ひとりよがり。

日々のことや思い出などを書きます。
個人的な覚え書き、日記のようなブログです。

「キツネ山の夏休み」のこと。

2021-09-01 17:51:00 | 好きな本
「キツネ山の夏休み」
                            富安陽子
                            1994年

この本を
古本屋さんで見つけると
うれしくて
うれしくて
つい買ってしまい
今、うちには5冊あります。
そして
この物語が大好きで
この本を読むたびに泣きます。

この物語の中に出てくる
おばあちゃんが私の理想の
「おばあちゃん」

姿勢がよく
凛としていて
静かにあたたかく冷静。
人でも
妖怪でも
化け物でも
受け入れられる。
家の中をきれいに磨いて
丁寧に料理を作る。
そして
もしかしたら
キツネかもしれないおばあちゃん。

弥が過ごした稲荷山での夏休み。
ひとつひとつの出来事は
弥が大人になっても
忘れない思い出になる。


「榎稲荷の本殿の空に消えたトンボの羽のかがやきが、ふと弥の心の中によみがえりました。あの深々とした青い空、ざわめくこずえ、セミの声。弥は飛びさっていった夏をおいかけるように稲荷山の夜空を見あげ、もう一度大きく大きく林のにおいを胸いっぱいにすいこんだのでした。
弥のキツネ山の夏休みはおわりました。」


この本は
富安陽子さんの3冊目の本だと思います。
挿絵も富安陽子さんが描かれていて
とてもすてきな空気を感じる挿絵です。
こんなにも挿絵って効果があるんだなぁと思います。

私の大切な一冊です。