ゆうちゃんの独り言

モーツァルトが大好きで毎日欠かさず聴いています。人生の生き方は仏教で毎日般若心経を唱え、時間を見つけて寺巡です。 合掌

■ 他の命と自分が生かされているという事!!

2010-02-21 13:21:23 | Weblog
 先日の新聞に奈良市における話題で、捨て犬の処分に関するする具体的な方法が書かれて
いました。記事を読んでいて人間の勝手な行動に腹立たしさを感じ胸が詰まりました。何故
にいとも簡単に、命あるものを捨ててしまうのでしょうか。命の尊さを考えない行為は人間
として卑劣な行為です。捨てるのであれば欲望に惑わされることなく、始めから飼わない勇
気を持って欲しいと思います。

 以前にTVでも今回の記事の内容と同じ趣旨の番組が放送されていました。犬は処分され
る日が近づいてくると、目でその気持ちを訴えているのがはっきりと分かりました。今でも
あの犬の哀しそうな目を忘れることが出来ません。

 また一方で日本の調査捕鯨に抗議行動を起こしている国際団体があります。動物の命を守
ることに対する抗議であることは理解しますが、我々人間は生きるために常にいろいろな命
を奪いながら生き続けている事実があります。

 鯨は駄目で、牛や豚や鳥や魚の命は問題ないのかとの問題にぶち当たります。根底には全
て命に関する考え方が横たわっています。自然界の中ではあるものが他の生命を奪いながら
生きる続けるという連鎖が行われており、これまで全ての生き物がこの仕組みの中で生き延
びて来ているのです。

 これらの自然界の中で人間が最も残酷な方法で生き延びていると思います。必要以上にグ
ルメだ美食だといって多くの命を奪いながら生きています。命あるものを奪わずに生き続け
ることは確かに不可能ですから、ある点で割り切らなければなりません。

 しかし、ここの部分が明確になっていないのが現状ではないかと思います。人間がこの現
実の世界を支配しているという間違った考えが、自然界と人間界との関係を壊しているのだ
と思います。

 また、人の命を奪わなくとも人間と人間の関係でもこれに近いことが行われています。現
実の社会では、何事も他に勝たなければ生きて行けないという考えがあります。特に企業活
動はその典型であるし、政治の世界でもまた特定の業界等でも生じている現象です。

 勝つことが正義であるという考えですが、最近変わってきているのは地球の有限性が明ら
かになり、特に環境問題がクローズアップされるようになって来てからは、キーワードとし
て調和という考えが少し出てきたように感じられます。

 他に勝つという考えと全体の調和をとるという行為には雲泥の差があります。この調和と
いう考えの中には、他の命との係わりが特に重要となります。自分が自分で生きるというこ
とでなく、他の命とともに生きるということです。

 さらに突き詰めると、自分は自分で生きているのではなく、生かされているという視点に
立つことが出来ると、その人もまた周りの世界も急激に良い方向に変化するものです。

 しかし、多くの人は自分は自分で支えて生きていると錯覚しています。自分が周りによっ
て生かされていることに、残念ながら気づいていないのです。さらに他の命を奪い自らの命
を延ばしている事実をもっと理解し、貴重な命を頂いて生きていることを自覚すると、人間
としての生き方が大きく変わると思います。

 この点に気づくと、他の命を粗末に出来なくなるのが当然の成り行きです。そうすれば奈
良市や日本全国で生じているような生き物の飼育放棄が無くなると思います。命の尊さを認
識し、他の命を大切にすることと自分は周りに生かされているということを自覚し、より住
みやすい社会にしたいものです。

 これらは、全て仏教の教えです。さらに加えて、何事にも感謝の気持ちを忘れずに過ごし
たいものです。   合掌

■ 第47回リコーフィルハーモニーオーケストラ演奏会を聴いて♪♪

2010-02-21 10:48:54 | Weblog
 昨日の土曜日に、ミューザ川崎シンフォニーホールで開催されたリコーフィルハーモニー
オーケストラ演奏会を聴いてきました。このオーケストラを聴くのは今回が3回目です。知
人がこのオーケストラに所属していることが縁で、聴きに行くようになりました。

