたから、大きく報じたことで“タレントを引き上げる”なんて言われたら大変になる。だから、報道しても小さな扱いだったところ、『news23』が切り込んだのです。TBSが特集として報じると決めたのは、小川さんのひと言がきっかけだったと聞いています」(テレビ局関係者、以下同)

 いったい何があったのか。

「発端は2023年4月12日にあったカウアン・オカモトさんの会見。これを報じたのは、民放ではテレビ東京と日本テレビだけ。そこで会見のあった日、番組の内容を決める会議で、小川さんが“ジャニーズの性加害問題はやらないんですか?”と発言したそうです。これを受けて、報道部長が悩み抜いた末に報じることを決めた。ただ、TBSは会見にカメラを出していなかったので、映像を確保して別番組で取り扱うことになりました。局の内部では報じることに反発もあったようです」

 テレビ局は、巨大な組織でもある。さまざまな人間の思惑が交差する中、小川もそれに翻弄されたようだ。

「ただ、『news23』で“報道しない”ということではなく“独自ネタが取れたら報じる”という流れにシフトしたそう。こうした経緯があり、2023年5月11日の放送で、複数の被害者による証言などを10分間にわたって報じたのです。かつて“報道のTBS”と言われたことを立ち返るいい機会になったのでは。これは小川さんの功績だと思いますよ」

 性加害問題を報道した当時、小川は番組内でこう語った。

「果たして報道機関は、どれだけこうした被害を報道してきたのか。少なくとも私たちの番組ではお伝えしてこなかった。今後、番組ではこうした訴えをしっかりと受け止め、報道していきたいと考えています」

 この発言から約1年半。今度は旧統一教会の問題に切り込んで“報道の小川”を体現する――。

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統一教会への公開質問状 → 自民総裁候補9人全員回答なし

2024-09-19 07:59:18 | 安倍晋三関連事件(森友・加計・桜・統一教会)
旧統一教会との関係には触れられたくない? 自民総裁候補9人全員が回答なし 質問状送った弁護士ら「残念」 東京新聞 2024年9月19日 06時00分

全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)は18日、自民党総裁選の候補者9人と立憲民主党代表選の候補者4人に、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係のあり方や被害者救済の取り組みを尋ねた公開質問状の回答を公表した。立民は全員が回答したが、自民は小泉進次郎氏側から「党本部の通達で回答を控える」との返答があったものの、質問に答えた候補者はいなかった。回答はホームページで公表予定という。

◆「旧統一教会の問題に正面から取り組めるのか」
 質問は5問。12日に各候補者の事務所にファクスで送り、17日が回答期限だった。東京都内で記者会見した全国弁連代表世話人の山口広弁護士は、教団が献金などで甚大な被害をもたらしたことは政府も認めていることだと指摘し「自民党の先生方には、旧統一教会との付き合いを断絶すると文書できちんと回答いただきたかった」と話した。
 阿部克臣弁護士も「自民党から回答が来なかったのは非常に残念」とし、「候補者それぞれが党の改革を訴えているが、旧統一教会の問題に正面から取り組めるかというところが試金石になる」と述べた。
◆立憲民主党代表選の候補者4人全員が回答
 立民側は「交流は切るべきだ」(吉田晴美氏)、「一切関係を持たないという点を徹底するべきだ。関係が生じないようなチェック体制を確立することが有用」(野田佳彦氏)など関係断絶を明言する回答が目立った。
 被害者救済のため教団による財産隠しを防ぐ実効性ある立法の必要性を尋ねた質問には「財産の保全を命じる裁判所の権限を強化し、清算人の役割を拡充する法改正が求められる」(枝野幸男氏)、「財産の包括的保全について規定する立法が必要」(泉健太氏)など全員が必要と回答した。(三宅千智)

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岸田文雄:教団との関係は国会などで説明してきたとおりで、現段階で付け加えることはない

2024-09-17 21:25:32 | 安倍晋三関連事件(森友・加計・桜・統一教会)
徳野英治


岸田首相 旧統一教会との関係「説明してきたとおり」 NHK 2024年9月17日 15時26分

安倍元総理大臣らが2013年の参議院選挙直前に自民党本部で旧統一教会の幹部らと面談していたとみられるなどと報じられたことについて、岸田総理大臣は、教団との関係は国会などで説明してきたとおりで、現段階で付け加えることはないと述べました。

旧統一教会との関係をめぐり、安倍元総理大臣が2013年の参議院選挙直前の6月下旬に自民党本部の総裁応接室で、萩生田・前政務調査会長や岸・元防衛大臣とともに当時の教団の会長や関連団体の幹部らと面談していたとみられるなどと朝日新聞が報じました。

これについて、岸田総理大臣は、総理大臣官邸で記者団から「党と教団の組織的関係性は、なかったと考えるか」と問われ「旧統一教会と党の関係については、これまでも国会答弁などで再三説明させてもらったとおりだ」と述べました。

また、事実関係を改めて調査するかどうかに関しては「調査についても国会でたびたび説明させてもらった。ぜひそれを確認してもらいたいと思っており、今の段階でそれに付け加えることはない」と述べました。

国民 玉木代表「説明なく衆議院解散できず」
国民民主党の玉木代表は記者会見で「自民党が旧統一教会と極めて密接で組織的な関係があったことは事実だと思う。党本部の総裁応接室に入る記録が、残っていないことはないと思うので、改めて党がきちんと調査し、今までの国会答弁と違うところがあれば速やかに国会で国民に説明すべきだ。誰が新しい総裁になったとしても、きちんと説明しないことには衆議院の解散はできないだろう」と述べました。

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故・安倍晋三が統一教会 会長の徳野英治と面談した模様:萩生田光一、岸信夫も同席

2024-09-17 09:21:53 | 安倍晋三関連事件(森友・加計・桜・統一教会)
徳野英治




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2024年8/27 東京高裁が統一教会への「過料」命じる決定 → 教団の主張退ける

