6月1日(土)から6月4日(火)まで町田市の古民家「可喜庵」で
仁平幸春(染)西川晴恵(織)中野みどり(織)の3人展が行われます。
工芸評論家でかたち21代表の笹山央さんの企画による展覧会です。
たくさんの現代工芸家の作品に触れ、評論文を書いてきました。
そしてたどりついたことを端的な言葉で表すと「ものの美」です。
この言葉の内容の詳細は『かたち』No.11、12をご覧いただきたいと思います。
ものの美はただ表面的なキレイ、あるいは豪華、ではありません。
もっとわかりやすく言えばものの力、ものの存在感ということでしょう。
紬織りであれば糸の中に何を見るのか、扱いにくい糸をただ手を加えて扱いやすくしてしまうこと(糸の太細をただ均してしまったり、カラフルな色を染めて華やかにしたり、やみくもに複雑な組織織りにしたり)ではなく、作り手と素材、技法のやり取りの深さから生み出されてくる一枚の布の自然でありながら、見る人を引きつけるような力をもっているもののことでしょうか。
染布にしてもこれみよがしなデザイン、ツルツル、ピカピカしたブランド素材を売りにすることでもなく、どんな素材にも自由であり、真摯に向き合う作り手の深さが模様というものと絡み合い複合的な判断によって生かされてくる線であり、面であり、色であり、間だと思うのです。
帯と着物を中心に額装品、小物も加えての内容ある展示になります。
着物は関係ないと思われる方もたくさんいます(ある意味その気持ちもわかります…)が、
人が高度に生まれてきているのは布を織る能力を備えさせてもらっているからです。
衣の文化は人にだけあるのです。
その布を粗末にする暮らし方はそろそろ変えなければならないでしょう。
私たちは趣味でもの作りをしているわけでも綺麗事を並べ立ててるわけではありません。
いのちをかけて糸や布と向き合って仕事をしています。
是非ご高覧いただきたいと思います。
また2日(日)は笹山さんの「アート鑑賞いろは塾6回目」、
3日(月)は私の「ミニ紬きもの塾」も同じ会場内で行います。
展示中で場所が狭くなりますすので6~7名の定員となりま。
お早めにご予約ください。詳細はこちら。
着ることや、布のこと、丁寧に暮らすことを真面目に一緒に考えてくださる方に是非ご参加いただきたいと思います。紬のいろはと究極をお話したいと考えています。
3人の作品についてはまた後日ご紹介します。
今、3人とも必死で制作中です。