
着物の取合せについて話をさせてもらいました。
取合せの前にまずは何を着るか、どんなものを良いと思い身にまといたいと思うのか、まずは自分の中に軸になるものを決めることが大切だということを話しました。
そこから取合せが始まります。

今回は私がさんざん着て、先日洗い張りをした藍の微塵格子の紬に20年ぐらい前に買い求めたジャワ更紗の帯(両面使い)を見てもらい、もし自分がこの取合せで着るならどんな色の帯締めをしますか?と問いかけ順番に置いてもらいました。
同じ色を選ぶ人はいませんでした。まさしく十人十色ですね。
私の方からは合わせるコツを話させてもらいました。
もう一つ、色や柄や素材も大事ですが自分の顔もコーディネートのうちですので着物、帯、小物を身に付け鏡の前で確認することが大切ですね。

冬の取合せとしてこれも20年以上前に京都の鹿の子絞りの羽尺から帯に仕立てたものですが、
今度はみんなでどの色にするのが一番よいか話し合いながら当てて決めました。
深い赤味の焦げ茶色の帯締めに、モッコクで染めたグレーの帯揚で落ち着きました。
ああでもないこうでもないと賑やかでした。
その中である方が帯揚げに黄味の茶色(画面下の中程のブルーの左隣)を選んで当ててみました。
う~んちょっと違うかな~というみなさんの反応にご本人は「却下します、、」と諦められたのですが、私は面白いなあと思いました。
確かにちょっと不協和音なのですが、グレーではまとまってキレイという感じですが、無難という感じでもあります。
ちょっと外すのも悪くないと思いますが。。。
いろいろトライすると思いがけない響きが聞こえてきます。
自分の好きな色も大切ですが、カラに閉じこもらないで色を愉しみたいです。
自然界にはたくさんの命ある色があります。
コンクリートの建物に合わせるのではなく自然と調和する色を纏いたいです。

神楽坂での展示会のための帯揚げもほぼ染め終えました。秋冬の色・・・

新春から初夏の色・・・全て違う色で染めまくりました~フーッ!
神楽坂での22日~24日までの「取合せを愉しむ展」も取合せがテーマです。
着物、帯、帯揚、手組の帯締め、紬のショール、取り合わせて展示します。
ご自分のお着物や帯とも遠慮なく合わせてみてください。
新しい自分を発見できるようなものに出会えるといいのですが。
他にも魂のこもった美しい作品がたくさん出品されます。
静かに対話出来る作品ばかりです。
木彫仏、木のロースツール、、読書灯、辞書立て、木の皿、木の大きなスプーン、漆のお盆、盃、
ガラスの雛人形、グラス・・・・・・・自然素材の上質の手仕事。
私もとても楽しみです。
是非ご覧ください。