2024-08-28 00:55:18 | 安倍晋三関連事件(森友・加計・桜・統一教会)
田中富広に10万円の過料。東京高裁も支持


旧統一教会への「過料」命じる決定 教団の主張退ける 東京高裁 2024年8月27日 17時48分

旧統一教会への解散命令請求をめぐり、文部科学省の質問権の行使に適切に回答しなかったとして東京高等裁判所は1審に続き、教団側に行政罰の過料を命じる決定をしました。

去年10月に旧統一教会への解散命令請求をした文部科学省は、質問権を7回行使し、報告を求めましたが、教団に一部を拒否されたとして行政罰の過料を科すよう東京地方裁判所に通知しました。

これを受けて1審の東京地裁はことし3月、教団の田中富広会長に過料10万円を命じる決定をし、教団側が不服として即時抗告していました。

2審の東京高等裁判所の舘内比佐志裁判長は27日、質問権の行使に対して適切に回答していないと判断し、1審に続き教団側に過料10万円を命じる決定をしました。

また解散命令の要件についても触れ「要件にある『法令違反』には民法上の不法行為も含まれる。教団や信者の不法行為を認めた22件の民事裁判の判決からは全国各地で長期間にわたり多数の被害者の財産権や人格権を侵害する違法な行為が繰り返されたことが分かり、解散命令の要件に当たる疑いがある」と指摘しました。

教団への解散命令請求は東京地裁で別に審理が続いていて、今回の東京高裁の判断が影響する可能性もあります。

盛山文科相「粛々とやるべきことに対応」
盛山文部科学大臣は、NHKの取材に対し「詳しい内容はまだ聞いていないが、東京高等裁判所にわたしたちの主張を認めていただいたということではないかと思うので、大変うれしく思う。いずれにせよ、粛々とやるべきことに対応するということに尽きる」と述べました。

全国統一教会被害対策弁護団「決定は適切かつ妥当」
東京高裁の決定を受け、全国統一教会被害対策弁護団は都内で会見を開きました。

村越進団長は「決定は適切かつ妥当だ。争点がほとんど重なっている解散命令請求の判断にも強く影響する」と述べました。

川井康雄弁護士は「決定は全国で長期間の被害があったことを認めていて、被害の救済を強く後押しする内容だ。長年、被害者が望んできた重要な決定だ」と述べました。

そして解散命令請求の審理が続いている東京地方裁判所に向けて「被害者の思いを受け止めて、教団に対して解散命令を出してもらいたい」と訴えました。

旧統一教会「決定は憲法違反」
旧統一教会=世界平和統一家庭連合は「決定は憲法違反であり、過去の最高裁判例にも違反するものであって、極めて不当と言わざるをえない。詳細な内容を確認し、特別抗告も含め検討する」とコメントしています。



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小林鷹之:「統一教会の教えは公明党よりも上だ」 → 壺は仏壇よりも強し

2024-08-20 11:52:59 | 安倍晋三関連事件(森友・加計・桜・統一教会)
<詳報>小林鷹之氏は何を語った? 裏金、旧統一教会、改憲、選択的夫婦別姓への見解は 自民総裁選出馬を表明 東京新聞 2024年8月19日 22時28分

自民党の小林鷹之前経済安全保障担当相(49)は19日、9月の党総裁選への立候補を表明した。国会内で開いた記者会見では、政治改革や改憲に積極的に取り組む考えを示した。旧統一教会のイベントに出席した過去をめぐっては「過去に選挙支援の依頼をしたことも、金銭のやり取り含めて、一切関わりはない」などと説明した。記者との質疑応答の主な内容を紹介する。(佐藤裕介、近藤統義、長崎高大、宮尾幹成)
◆「20人を超える同僚議員、心強い気持ちでいっぱい」
―10人程度が意欲を示している今回の総裁選で、真っ先に立候補表明の記者会見を開いたねらいは。この会場には20人を超える議員が集まっているが、推薦人として確保できているのか。
「今回、派閥に関係なく一人一人の議員としての思いでこの場に足を運んでくれたと理解をしている。推薦人をどうするかというのは考えなければいけない話だと思っているが、こうして20名を超える多くの同僚議員が足を運んでくれて、心強い気持ちでいっぱいだ」
「タイミングについて。結果として、私が一番早かったということだ。実は8月16日に出馬会見を考えていた。だが、台風が到来しているということもあり、さまざまな議論はあったが、私の判断で、やはり国民の命と暮らしを守る、それが政治家の使命ですから、この日になった。私は今回、チャレンジャーの立場。知名度もない。総裁選の投票日がいつになるか分からないが、1日でも長く、自身の国に対する思い、ビジョン、政策を一人でも多くの党員や国民の皆さんに知っていただきたい、そういう思いでこのタイミングとなった」
―小林さんは二階派に所属していたが、派閥の枠組みを超えて出馬するねらいは。派閥会長だった二階俊博元幹事長とは話したか。
「お金、あるいは人事で、こうした(派閥の)力を背景とし政治を動かすというやり方は、もはや今の時代にそぐわないのではないか。その意味で、今年の3月に党のガバナンスコードも改定し、政策集団は認めるけれども、旧来の派閥は認めないと。自分たちで決めたルールなので、当然そのルールは守る。それが原則なので、今回、『脱・派閥選挙』ということで打ち出した。二階代議士には個人的に報告はしている」
◆裏金事件「検察のような権限を持たない調査には限界」
―派閥の裏金事件の実態解明について。国会の政治倫理審査会では、自民党も含めた全会一致で当事者の出席を求めているが、出席していない方がほとんどだ。説明に後ろ向きな党内の現状について、どう考えているか。当事者の説明責任や実態解明は十分だと思うか。不十分だとすれば、今後どのように実態解明を進めていくべきか。
「一人一人の政治家が自ら説明責任を果たしていく。これが原則だ。私も実態が正直よく分からない。検察当局が調べる中で、今回不起訴という処分になっている。そうした中で、検察のような権力、権限を持たない自民党が調査をするというのも一定の限界がある。新たな事実が出てきた場合には当然、党としての調査を考えるということだと考えている」
―政治の信頼回復について。政治資金問題で処分を受けた議員が要職から外されている現状を見直すべきだとの認識を示していたが、改めて見解を。
「要職を外れた方をまた元に戻せということを、私は一切申し上げていない。真意を申し上げると、不正には厳正に対処しなければならない、これは大原則。一旦なされた処分は、だからこそ変えるべきではない。厳格に運用すべきだ。その上で、党で正式に処分をされていない議員にも役職を外されている方たちがいるので、国民の一定の理解を得られた時点で、適材適所の人事を行うということが大切ではないか、という趣旨で申し上げた」
―政策活動費や旧文通費のさらなる透明化、第三者機関の設置などを掲げた。こうした内容は、改正政治資金規正法や与野党党首の合意の中でも盛り込まれているが、改革のあり方として不十分だと思っているのか。
「まず全体として、それぞれの議員が地元と話をしている中で、改革はまだ道半ばで、国民の十分な理解が得られているとは言い難い。今回の政治資金規正法改正、あるいはそれに先立って変えた党則、ガバナンスコード。自分たちで決めたことをまずは着実に順守する。法改正の際にいくつか検討事項が付いた。総裁になればただちに検討に着手し、可能な限り早期に結論を得ていく」
―知名度の部分で感じている課題は。
「全く知名度がないというところからのスタート。単なる顔見せとか、そういう思いで臨んでいるわけではなく、仲間とともに勝ち抜く覚悟だ。全国各地を飛び回り、自分の思いを訴える。SNSやYouTubeのライブも挑戦してみようと思う」
◆マイナカード、住民票の旧姓併記「国民への周知を徹底する」
―選択的夫婦別姓について、党内での議論をこれからどのように進めていこうと考えるか。
「実際に不便を感じられている方々、また具体的な不利益を被られている方々というのはいると、そのことは認識している。その中で、どういうアプローチをしていくかということだが、すでに旧姓の併記がマイナンバーカードや住民票、こうしたところで認められているし、多くの国家資格で認められるような制度改正がすでに我が国においてもなされている。そうした制度改正が国民にまだまだ理解されていない、周知されていない。もっと周知を徹底する形で、より現実的に、スピーディーな形で、このニーズに応えていくべきだ」
―旧統一教会との関係で、2021年に関連団体のイベントで挨拶をしていて、それ自体は小林さんも認めているが、(旧統一教会問題を追及してきた)ジャーナリストの鈴木エイト氏は、小林氏が「統一教会の教えは公明党よりも上だ」というふうに発言したという指摘もしている。それは教義を分かっているということだと思うし、関係の深さを示していると思うが、今も関係は深いのではないか。
「今日も鈴木エイトさんが(記者会見場の)後ろにいらっしゃるが、2年前の私の大臣会見の時にも申し上げたが、そもそも今ご指摘いただいたような発言をした記憶は一切ない。経緯というのは、地元の方から誘われ、自転車レースみたいな感じだったが、地域のスポーツ行事という認識で参加をした。今振り返れば、主催者の確認をもっと本当に徹底してやっておけば良かった、ある意味軽率だったと反省している。 ただ、申し上げたいのは、過去に今おっしゃったような団体の方たちとの間で選挙支援の依頼をしたことも、金銭のやり取り含めて一切関わりはない。現在も当然、こうした団体の方たちとの関わり合いはないし、今後も持つつもりはない。そうならないように、しっかりと気をつけていきたいと思っている」

