平成22年度も昨年に引き続き、岐阜市議会常任委員会厚生委員会の所属となりました。厚生委員会は、福祉部、市民生活部、健康部、環境事業部、自然共生部と市民生活に密着した行政を取り扱う部署の議会委員会です。人口減少、少子高齢化、地球温暖化の環境問題など、幅広い観点から、もろもろの諸課題の対応に当たることが求められています。その行政の多くは、国からのナショナルミニマムの政策指示に従って行われるため、地方の裁量は必ずしも大きくありませんが、岐阜市は中核市として、かなりの政策執行権限を持っているといってよいでしょう。それだけに岐阜市の特徴ある政策を実行していくべきではないかと思っています。
右肩上がりの経済成長のもとでは、これらの社会保障費、民生費の増大は歳入増加に吸収され、財政問題にはならなかったでしょうが、いまや大きな課題となっていることはご承知のとおりです。そして従来の保守系議員(自民党)には最も弱い分野ではないかと思います。資本主義経済、自由主義経済の下では、自立した個人が社会の原点であるとされますから、どちらかといえば敗者に冷たい政治となりがちです。百人が百人、全員勝者となりえない社会で、勝者比率を高めるための政策は可能か、敗者のためのセーフティネットはどうすべきか、また全体効率を考えるどのような手を打つべきか、政治思想も含めカ難しい課題に直面しています。無論これらは経済的な視点で語っています。
個人的な見解ですが、いま時代は自由主義経済と社会主義経済の融合した中間点を模索しているような気がしてなりません。私たちが行政のサービスの維持を望むのであれば増税はやむを得ないし、増税をしないのであればサービスをカットせざるを得ない、という状況に来ています。もちろん極端に言っているだけで、その方法論についてもいろいろ議論はなされなければなりません。政局の混乱も、原点はそこにあると思っていますが、私たちも従来の発想の転換をしない限り、落とし所は難しいのではないでしょうか。
今の民主党のばらまき政策に、理念は賛同できても方法論に問題があります。消費税の増税はやむを得ず、増税分は全額社会保障費に引き当て、無駄の排除による経費削減分は成長戦略のための投資的経費に引き当てる、単純で明快な戦略が必要ではないかと、個人的には考えています。とにかく私たちがこの危機を脱出するための一定の方向性を明らかにし、そのうえで方法論(施策)を議論することが重要です。
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