昨年、10月に全国の市長・議長会の大会で盛岡に行き、復興・まちづくりに関する平田オリザ市の講演を聞きました。 東北の復興の観点からだけではなく、沈滞が続く地方都市の再生という観点から、興味深い意義ある講演だったかと思います。
結局のところ、地方の人材という課題に尽きるのかも知れませんが、文化の発信、地方ならではの教育というソフトの部分とそれに伴うハードということになります。地道な行動とそれに伴う時間が必要ですし、何よりその覚悟が必要になってきます。外から呼び込むことだけではなく、地域に住む人たちの一つの価値観を共有し活それを誇りに思うことではないと、地域の再生や復活は難しいかもしれません。
自分自身のまとめとして講演内容を要約いたしましたので、いか読んでいただければと思います。
平田オリザ氏 講演内容抜粋
・1970年代末のアメリカのように地方の風景が画一化してしまった。利便性と引き換えに地方本来の機能性を失い、コミュニティの寸断化や一部スラム化が進んだ。
・若者犯罪が地方へ拡散していることは、若者の居場所がないことが一つの理由である。例を上げれば、カラオケの閉鎖性に見られるように、犯罪、いじめ、引きこもりの温床となっているのではないか。重層性(世代間交流のみならず地域での居場所など)のある社会が求められ、文化やスポーツの多彩かつ広域的に新しい広場が必要になっている。
・「誰もが誰をも知っている」から「誰かが誰かを知っている」ゆるやかなネットワーク社会が好ましい。孤立した人間を文化活動により社会へもう一度包摂していくことは行政の役割。文化によるコミュニティの回復。
・「文化によって再生する」とし、先進的な自治体としてフランスのナント市を上げることができる。
・農業だけではなくソフトの知産地消を進める。文化による地域復興(再生)を目指す。
・付加価値とは何か、産業の高度化のためであって、文化的要素を取り込むことが必要。
・そのための、人材が足りない、地域のための教育をしてこなかった。すべて地方は東京に向かう人材供給のための教育であった。(小熊英二の言う工業化時代の教育、ポスト工業化時代の教育が必要か)ex.「いわき総合高校」少人数学級で、総合的な特殊な学級が特徴。(市岐商の可能性)
・人材教育として、創造型復興教育、20~30前半の若者が地域を支える教育。また、芸術、スポーツなどを含めた広範な文化活動による創造型復興教育。
・観光という面では、過去の成功体験にとらわれている。一過性のものであってはならない。地元の人が自慢でき、訪れ楽しめる市民参加型及び体験型施設。ex.「金沢21世紀美術館」、国際性と地域性のある芸術イベントとしてトリエンナーレ、ビエンナーレなど。
・そうした施設やソフトは、創造型教育に最適であり、コミュニケーション能力を高めることができる。人材の文化資本は20歳までに発達するが、今までは東京資本集中による文化的搾取が行われている。子どもや若者に文化を触れさせることによって文化の自己決定能力を高める。行政の重要な役割の一つ。
以上が講演内容ですが、何分にも要約筆記で主観的にとらえているところがありますので、平田氏が意図する所との食い違いがあるかもしれないことのご了承を願います。
以上
結局のところ、地方の人材という課題に尽きるのかも知れませんが、文化の発信、地方ならではの教育というソフトの部分とそれに伴うハードということになります。地道な行動とそれに伴う時間が必要ですし、何よりその覚悟が必要になってきます。外から呼び込むことだけではなく、地域に住む人たちの一つの価値観を共有し活それを誇りに思うことではないと、地域の再生や復活は難しいかもしれません。
自分自身のまとめとして講演内容を要約いたしましたので、いか読んでいただければと思います。
平田オリザ氏 講演内容抜粋
・1970年代末のアメリカのように地方の風景が画一化してしまった。利便性と引き換えに地方本来の機能性を失い、コミュニティの寸断化や一部スラム化が進んだ。
・若者犯罪が地方へ拡散していることは、若者の居場所がないことが一つの理由である。例を上げれば、カラオケの閉鎖性に見られるように、犯罪、いじめ、引きこもりの温床となっているのではないか。重層性(世代間交流のみならず地域での居場所など)のある社会が求められ、文化やスポーツの多彩かつ広域的に新しい広場が必要になっている。
・「誰もが誰をも知っている」から「誰かが誰かを知っている」ゆるやかなネットワーク社会が好ましい。孤立した人間を文化活動により社会へもう一度包摂していくことは行政の役割。文化によるコミュニティの回復。
・「文化によって再生する」とし、先進的な自治体としてフランスのナント市を上げることができる。
・農業だけではなくソフトの知産地消を進める。文化による地域復興(再生)を目指す。
・付加価値とは何か、産業の高度化のためであって、文化的要素を取り込むことが必要。
・そのための、人材が足りない、地域のための教育をしてこなかった。すべて地方は東京に向かう人材供給のための教育であった。(小熊英二の言う工業化時代の教育、ポスト工業化時代の教育が必要か)ex.「いわき総合高校」少人数学級で、総合的な特殊な学級が特徴。(市岐商の可能性)
・人材教育として、創造型復興教育、20~30前半の若者が地域を支える教育。また、芸術、スポーツなどを含めた広範な文化活動による創造型復興教育。
・観光という面では、過去の成功体験にとらわれている。一過性のものであってはならない。地元の人が自慢でき、訪れ楽しめる市民参加型及び体験型施設。ex.「金沢21世紀美術館」、国際性と地域性のある芸術イベントとしてトリエンナーレ、ビエンナーレなど。
・そうした施設やソフトは、創造型教育に最適であり、コミュニケーション能力を高めることができる。人材の文化資本は20歳までに発達するが、今までは東京資本集中による文化的搾取が行われている。子どもや若者に文化を触れさせることによって文化の自己決定能力を高める。行政の重要な役割の一つ。
以上が講演内容ですが、何分にも要約筆記で主観的にとらえているところがありますので、平田氏が意図する所との食い違いがあるかもしれないことのご了承を願います。
以上