―裏金問題への姿勢がちょっと弱いのではないか。(小林氏は)元二階派だが、(党は)二階さん自身も処分しなかった。このことについてどう思うか。また、(安倍派の元会長の)森喜朗元首相への聴取が国会の場で必要だと思うか。
「森元総理のことは全体の関係で存じ上げないのでコメントを控える。二階代議士の話だが、 次期衆議院選挙に出馬をしない、その決断をもって、それはそれで一つの政治家としての責任の取り方なのではないかというふうに受け止めている」
―金融政策について。利上げの是非や時期について。為替の適正水準や政府と日銀の共同声明のあり方について、どのようなお考えか。
「原則にあるのは、経済は生き物だ。その時々に財政政策と金融政策を柔軟に組み合わせて対応するということが正しいやり方だ。まず政府と日銀のアコード(共同声明)については、私は十分にあり得るというふうに思う」
「金融政策は日銀の専管事項だが、先日、日銀の副総裁自身が、利上げで円安調整が起こって結果としてマーケットが大幅に動いたということについて、一定の責任というか、そういうものを認めた。それを率直に受け止めているし、経済は生き物なので、利上げの判断については、やはり日銀とマーケットの間で丁寧な対話、安定的な対話というものをしっかり心掛けていただきたいなというのが私の思いだ。為替水準については、基本的に為替相場というのは経済のファンダメンタルズを反映するもので、一般論としては急激な変動は好ましくないというふうに思う」
―地元のことについて伺いたい。小林氏の有力な支援者の中に複数の統一教会の関係者、地区の幹部がいることを確認している。その認識があるかどうか。地元の有力な支援者に統一教会関係者が複数いる状態で、統一教会に対して厳しい対応を取れるのか。
「厳しい対応を取る岸田総理の方針を私も堅持するので、そこはそういうことで受け止めていただきたい。私自身の後援会、それぞれの人が私人で、一人一人のプライバシーにおそらく関わる話。一人一人の思想信条に、あなたは何を信じていますかとか、一人一人聞くことは、やっぱりそこは限界があることは認識いただきたい」
◆改憲は「優先順位をつけて他党とすり合わせる」
―憲法改正について。(記者会見で配布された)紙でも、もはや先送りできない課題であり、最大限の熱量で取り組むと書かれているが、早期の国会発議に向けてはどのように具体的に取り組んでいくのか、衆院憲法審査会の幹事を務めていて、その難しさは十分にご承知かと思うが、改めて改憲への道筋、どのようにお考えなのか。
「ひとことで言えば、自民党としてのスタンス、戦略を決めるということだと思っている。つまり、(改憲の)発議に向けては当然、他党とのすり合わせも必要になってくる。 しかし、その前提として、自民党がどういう方針で憲法改正の発議に臨むのか。すなわち優先順位を含めて、しっかりと順位付けして、そこをしっかりと決めていかないと、他党との意味のある交渉というのはなかなかできないと思う」
「私が総裁になった暁には、6年前に(自民党の改憲)4項目というものが出ていて、ここには優先順位はないというふうにされているが、先ほど申し上げたこと(緊急事態条項の創設と自衛隊の明記)を優先事項として思っている。それは党の中でしっかりと検討して、優先順位、戦略をつけて、他党とすり合わせをするということだと思っている」
「加えてやはり、世論調査をやると、どうしてもその憲法改正に対する国民の皆さまの関心が低い。これは私たち政治家の責任だと思っているので、国民の皆さまの意識を少しでも喚起できるような、そういう動きを自民党としてさらに加速する必要があると思う」
◆森友問題で財務省職員自死「人間として感じるところはある」
-森友学園問題で、赤木さん(自死した近畿理財局職員の赤木俊夫さん)の奥さまが求めていた再調査について、小林さんは毎日新聞のアンケートに、必要ないと答えている。あなたも財務省理財局にいた。同じ仲間として、ことを放っておいて平気でいられるのか。再調査の問題について、どうお考えになっているか。
「亡くなった赤木さま、そしてご遺族の皆さまには心からお悔やみを申し上げます。その上で、この法治国家において、司法のプロセスでしっかりと判断をしていく問題だというふうに受け止めている。ただ私も政治家ですから、私も財務省で理財局という部署に所属をしていた時期もあったので、人間としていろいろ感じるところは当然ある。そういう気持ちをしっかりと持ちながらも、この社会において、司法のプロセスに則って、一定の解決策を出していくのが一つのあり方だと思っている」

