すっかり遅くなってしまいましたが、「女わざの会」会誌を櫻工房オンラインショップに上げましたので、お知らせいたします。
岩手県の森田珪子さんが主宰されている「女わざの会」が活動の記録として、1983年から年1冊まとめてこられた会誌全23号のうち第1~20号および第22号を櫻工房オンラインショップでご購入いただけます。
「女わざの会」主宰の森田珪子さんは、結婚をきっかけに東京から岩手県の前沢(現・奥州市)に移り住み、地域に伝わる様々な暮らしの「わざ」と出会いました。
そこで衣食住にまつわる手わざや愉しみ、民話や伝承、遊び、行事などを近隣の方達と共に次世代へつないでいく「女わざの会」の活動を長年続けてこられました。
毎回10人ほどの方が集まり、地域の様々な伝承の“わざ”を実践しますが、その会報を楽しみに待つ読者も全国におられました。
会誌の中では、季節の料理や郷土菓子、針仕事、染織、昔話、地域の行事や遊びなど様々な話題が、森田珪子さんの温かく力強い文章でつづられています。
また、装丁、手書きの文字、豊富な挿絵は全て夫の版画家森田純(故人)さんによるものですが、優しい眼差しを感じる挿絵達もこの会誌を読む大きな愉しみひとつです。
タイトルは「女わざ」ですが、「技(わざ)」のみならず「芸(わざ)」であり、「態(わざ)」である。
つまり、暮らし方、生き方に通じるメッセージがこめられています。
性別、年齢を問わずお読み頂きたいと思います。男性にも読んでもらいたい内容です。
全21冊セット(1から20号+22号) : 6,400円(税込)
後半11冊セット(11から20号+22号): 3,400円(税込)
送料 : 510円 (レターパックプラス) ※振込確認後の発送となります。
櫻工房オンラインショップはこちら→☆
この会誌は、見方によっては料理や裁縫のレシピ集であり、興味のある号だけ抜き出して読みたい、という思いを持たれる方も多いかもしれません。
しかし通読して、この会誌の面白さ、東北の生活文化の奥深さ、森田さんの活動の本質にふれて頂きたいので、敢えて全冊まとめての販売とさせて頂きます。
様々な知識や情報が詰まっていますが、実践を重んじる会ですので、過去の号を参照しながら記述されている箇所もあります。
昔ながらの「わざ」が掘り起こされ、時にはアップデートされていく様子も面白さのひとつです。
巻頭と巻末では時勢や会の様子とともに森田さんの思いが語られ、号を重ねるにつれて、活動に賛同する人々からの反響や、やりとりの様子が読みとれます。ローカルな交流の中から、海外の「女わざ」もしばしば登場することにも驚かされます。
森田さんの、知的で、力強く、温かな、そして時に痛快な語り口にハマると次また次と読み進めたくなります。全冊まとめてお手元に置かれることをおすすめいたします。
工房内でもご覧いただけます。紬塾や工房展などの際によかったらご覧ください。
紬塾染織実習コースの方は、その中から一つ選んで実践したいと思っています。
紙のメディアを作ることは大変なエネルギーがかかります。
珪子さん、純さんの底力があったからこその会報ではありますが、賛同する多くの方の支えもこの会報の背後に見えてきます。
25~26年前、この冊子を岩手のギャラリーで見つけて買ってきた『かたち』の笹山さんが以前のブログで「現代の生活文化の死角を衝いてきているところもあるのです。」と書いています。
SNSの情報発信は瞬発力があるかもしれませんが、こういう活動の情報から時間を掛け、じっくり身につけていくことも今の時代こそ忘れてはならないと思います。
過去の「女わざ」の記事も初めての方は参考になさって下さい。☆