
今日工房の桜は満開を迎えました。無風の状態で満開を保っています。

仕事を終え、スポットを当て夜桜花見をスタッフと楽しみました。
東南に位置する画面では左上の星は火星でしょうか?

先日の紬塾では刺し子織りの単衣紬にアンティークの染帯をしました。
この着物は体力、気力に満ちていた30代半ばに織った「梅染刺し子織り絣縞着物」です。
地色は梅、刺し子の絣は丹殻(マングローブ)で染めたものです。
刺し子は二重千切りの機で織ります。地と刺し子と別々にテンションを合わせながら普通に織るだけでも大変ですが、更に緯絣を経縞を覆うように重ねています。絣がよく合っていてただの縞に見えるかもしれませんが、、。

手間暇を惜しまずに無我夢中で仕事していました。
宗廣先生の仕事でも何反か織らせてもらいましたが、自分でも立て続けに織っていた頃のものです。
生地感は刺し子の分だけ地厚になり、単衣でもしっかりしています。皺になりにくく旅先にも良いものです。
帯はアンティークで、ざんぐりとした筆致の手描き友禅です。
手早い職人仕事を彷彿とさせます。描きすぎない省略が奥行き、広がりを感じさせます。
もともとは引き抜き帯だったとのことですが、普通の名古屋帯に仕立て替えられたものです。
長さが若干短めでしたので、、、、めったにしない仮紐を使うやり方で締めてみました。(~_~;)
竹籠に蕨、桜、菫などが盛られています。前柄はたんぽぽ、土筆、すみれなどが描かれています。繍(ぬい)も程よく施されています。
春になると亡き母が良寛和尚の和歌を声に出して詠んでいたことを思い出します。
・鉢の子に菫たんぽぽこきまぜて三世の仏にたてまつりてな
自分が子供の頃に野山で花で遊んだ光景を重ねているようでもありました。
季節の花を仏様に供えたり、自然物を見て愛でるのも楽しいことですが、身にまといたいという気持ちを誰しもがもっていると思います。
梅で染めた着物に春の種々の草花の帯は気持ちを和ませてくれます。
こちらの着姿ページもご覧ください。