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統一教会の元信者が違法な勧誘で献金させられたとして、元信者の長女が教団側に約6500万円の損害賠償を求めた訴訟の上告審判決 → 最高裁が審理を高裁に差し戻し → 教団側勝訴の1・2審判決破棄

2024-07-12 02:25:20 | 安倍晋三関連事件(森友・加計・桜・統一教会)
旧統一教会への献金巡る損害賠償訴訟、最高裁が審理を高裁に差し戻し…教団側勝訴の1・2審判決破棄 読売新聞2024年 7/11 15時27分

世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の元信者が違法な勧誘で献金させられたとして、元信者の長女が教団側に約6500万円の損害賠償を求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第1小法廷(堺徹裁判長)は11日、教団と信者に対する原告側の請求を退け、教団側勝訴とした1、2審判決を破棄し、審理を東京高裁に差し戻した。


旧統一教会 “教団に返金求めない”念書は無効 最高裁が初判断  NHK 2024年7月11日 19時30分

旧統一教会の元信者や家族が教団に支払った献金を返すよう求めた裁判で、最高裁判所は11日、高齢の元信者が書いた「教団に返金を求めない」という念書は無効だとする判断を示しました。その上で、献金を勧誘した行為の違法性や教団の責任について、東京高等裁判所で審理をやり直すよう命じました。

献金勧誘の違法性や教団の責任など 高裁で審理やり直し命じる
原告の女性は、長野県に住んでいた元信者の母親が違法な勧誘で高額な献金などをさせられたとして、母親とともに教団と信者に賠償を求める裁判を起こしました。

裁判を起こす2年前の2015年、母親が86歳の時に「教団に返金を求めない」などとする念書を書き、動画にも収められていたことから、1審と2審は訴えを退けました。

母親は裁判中に亡くなり、娘が上告していました。

11日の判決で最高裁判所第1小法廷の堺徹裁判長は、「母親は半年後には認知症と診断され、合理的な判断をすることが困難な状態だった。信者らは念書の締結を終始主導し、判断が難しい母親の状態を利用して一方的に大きな不利益を与えた。念書は無効だ」と指摘しました。

また、母親の献金が1億円を超えているなどの状況について、「異例と評価でき、母親の生活に無視しがたい影響を及ぼすものだ」と述べました。

一方、献金の勧誘が違法かどうかについては、「寄付者の属性や家庭環境、教団との関わり方などについて、多角的な観点から検討することが求められる」などとして、東京高等裁判所で審理をやり直すよう命じました。

旧統一教会の献金をめぐる裁判で最高裁が判決を出したのは初めてで、同様の裁判に影響する可能性があります。

献金の勧誘 違法かどうか判断する基準 初めて示される
判決では、宗教団体や信者が行う献金の勧誘について、違法かどうかを判断する基準が初めて示されました。

最高裁は、
▽献金をするかどうかの判断に支障が生じるような事情があったか、
▽献金により、寄付した人や配偶者の生活の維持に支障が生じるか、などについて考慮し、その上で、社会で一般的に認められる範囲を逸脱している場合は違法だという判断を示しました。

また、
▼勧誘に使われたことばや方法、
▼寄付した人の属性、家庭環境、入信のいきさつ、宗教団体との関わり方、
▼献金のいきさつや目的、金額、
▼本人や配偶者の資産、生活の状況などについて、多角的な観点から検討することが求められるとしました。

原告 “やっと まっとうな判決 ほかの被害者の救済に役立つ”
判決のあと、原告の女性と弁護団は都内で会見を開きました。

原告の女性は、「最高裁が念書が無効だとはっきりと認めてくれた。やっと、まっとうな判決が出てよかった。きょうの判決がほかの被害者の救済の役に立つと思うと、すごくうれしい」と話していました。

木村壮弁護士は、「旧統一教会のような大きな宗教団体と強い心理的な影響を受けた信者との間に作られた契約の有効性を判断する上で大きな指針になる」と話していました。

“念書のために諦めている人は相談を” 弁護団
全国統一教会被害対策弁護団によりますと、7月5日までに寄せられた735件の被害相談のうち、念書や合意書を教団側から書かされたという相談は12件あったということです。

具体的には、献金が高額で、親族が教団への信仰に反対しているケースのほか、教団側から一部の返金を受け、これ以上の返金を求められないようにするために念書などを交わすケースもあるということです。

弁護団長を務める村越進 弁護士は、11日の会見で、「念書を作らされたために被害を訴えることを諦めている人もたくさんいると思う。そうした人たちは弁護団に相談してほしい」と話していました。

旧統一教会 “主張の正しさ 差し戻し審理でも主張する”
最高裁判所の判決について、旧統一教会=世界平和統一家庭連合は、「これまでの地裁、高裁が事実と証拠に基づき出されてきた判決が、差し戻しという結果になったことは残念でなりません。今後も主張の正しさを差し戻しの審理でも主張していく」とコメントしています。

