昨日の臨時議会で、岐阜市議会の平成22年度の議長、副議長ほか新たな役員がそれぞれ選任されました。
当初朝の10時開会予定が、各会派の調整が遅れ、夕方の5時時過ぎに開会し、閉会は夜の8時半という長い一日となりました。岐阜市議会は、最大会派であった自民党が政策の違いから昨年2会派に分かれており、その調整が長引いたことも一つの要因です。かといって一つの会派でまとまっていればすんなり進んだかといえば、2つに分かれてしまった原因がある限り、それも疑問の残るところです。
市民の皆さんにとっては何をやっているのだろうとか、一つになって力を合わせて市民のために頑張るために議員がいるのではないか、というご批判も十分承知しています。
小職も所属する自民党議員は24人います。44人の議員中24人ですから力を合わせれば一つの方向性ははっきりと示せるわけです。しかし一つの選挙区でそれぞれの議員がそれぞれの背景が違う選挙で負託を受けている以上、考えを集約するには難しく、議論するには24人は多い人数ではないかと思います。最終的な議会での議論を尊重し、他会派の意見も柔軟に調整していくという議会制民主主義を考えるならば、議論できる単位の会派の集合のほうが、必ずしも単に数の力で政策を進めることよりも、多様な意見を集約することになるのではないでしょうか。また、議会は提案される議案の審議が主な役目であることを考えれば、是々非々と言いながらも首長の御用議会になってしまうことは避けなければなりません。地方分権が進む中、首長の権限は大きくなると思われ、それこそ議会の存在は重要であり、議会の活性化は喫緊の課題であるともいえます。
行政を運営していく中で政策は一つではありません。それぞれの政策にそれぞれの意見があり、それを議論し、調整していくのが議会の役割でもあるのです。民主主義は数の決定手法ともいわれますが、その過程が大切なのであって、そこに至るまでの議論をおろそかにしてはいけませんし、多様な民意が存在するなかで、一つの政策によって議員を色ずけすることには、異議を唱えたいと思っていますし、政治的危惧を感じます。
さらに、ご理解いただきたいのは、地方議会は中央の制度政治の議院内閣制ではなく、二元代表制で議会が成り立っているということです。簡単にえば、総理は全議員の上に成り立つ指導者になりますが、首長は議会と並列する行政の代表者であるということです。市民生活に直結する地方政治は停滞が許されません。そのため日々の運営が欠かせない行政の運営者としての首長への負託と、それを監視する役割の議会への付託を選挙で行っています。このように本来の制度政治を考えるのであれば、先ほど申し上げました首長の御用議会になり下がる、もしくは首長があたかも自分だけが代表であるような行動をとれば、それは正常な民主主義であるとは言えなくなってしまします。かといって何から何まで首長行政に反発する議会であってもいけませんし、特定の利権的な行動は慎むことが必要です。
今、名古屋市長の議会はあたかも反対勢力のような発言や、大阪の橋下知事の自分に賛同する議員だけの党を作るといった行動は、本来の地方政治にはそぐわないものだと思います。もし、数多くある政策の中で、たとえ一つでも民意にそぐわないといった政策が出てきたときに、だれがそれを止めるのでしょうか。完璧な人間はいません。一方的な権力の集中は非常に危険であるといわざるをえません。また、議会も従来のチェック機能のみに甘んじるのではなく、意見の集約は難しいといえども、提案権の活用や議論の活性化、議会改革を図ることが必要であると考えます。
岐阜市議会の現状を語るつもりが、話が長くなってしまいました。政治制度などについて言いたいことは尽きませんが、またの機会にしたいと思います。ご意見をください。
以上