先日、上野の東京文化会館で行われた2008年ウィーン国立歌劇場の日本公演を観て来
ました。演目は、大好きなモーツァルトの歌劇「コシ・ファン・トゥッテ」です。指揮は、
イタリアの巨匠リッカルド・ムーティ、演出はロベルト・デ・シモーネでした。
最近のオペラは、演出が超近代的な内容になっているものが多く、何でこのような演出に
するのか理解に苦しむものがあります。今回の「コシ・ファン・トゥッテ」は、今年の2月
に今回の日本公演とほぼ同じキャストでウィーンで上演された内容のもので、ピリオド・ア
プローチによるものでした。
時代とともにオペラの表現内容を変化させることは、一方では正しい方法だとは思います
が、考え方が古い私にとっては、出来るだけオペラが作られた時代背景を忠実に再現し、当
時の心をその中から汲み取ることが重要だと考えています。
その点、今回の演出はナポリを舞台にした、とても忠実な内容であり大変に満足しました。
オペラのストーリですが、2組の恋人同士のそれぞれの愛の絆がどれだけ深いかを試す恋愛
ゲームの内容です。現代の言葉で言えば、恋人同士をスワッピングするお話です。とても突
飛な内容ですが、その当時スワッピングが流行っていたといいますから、人間っていうのは
昔も今も変わらないものだとつくづく思います。
この「コシ・ファン・トゥッテ」の台本を書いたダポンテが言いたいことは、人間のあり
のままの姿や本質を描いて人間とは何かを語り、その中から恋愛、嫉妬、裏切り、憎しみ、
許し等の感情をむき出しにしながら、人間としての大切なものは何かを説いた内容です。こ
のようなストーリにモーツァルトが旋律を付けたものなので、なおさら素晴らしい出来にな
っているのは言うまでもありません。
リッカルド・ムーティの指揮による生演奏は初めて聴きましたが、さすがに巨匠だけあっ
て心から満足しました。序曲が始まった時の出だしのオーケストラの音色は、優しくまたま
ろやかで、正にウィーンフィル(ウィーン国立歌劇場管弦楽団)の音色でした。
生意気にも世界の一流のオーケストラをいろいろな場面で聴いてきましたが、最後はウィ
ーンフィルが最高だと実感しないわけにはいきません。また、これだけの音楽の内容を引き
出し、そして最高のレベルに高める指揮者がいるからこそ、このような素晴らしい内容にな
るのだと思います。
座った席も、リッカルド・ムーティの指揮が手に取るように良く分かる位置であったので、
舞台を観るのは当然ですが、ムーティがどのような指揮をするのか、またどのように歌手や
オーケストラの楽員に指示しているのかが分かり、それだけでも満足でした。
休憩を入れて3時間30分と長い公演でしたが、久しぶりに満足感を味わったオペラでし
た。2004年に小澤征爾がウィーン国立歌劇場の日本公演で指揮したモーツァルトの「ド
ン・ジョバンニ」と「フィガロの結婚」も素晴らしい内容でしたが、今回はさらにモーツァ
ルトの真髄に触れたような感じを受けました。
今回の演奏を聴いてダポンテの3部作を全てウィーン国立歌劇場の演奏で観られたことは
本当に幸せなことです。今後可能であればモーツァルトの「魔笛」をウィーン国立歌劇場の
演奏で観てみたいものです。
今回のキャストですが、フィオルディリージ:バルバラ・フリットリ、ドラベッラ:アン
ゲリカ・キルヒシュラーガー、グリエルモ:イルデブランド・ダルカンジェロ、フェッラン
ド:ミヒャエル・シャーデ、デスピーナ:ラウラ・タトゥレスク、ドン・アルフォンソ:ナ
ターレ・デ・カローリスでした。
チケットは非常に高かったですが、ウィーン国立歌劇場の引越し公演なので致し方のない
ことだと思います。最後は金銭的な泣きが出てしまいましたが、今後可能であればウィーン
で安く観たいものです。