専門家 “法律上の合理性より 実質的状況を判断した妥当な判決”
最高裁判所の判決について、宗教社会学が専門で旧統一教会をめぐる問題に詳しい北海道大学の櫻井義秀教授は、「法律上の形式的な合理性よりも、被害者が勧誘を受け、献金させられた実質的な状況を総合的に判断していて、妥当な判決だ」と評価しました。

この判決の影響について、「念書の作成は教団内で決まったやり方として採用されている方法だ。今回の原告の状況に類似したケースはいくつもあり、念書がハードルになって裁判を起こせなかった人などが名乗り出ることができるようになる」と述べました。

違法な献金かどうかを判断する基準が示されたことについては、「献金して生活が大変になる人もいる。宗教団体への献金は自由な意思によるべきだ。今回の基準は社会常識の範囲内で宗教的な行為として相当かを考慮したもので、極めて重要だ」と述べていました。


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統一教会:献金総額 “3分の1に減った”:“信者個人が韓国で献金 総額ひと月1億円超”

2024-07-09 09:25:33 | 安倍晋三関連事件(森友・加計・桜・統一教会)
勅使河原秀行



安倍元首相銃撃から2年 旧統一教会などの“宗教2世”たちは… NHK 2024年7月8日 19時38分

安倍元総理大臣が奈良市で演説中に銃撃された事件から、きょう8日で2年です。現場近くに設けられた献花台には朝から多くの人が訪れ、花を手向けています。
一方、この事件をきっかけに、親の信仰が理由で、苦難に直面してきたとされる「宗教2世」の存在が広く知られるようになりました。しかし当事者たちは、「今も不安は解消されていない」と語っています。
記事後半では、旧統一教会=世界平和統一家庭連合の幹部、勅使河原秀行氏への単独インタビューの内容を詳しくお伝えします。

事件の現場 奈良市の献花台では
おととしの7月8日、奈良市の大和西大寺駅前で参議院選挙の応援演説をしていた安倍元総理大臣が銃撃されて死亡した事件では、無職の山上徹也被告(43)が殺人や銃刀法違反などの罪で起訴されています。

事件から2年となる8日、現場近くには自民党の奈良県連が用意した献花台が設けられ、朝から多くの人が訪れ、花を手向けています。

事件が起きた午前11時半ごろには、訪れた人たちが現場で黙とうをささげました。

献花台は去年もこの日に設けられましたが、訪れた1人が拳銃に似た棒を振り上げる騒ぎがあったため、ことしは周囲に鉄製の柵が設置され、自民党の県連による手荷物検査も行われています。

捜査関係者によりますと、山上被告は捜査段階の調べに対し、母親が多額の献金をしていた「世界平和統一家庭連合」、旧統一教会に恨みを募らせた末、事件を起こしたなどと供述していたということです。

この事件は裁判員裁判で審理されるとみられ、証拠や争点などを絞り込む「公判前整理手続き」が行われていて、関係者によりますと、被告が所持していた手製の銃が法律が定める「拳銃等」にあたるかどうかなどが争点になる見通しだということです。

裁判の日程は決まっておらず、弁護団は争点の絞り込みなどに時間がかかっているとして、初公判は来年以降になるという見方を示しています。

献花に訪れた人たちは
東京から献花に訪れたという30代の男性は、「長く総理大臣を務めていた方が亡くなるショッキングな事件で、この2年はあっという間に感じました。『安らかにお眠りください』と声をかけました」と話していました。

献花に訪れた奈良市の40代の女性は、「どんな理由があっても人の命を奪ってはいけないと思います。山上被告がどういう思いで事件を起こしたのか、今後開かれる裁判の中でしっかり聞きたい」と話していました。

また、奈良市の50代の女性は、「事件が起きた時、大和西大寺駅の改札付近にいました。事件のことを思い出してしまうので現場にはしばらく近づきませんでしたが、ニュースで献花台が設置されていると知り、思い切って来ました」と話していました。

山上被告の近況と発言
山上被告は去年、殺人と手製の銃を所持するなどした銃刀法違反、それに国の許可を受けずに武器を製造した武器等製造法違反などの罪で起訴され、現在、大阪拘置所に勾留されています。

被告の弁護団によりますと、ふだんは読書などをして過ごし、一般の人などから寄せられた手紙にはすべて目を通しているということですが、接見は弁護士と一部の親族以外は拒否しているということです。

奈良地方裁判所ではこれまで、証拠や争点などを絞り込む「公判前整理手続き」が4回行われ、被告も1回目を除いてすべて参加しました。

みずから発言することはないものの、裁判所と検察、弁護士の間のやりとりを真剣な様子で聞いているということです。

関係者によりますとこのうち、7月3日に行われた4回目の手続きでは、被告が所持していた手製の銃が法律が定める「拳銃等」にあたるかどうかなどについて議論が交わされ、被告は手続きの後、弁護士に「興味深いと感じた」などと話していたということです。

また、事件の報道や、旧統一教会をめぐる解散命令請求などの一連の動きについても新聞などで把握しているといいます。

6月20日に弁護士が接見した際には、「事件によって現在のような状況になるとは思っていなかった」と話したほか、親が信者であるいわゆる「宗教2世」について「事件が2世の人たちにとってよかったか悪かったか分からない」とも話していたということです。

「宗教2世」の当事者たち “今も不安は解消されていない”
安倍元総理大臣が銃撃された事件をきっかけに、親の信仰が理由で、苦難に直面してきたとされる「宗教2世」の存在が広く知られるようになりました。

しかし当事者たちは、「今も不安は解消されていない」と語っています。

過去の借金が膨らんで…
NHKの取材に応じた40代の男性は、両親が旧統一教会の熱心な現役信者で、男性が子どものころから、教団への高額の献金を続けました。

献金を工面するため多額の借金を重ね、税金の支払いを滞納することもあり、家庭は困窮していたといいます。

教団は2009年にコンプライアンスを強化したとし、以降は過度な献金はほとんど行われていないと説明しています。

しかし男性は、「両親は自分が知るだけでも、2012年や2013年までごろまで、先祖の怨念を取り払うためといった名目で、激しい献金をしていました。2009年のコンプライアンス宣言を機に緩やかになった面はあったかもしれないが、改善されたということは全くないと思います」と話しています。

