(写真はYahooスポーツニュースより)
という題をつけてはみたものの、あまり見てないんだ。
見たのはスピードスケート男女500M、女子フィギュア、男子アルペンスラロームぐらい。あっ、スノーボードクロスは男女とも見た。
2年前のアテネ五輪は「くまなく」見たような気がするが、冬季五輪種目はいまだ馴染みのない種目が結構あって意外と興味が沸かないな。
本当はアイスホッケーに日本が出ていると面白いんだけどなぁ。かつてはNHLもCSでよく見たが、もう見なくなったし。でも、アイスホッケーに日本が出たなんて開催国のときしかないんだろ。いまだ札幌五輪で西ドイツに勝った「歴史的勝利」が語り継がれるようではダメだって。
さて荒川静香の優勝で何とか格好だけはついた感じの日本選手団だが、相対的に振り返ってみると、
「惨敗」
に等しい結果だっただろう。
ま、メダルこそならなかったがアルペンスラロームの2人入賞は賞賛もの。猪谷さんの50年前の銀ははっきりいって「別格」だからな。しかもそのときの優勝者は映画・「白銀は招くよ」でも有名なあのトニー・ザイラー(コルチナダンペッツィオ大会アルペン3冠全冠制覇)。もしザイラーがいなかったら・・・
なぜ「惨敗」となったのか?
一つは情報収集力のまずさ。
スノーボードハーフパイプなんて一番そうだろ。戦前では、
「表彰台独占もありうる」
なんていう人間もいたほど。ところが・・・
戦いが終わるや、
「力の違いを見せつけられた」
となってしまった。
モーグルの上村にしても、3Dエアを見事に決めたのにエアの得点は全体でも3番手でしかなかった。
確かにインターネットもなく、CS・BS放送がない時代にはそういった情報収集力のまずさがあったとしても土壇場の「根性」とやらで切り抜けられたかもしれない。
ところがハーフパイプで上位独占を果たしたアメリカ勢が出場していた「Xゲーム」って確かスポーツアイ・ESPNで放送していたはず。ということは日本でも「見れる」わけなんだが・・・
にもかかわらず、アメリカ勢が出場しないW杯で活躍したからといってそれを鵜呑みにしてしまうというのは問題。ちなみにそうしたことを五輪前より指摘していたのは日刊ゲンダイだけだった。
モーグルにしたって、エアの得点比率って25%ぐらいしかないとか。エアで「満点」だったとしても100点満点中25点だけ。それなら他にもっと重点を置きなさい、って受験勉強のときに言われなかったか?
対して、女子のフィギュアは第一に情報収集・活用に重点をおいた。
フィギュアの場合、採点競技の上に頻繁にルールも変わる。荒川だって2004年に世界選手権を優勝したものの、翌年の同大会は9位と惨敗。ルールが変わり、その対応ができていなかったのである。
すると、どちらかといえばジャンプなど「技術系」ばかりに重点が置かれていた以前のルールとは違って、現在のルールはより表現力を重視するものへと変わっていた。
荒川といえばイナバウアーだが、果たして、「イナバウアーって何だ?」と思った人は少なくなかったはず。フィギュアって「ジャンプ」しか頭になかったもんな??
しかもイナバウアーって「技」ではないから直接点にはならない、つまり「ムダ技」という他ないわけなんだが、荒川で一番思い出されるのは何と言ってもこのイナバウアーではないか。
アルベールビル銀の伊藤みどりは手の使い方が最後までぎこちなく、もしその点がうまくいっていたならば金メダルは十分あったといわれている。
あの伊藤みどりでさえ優勝できなかったことで、局部的な大技が決まってもそれでは「勝てない」ということになってフィギュアの関係者は強豪国の選手のジュニア育成は一体どうしているのかまで徹底的に調査。
加えて、小学生レベルにおいてもどんどん海外遠征に出させるなどした。海外で試合ができることがエリートなんだということも植えつけた。ひいては今回の荒川のみならず、安藤美姫や浅田真央といった10台選手が続々と台頭。ジュニアレベルでは今や日本は世界最高レベルであり、次のバンクーバーでもその快進撃は続くのではないかと言われている。
しかしながら他の競技はフィギュアのように大局的な考えかつ育成という面において大きく立ち遅れている。
ほとんどの競技において、
「昔からこれで通用したから」
という考えがはびこっている。
また、凡そ出場しても入賞すら期待できないという競技はオミットしてもいいんじゃないか?
遅塚研一団長は、
「今回は最低の成績だった」
と反省しているみたいだが、こういった反省さえ過去はあいまいで済まされてきた。
次回のバンクーバー大会まであと4年。あと4年しかないと考えるのか、はたまた「まだ」4年あると考えるのか・・・