 このように企業がオーケストラを支援していることは非常に素晴らしいことだと思います。
景気が低迷しているなかで世界中のプロのオーケストラも国や企業からの支援の打ち切りや
減額が続いている状況の中で、特にこのような企業メセナの重要性を感じます。

 さて、今回の演奏会での指揮は、このオーケストラの常任指揮者である井崎正浩であり、
演奏曲目はドヴォルザーク:交響曲第8番ト長調作品88とスメタナ:連作交響詩「わが祖
国」より「高い城」「モルダウ」「ボヘミアの森と草原より」「ブラニーク」でした。

 ドヴォルザークの交響曲というと一般に交響曲第9番「新世界」が有名ですが、個人的に
はこの交響曲第8番は哀愁や渋さが色濃くでている楽想なのでブラームス的な感覚を覚え、
聴き終わった後に安堵が感じられる曲であり好きな作品です。ともにチェコを代表する作曲
家の作品で、楽想が似ているので聴く側にとっては良い企画だと思います。

 過去に2回このオーケストラを聴いて感じた指揮者の井崎正浩ですが、才能がある指揮者
だと思います。もっと活躍してもよいと思っていますが、意外と日本で知られていないよう
な気がします。

 指揮の仕方は、シャルル・デュトアに似ています。背が高い点が共通しているとともに、
右足のかかとを支点につま先を45度程度上にあげて指揮する仕草は正にデュトアと同じで
す。また両手で楽員に指示する方法も近いものがあります。

 さて、当日聴いた感想ですが、ドヴォルザーク:交響曲第8番は全体がまとまっていて良
かったと思いますが、どちらかというとホルンやトランペットの金管楽器における演奏技術
が少し足りない感じを受けました。

 特に弱音部分で音がかすれてしっかりとした音になっていないために、せっかくの音楽に
緊張感が無くなってしまいました。反対に弦楽器はまとまっていたと思います。特にチェロ
の響きが美しく聴こえ、低音部分がしっかりと支えた演奏になっていたので安定感がありま
した。

 ただし、第一ヴァイオリンはパート全体のバランスが少し崩れていた点が気になりました
が、アマチュアオーケストラであることを考えると仕方のないことだと思います。アマチュ
アオーケストラで特に弦楽器のパートで感じることは、弓がしっかりと弦に張り付いていな
い感じを受けます。自信を持って、もっと弓のボーイングを確実に行うことで音は格段に変
化すると思います。

 後半のスメタナ:連作交響詩「わが祖国」より「高い城」「モルダウ」「ボヘミアの森と
草原より」「ブラニーク」ですが、中にはポピュラーな曲も含まれていますが、非常に難し
い曲だと思います。

 聴いた感想ですが、「高い城」「モルダウ」よりもそれ以降の「ボヘミアの森と草原より」
「ブラニーク」の方が弦楽器の乱れを除けば質の高い演奏になっていました。特に3曲目か
ら、管楽器のメンバーのポジションを変えたことが影響していると思いますが、オーボエや
ホルンの出来は大幅に変わりました。

 中でもオーボエは最高の出来であり、称賛される内容だと思います。前回の演奏会でもこ
の方の吹くオーボエの出来栄えに感動しました。まさに歌うオーボエで、その演奏技術の高
さと感性が素晴らしいと思います。ひょっとしたらプロの方かも知れませんが、哀愁の帯び
たしなやかに伸びる音色に惚れぼれしました。正にブラボーの状況でした。

 気になったのは、弦楽器の乱れでした。弱音でリズムを刻む部分で完全にハーモニーが崩
れていました。この辺が、プロとアマチュアオーケストラの違いだと思います。流石にプロ
は乱れたとしてもある一定のレベル以下まで落ちませんが、アマチュアではそれを維持でき
ない状態に陥ります。

 決して演奏内容を否定しているものではなく、今後ともアマチュアの良さを出して欲しい
と思っていますし、全体的には楽しめた演奏会でした。次回は今年の夏に横浜みなとみらい
ホールでブラームスの交響曲第4番を演奏するようです。個人的にブラームスの交響曲の中
でもっとも好きな曲なので是非とも聴きに行きたいと思っています。

 最後に、指揮者の井崎正浩ですが、もっと活躍できるチャンスをプロのオーケストラが与
えるようにならないものかと思いながら帰路に着きました。残念で仕方がありません。