男性は去年の秋まで、自分の妻子とともに両親と同居していましたが、借金の返済に苦しめられる中、両親がさらに献金を続ける考えを示したことから、やむをえず実家を離れ、今は妻子と暮らしています。

男性は、「過去のむちゃくちゃな献金のしわ寄せがきて行き詰まってしまう家が、今後どんどんでてくると思います。なぜこうなったのか、教団幹部は謝罪ももちろんですが、真摯に振り返ってほしいです」と話しています。

“変化”には個人差も
6月末、東京都内の飲食店で、「宗教2世バー」という会合が開かれました。

自らの生い立ちや境遇、社会との分断がこれからますます広がってしまうのではないかという不安。

2世たちが、ふだん打ち明けられない悩みを共有できる居場所づくりを目的に、数か月に一度、昼間の飲食店を貸し切って開かれていて、この日は、旧統一教会や、エホバの証人の信者の親を持つ2世たちが10人ほど参加していました。

参加した2世たちは、「自分たちの問題が社会に認識されたことで、誰にも理解されないと以前は感じていた心の苦しみを周りが心配してくれたり、相談したりできるようになった」とか、「信仰していた当時患った精神疾患が今も残り、仕事探しに苦労している」などと、それぞれの近況を報告し合っていました。

この日の「2世バー」を主催したエホバの証人の2世のまっきーさんは、『安倍元総理大臣が銃撃された事件のあと、どんな変化があったか』についてSNSでアンケートを実施し、現役信者も含めて120人近い2世から回答が集まりました。

アンケートでは、「友人に対して、自分が宗教2世であることを話せるようになった」とか、「自分の生きづらさの原因が、親からの宗教の強制であったことに気づくことができた」などと“変化”を前向きにとらえて報告する人が比較的多かった一方、「悪い噂を流されたり、メディアで事実に基づかない報道をされたりした」とか、「信仰を続ける親との関係が、以前よりも悪化した」などと回答した人もいて、この2年間の“変化”の状況や受け止めには、個人差があることを感じさせる結果でした。

まっきーさんは、「宗教2世という存在が、社会の共通認識として広がり、理解されるようになったことはとても大きな事ですが、宗教を離れてから途方に暮れる2世たちも多くいます。支援のあり方について、国や自治体が模索を続けてほしいです」と話していました。

注目
旧統一教会幹部インタビュー “改革”の現状 被害への認識は
旧統一教会=世界平和統一家庭連合の幹部がNHKの単独インタビューに応じ、過度な献金の勧誘を防ぐ対策など教団が進める「改革」の状況や、裁判所での審理が続く解散命令請求への対応などについて語りました。

また、信者が個人で韓国に渡り、献金を行っている総額がひと月あたり1億円を超えていることを初めて明らかにした一方、教団として財産を移転させるつもりはないと強調しました。

献金総額 “3分の1に減った”
安倍元総理大臣が銃撃された事件から2年を迎えるのを前に、旧統一教会=世界平和統一家庭連合の幹部、勅使河原秀行氏が、7月1日、NHKの単独インタビューに応じました。勅使河原氏は教団の「教会改革推進本部」の本部長を務めています。

教団は献金をする信者の家庭事情や経済状況への配慮が不足し、指導が行き渡っていなかったとして、過度な献金の勧誘が行われないようにするための対策を進めていると説明してきました。

対策の現状について勅使河原氏は、「10万円以上の献金に対して『確認書』を作り、受領する際に家族の生活に支障がないか、借金をしていないかなどを必ず確認するようにしていて、100%には至らないが、94%の献金で実施された。受領書の作成もかなり徹底されている」などと述べました。

献金による収入総額については、「教団側の判断によって、献金の受領をお断りすることもある」などと述べ、安倍元総理大臣が銃撃された事件の前の3分の1程度に減っていると説明し、「この状況がずっと続けば、教団施設の数はかなり減らさないと維持できないと思っている」などと話しました。

“謝罪という言葉からは距離を置かなくてはならない”
解散命令請求が行われたあとの去年11月、教団の田中富広会長が会見で、「つらい思いをしてきた2世や国民の皆様に心からおわび申し上げる」と述べた一方、「謝罪という言葉とは距離を置かないといけない」などと話したことをめぐり、NHKは、教団としての「謝罪」への考えについて改めて問いました。

勅使河原氏は、「田中会長がおっしゃったおわびの意味は、基本的には道義的な責任で、献金を受け取るときの配慮不足や、つらい思いを吐露している人たちに対して申し訳ないという気持ちを表明したのだと思う」とした上で、「では謝罪となると、私たちはどこまでも宗教であって、人をだましてお金を集めようとしたり、私腹を肥やすために献金を募ったような人間は1人も知らない。法的責任から見たときに、謝罪という言葉からは距離を置かなくてはならないということではないか」などと述べ、「謝罪」についての教団の考えに変化がないことを伺わせました。

また、銃撃事件以降の元信者などからの返金要請への対応を継続していて、これまでに790件あまり、あわせておよそ55億円を支払ったことを明らかにしました。

“信者個人が韓国で献金 総額ひと月1億円超”
解散命令が確定するまでの間、教団が被害者救済にあてるべき財産を海外や別の団体に移転させるおそれがあると指摘され、国会では、国などが裁判所に解散命令を請求した宗教法人の資産状況を把握するための特例法が成立しています。

勅使河原氏は、「特例法によって3か月に1度、財務諸表の提出を求められている立場であり、疑われるリスクのあることはする理由がない」と述べ、財産の移転などはこれまでも行っていないし、今後も行うつもりはないと強調しました。