ました。演目は、大好きなモーツァルトの歌劇「コシ・ファン・トゥッテ」です。指揮は、
イタリアの巨匠リッカルド・ムーティ、演出はロベルト・デ・シモーネでした。
最近のオペラは、演出が超近代的な内容になっているものが多く、何でこのような演出に
するのか理解に苦しむものがあります。今回の「コシ・ファン・トゥッテ」は、今年の2月
に今回の日本公演とほぼ同じキャストでウィーンで上演された内容のもので、ピリオド・ア
プローチによるものでした。
時代とともにオペラの表現内容を変化させることは、一方では正しい方法だとは思います
が、考え方が古い私にとっては、出来るだけオペラが作られた時代背景を忠実に再現し、当
時の心をその中から汲み取ることが重要だと考えています。
その点、今回の演出はナポリを舞台にした、とても忠実な内容であり大変に満足しました。
オペラのストーリですが、2組の恋人同士のそれぞれの愛の絆がどれだけ深いかを試す恋愛
ゲームの内容です。現代の言葉で言えば、恋人同士をスワッピングするお話です。とても突
飛な内容ですが、その当時スワッピングが流行っていたといいますから、人間っていうのは
昔も今も変わらないものだとつくづく思います。
この「コシ・ファン・トゥッテ」の台本を書いたダポンテが言いたいことは、人間のあり
のままの姿や本質を描いて人間とは何かを語り、その中から恋愛、嫉妬、裏切り、憎しみ、
許し等の感情をむき出しにしながら、人間としての大切なものは何かを説いた内容です。こ
のようなストーリにモーツァルトが旋律を付けたものなので、なおさら素晴らしい出来にな
っているのは言うまでもありません。
リッカルド・ムーティの指揮による生演奏は初めて聴きましたが、さすがに巨匠だけあっ
て心から満足しました。序曲が始まった時の出だしのオーケストラの音色は、優しくまたま
ろやかで、正にウィーンフィル(ウィーン国立歌劇場管弦楽団)の音色でした。
生意気にも世界の一流のオーケストラをいろいろな場面で聴いてきましたが、最後はウィ
ーンフィルが最高だと実感しないわけにはいきません。また、これだけの音楽の内容を引き
出し、そして最高のレベルに高める指揮者がいるからこそ、このような素晴らしい内容にな
るのだと思います。
座った席も、リッカルド・ムーティの指揮が手に取るように良く分かる位置であったので、
舞台を観るのは当然ですが、ムーティがどのような指揮をするのか、またどのように歌手や
オーケストラの楽員に指示しているのかが分かり、それだけでも満足でした。
休憩を入れて3時間30分と長い公演でしたが、久しぶりに満足感を味わったオペラでし
た。2004年に小澤征爾がウィーン国立歌劇場の日本公演で指揮したモーツァルトの「ド
ン・ジョバンニ」と「フィガロの結婚」も素晴らしい内容でしたが、今回はさらにモーツァ
ルトの真髄に触れたような感じを受けました。
今回の演奏を聴いてダポンテの3部作を全てウィーン国立歌劇場の演奏で観られたことは
本当に幸せなことです。今後可能であればモーツァルトの「魔笛」をウィーン国立歌劇場の
演奏で観てみたいものです。
今回のキャストですが、フィオルディリージ:バルバラ・フリットリ、ドラベッラ:アン
ゲリカ・キルヒシュラーガー、グリエルモ:イルデブランド・ダルカンジェロ、フェッラン
ド:ミヒャエル・シャーデ、デスピーナ:ラウラ・タトゥレスク、ドン・アルフォンソ:ナ
ターレ・デ・カローリスでした。
チケットは非常に高かったですが、ウィーン国立歌劇場の引越し公演なので致し方のない
ことだと思います。最後は金銭的な泣きが出てしまいましたが、今後可能であればウィーン
で安く観たいものです。
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