遊ちゃんと2人だけの夜

・・自分記録の独り綴り・・

おいとま番外編 2

2019-10-06 22:51:22 | ごく日常のこと
新しいメガネを受け取りに行った。


大きな鏡を目の前に置かれ、

顔立ちがきれいな、だけど体重は70キロくらいありそうな、
30歳半ばの女性店員が、ゆったりと落ち着いた声で言う。



メガネをかけてみてください。


かけてギョッとして、1秒で外した。


やだぁ。
ちゃんと見えなくてもいいわ。


女性店員は立ったまま上品に微笑んで、


わたしもそうですよぉ、と返してきた。


見上げて顔を見た。
若くて白くてキレイな肌をしている。
制服の前ボタンがはちきれそうに段になっているが、
自分の顔が鮮明に見えたって、何の問題もないじゃないの。


続いて、細かな文字の説明書を差し出して聞く。

じゃあ、この文字はどうですか?


凄くよく見えます。
文字はいいんだけどね、よく見えた方が。
見えない方がいいものもある。


いいえ、お肌もきれいです。お客様、おきれいですよ。


嘘つき、と思いながら、また店員の顔を見ると、目がい合い、
落ち着いた柔らかい笑顔をこちらに向けている。。


この店員、接客上手いな。と思った。
だから、この子が商品受け渡しの担当なんだわ。
店の印象を決める最後の仕事。


でも、そういうメガネができるといいんですけどねえ。


そう、はっきり見えなくていいものを見る時は、
自動的に度数を落とす気の利いたメガネがねえ。


はい、ほんとに。



この店員の声のトーンや表情・物腰は、
こんなメガネ屋にはもったいないわ。





その店が交通量の多い交差点の前にあるから、
戻る道の反対方向に出て左折して、別の道に回った。

すると、会員カードを持ってるスタンドが目に前にあった。
ああそうだ! ガソリン入れておかなきゃ。

いつも通らない道を走って、また気が付いた。

そうだ、ここから港に行こう。
ゆーちゃんを散歩させて帰ればいいんだ。

ずっと助手席で外を眺めるのに飽きていたゆ―ちゃんは、
大喜びで港の広場を歩いたり走ったりしてご機嫌。

ああ、良かった。



気持ちよくメガネを受け取ったら、
道がスムーズにつながっていき、用事が要領よく済んでしまう不思議。


あの子、良いホテルのコンシュルジャが務まるはずなのに。
こんな田舎じゃ仕事も限られてるからなあ。ホントもったいない。

まぁ・・あと10キロ体重を落とせばねえ。








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