その一方で、信者が個人で韓国に渡り、教団施設などに直接、献金を持参する行為が続いていて、金額の合計がひと月1億円を超えていることを初めて明らかにしました。

韓国では先祖の行いで生じた「中心霊」と呼ばれる悪霊を取り除くためという名目で献金を集める動きが最近、活発化していることが、NHKの取材でわかっています。

同じような献金集めが日本で行われていないのかという質問に対しては、「韓国では今、お祈りを非常に重視する流れがあり、中心霊は副次的な要素だと思うが、日本では、病気や困りごとと霊的なことを結びつけると、法律に抵触するおそれがあるので、そういう言い方をしてはいけないと文書を出して戒めている」などと述べました。


解散命令請求について
教団への解散命令が裁判所に請求されていることについて、勅使河原氏は「私たちはどこまでも信教の自由の問題だと考えている。私たちは日本でなんら刑事罰を受けていないし、法の下の平等という、日本の法治国家としての尊厳は裁判所がしっかり守ってくれると信じたい」と述べる一方、仮に解散命令が確定した場合の教団や信者への影響については、「宗教法人として解散しても、任意団体として残り、税金を払えばいいだけだという声もあるが、信者たちが集まってきた施設はすべて渡さなくてはならなくなる。今でさえ、信者の家の子どもが学校で名指しをされたり、車や花など物を売ってもらえなかったりという問題が起きているのに、解散命令が確定すれば、我々が反社会的勢力だという誤ったレッテルを貼られ、信教の自由を貫くことは難しくなるのではないか」などと話し、教団として裁判所で反論を続けていく考えを示しました。

弁護士グループ “多くの被害者 まだ救済得られていない”
旧統一教会の元信者らなどの支援をしてきた「全国霊感商法対策弁護士連絡会」は、安倍元総理大臣が銃撃された事件から2年となった8日、都内で会見を開き声明を発表しました。

この2年間、高額献金などによる被害の防止や救済を図るための法律が国会で成立し、去年10月には教団への解散命令が請求されましたが、声明では、「多くの被害者はまだ何らの救済も得られておらず、なお苦しみから解放されていない」として、
▼教団に対しては、被害者に真摯に向き合い、謝罪と賠償をすること、
▼国に対しては解散命令請求の審理の場での迅速な立証や、被害回復に必要な財産を保全するための立法措置、教団を離れた人たちへの心理的サポートの充実などを求めました。

また、「教団による被害が長期間放置されてきた背景には、教団と政治との癒着があったことが明らかなのに、徹底した調査・分析がなされていない」として、第三者機関などによる調査の実施も求めました。

全国霊感商法対策弁護士連絡会の木村壮弁護士は、「事件から時間が経過し、法律もできたことによって、問題が克服されたように錯覚してしまうが、過去の被害が本当に救済できるのか、改めて考えてほしい」と話していました。

識者 “被害者救済 法律の見直しを”
安倍元総理大臣が銃撃された事件をきっかけに、国会では、旧統一教会の被害者救済に向けた議論が始まり、
▼おととし12月に悪質な寄付の勧誘行為を禁止することなどを定めた法律が、
▼去年12月には、国などが解散命令を請求した宗教法人の資産状況を把握できるようにすることや、被害者が収入などに関わらず、民事裁判の支援を受けられるようにすることなどを定めた法律が成立しました。

ただ、元信者らの支援を行っている弁護団からは、「法律の内容が不十分だ」とする意見が出ているほか、NHKの取材に答えた2世たちからも、「窓口に相談しても問題の解決につながらない」などといった声が聞かれました。

国会の法整備の議論の過程で与党側の参考人としても招致された中央大学の宮下修一教授は、「民事裁判の支援などを行う法テラスが、現状では被害者からの相談に十分に対応できていない印象があり、体制などの検証が必要だと思う。不当な寄付の勧誘に対応する消費者庁の部局の人数も十分に確保されているとはいえないのではないか」などと述べ、運用面の課題を指摘しました。

また、
▼不当な寄付の勧誘を受けた人の家族が取り返すことができる金銭の範囲や手段が限られていること、
▼資産状況を把握する法律が3年の時限立法となっていて、教団の財産の包括的な保全に踏み込んでいないことなどに触れて、
「法律ができなければ改善することもできないので、立法自体には意味があったと考えているが、現在の法制度は被害者をただちに救済できる形にはなっていない。被害者が今も実際に苦しんでいるという現実があり、できるだけスピーディーに、かつ慎重に意見を聞きながら、より良いものに見直していく必要がある」と話しています。

警察庁 要人警護計画の75%で修正を指導
事件のあと警察庁は、従来の要人警護のあり方を大きく見直し、地元の警察の警護計画について事前にすべて報告を受ける運用を開始しましたが、各地の警察がこの2年間に作成した要人警護計画の75%について、警察庁が修正を指導していたことがわかりました。

おととしの7月8日、奈良市で選挙応援演説中だった安倍元総理大臣が銃撃されて死亡した事件では、警察庁が当日の警備について検証結果をまとめ、元総理大臣の後方の警戒が不十分だったために容疑者の接近を許したことや、奈良県警が作成した警護計画が過去のものを安易に踏襲し、後方の危険性を見落としていた上、十分な数の警察官を配置せず、指揮官の役割も明記されていないなど、不備があったと結論づけました。

警察庁は、従来の要人警護のあり方を大きく見直し、各地の警察が作成した警護計画案について、事前にすべて報告を受け、審査する運用を開始しました。

警察庁によりますと、おととし8月から6月までに各地の警察からおよそ6300件の警護計画案の報告を受け、このうち75%にあたるおよそ4800件について、計画の修正を指導したということです。

修正の内容は、
▼警察官の配置や人数、
▼警護対象の要人が危険を回避する際の動線の確保、
▼聴衆の避難誘導方法などについてだったということです。

去年4月には和歌山市に選挙応援に訪れた岸田総理大臣の近くに爆発物が投げ込まれる事件も発生し、警察は要人警護に専従であたる人員を全国で増やすなど、体制の拡充を進めています。

また演説会の主催者などに協力を要請し、手荷物検査や、金属探知機を使った検査を行うこと、聴衆と警護対象者との距離を確保することなど対策を強化しています。

警察庁の露木康浩長官は、「2年前の事件はまさに痛恨の極みだったが、1年足らずの間に岸田総理大臣に対する襲撃事件の発生も許してしまった。警護中の要人に対する襲撃を許すことはもはやあってはならない。1つ1つの事例を教訓に不断の見直しを行い、警護の高度化を図りたい」と話しています。

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山上徹也の初公判、2025年以降濃厚

2024-07-08 07:17:25 | 安倍晋三関連事件(森友・加計・桜・統一教会)
安倍元首相銃撃事件から2年 “被告の初公判来年以降か”弁護団  NHK 2024年7月8日 5時00分

安倍元総理大臣が奈良市で演説中に銃撃された事件から、7月8日で2年となり、現場付近には献花台が設けられ、多くの花が手向けられています。殺人などの罪で起訴された山上徹也被告の裁判は、証拠や争点などを絞り込む手続きが進められていますが、日程は決まっておらず、弁護団は、初公判は来年以降になるという見方を示しています。

おととしの7月8日、奈良市の大和西大寺駅前で、参議院選挙の応援演説をしていた安倍元総理大臣が銃撃されて死亡した事件では、無職の山上徹也被告(43)が殺人や銃刀法違反などの罪で起訴されています。

事件の現場は現在、花壇や人工芝の広場になっていて、付近には7月7日から自民党の奈良県連が用意した献花台が設置され、多くの花が手向けられています。

捜査関係者によりますと、山上被告は捜査段階の調べに対し、母親が多額の献金をしていた「世界平和統一家庭連合」旧統一教会に恨みを募らせた末、事件を起こしたなどと供述していたということです。

この事件は裁判員裁判で審理されるとみられ、奈良地方裁判所で証拠や争点などを絞り込む「公判前整理手続き」がこれまでに4回行われました。

関係者によりますと、証拠の整理はほぼ終わり、現在は争点の絞り込みなどが行われていて、裁判所と検察、弁護士の三者が、被告が所持していた手製の銃が法律が定める「拳銃等」にあたるかどうかなどについてやり取りを続けているということです。

裁判の日程は決まっておらず、弁護団は初公判は来年以降になるという見方を示しています。

現場の献花台訪れた人は
事件の現場となった奈良市の大和西大寺駅前には、7日から自民党の奈良県連が用意した献花台が設けられています。

7日は多くの人が訪れ、花を手向けたあと、安倍元総理大臣の遺影に手を合わせていました。

東京から来たという男子大学生は「悲しい事件だったので、花を供えたいと思って来ました。人を殺すのは何があったとしてもよくない行為だと思います」と話していました。

奈良市の60代の男性は「裁判が始まっていないので、何も分からないままです。多くの人が事件の経緯などを早く知りたいと思っているのではないか」と話していました。

献花台は去年も7月8日に設けられましたが、訪れた1人が拳銃に似た棒を振り上げる騒ぎがあったため、ことしは周囲に鉄製の柵が設置され、手荷物検査も行われています。

献花は8日の午後5時まで受け付けているということです。

山上被告の近況と発言
山上被告は去年、殺人と、手製の銃を所持するなどした銃刀法違反、それに国の許可を受けずに武器を製造した武器等製造法違反などの罪で起訴され、現在、大阪拘置所に勾留されています。

被告の弁護団によりますと、ふだんは読書などをして過ごし、一般の人などから寄せられた手紙にはすべて目を通しているということですが、接見は弁護士と一部の親族以外は拒否しているということです。

奈良地方裁判所ではこれまで、証拠や争点などを絞り込む「公判前整理手続き」が4回行われ、被告も1回目を除いてすべて参加しました。

みずから発言することはないものの、裁判所と検察、弁護士の間のやり取りを真剣な様子で聞いているということです。

関係者によりますと、このうち7月3日に行われた4回目の手続きでは、被告が所持していた手製の銃が法律が定める「拳銃等」にあたるかどうかなどについて議論が交わされ、被告は手続きのあと、弁護士に「興味深いと感じた」などと話していたということです。

また、事件の報道や、旧統一教会をめぐる解散命令請求などの一連の動きについても、新聞などで把握しているといいます。

6月20日に弁護士が接見した際には「事件によって現在のような状況になるとは思っていなかった」と話したほか、親が信者であるいわゆる「宗教2世」について「事件が2世の人たちにとってよかったか悪かったか分からない」とも話していたということです。

警察庁 各地の警察作成の要人警護計画の75%に修正指導
事件のあと警察庁は、従来の要人警護のあり方を大きく見直し、地元の警察の警護計画について事前にすべて報告を受ける運用を開始しましたが、各地の警察がこの2年間に作成した要人警護計画の75%について、警察庁が修正を指導していたことが分かりました。

事件では、警察庁が当日の警備について検証結果をまとめ、▽元総理大臣の後方の警戒が不十分だったために容疑者の接近を許したことや、▽奈良県警が作成した警護計画が過去のものを安易に踏襲し、後方の危険性を見落としていたうえ、▽十分な数の警察官を配置せず、▽指揮官の役割も明記されていないなど、不備があったと結論づけました。

警察庁は、従来の要人警護のあり方を大きく見直し、各地の警察が作成した警護計画案について、事前にすべて報告を受け、審査する運用を開始しました。

警察庁によりますと、おととし8月からことし6月までに各地の警察からおよそ6300件の警護計画案の報告を受け、このうち75%にあたるおよそ4800件について、計画の修正を指導したということです。

修正の内容は、▽警察官の配置や人数、▽警護対象の要人が危険を回避する際の動線の確保、▽聴衆の避難誘導方法などについてだったということです。

去年4月には和歌山市に選挙応援に訪れた岸田総理大臣の近くに爆発物が投げ込まれる事件も発生し、警察は要人警護に専従であたる人員を全国で増やすなど、体制の拡充を進めています。

また演説会の主催者などに協力を要請し、手荷物検査や、金属探知機を使った検査を行うこと、聴衆と警護対象者との距離を確保することなど、対策を強化しています。

警察庁の露木康浩長官は「2年前の事件はまさに痛恨の極みだったが、1年足らずの間に岸田総理大臣に対する襲撃事件の発生も許してしまった。警護中の要人に対する襲撃を許すことは、もはやあってはならない。一つ一つの事例を教訓に不断の見直しを行い、警護の高度化を図りたい」と話しています。

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