真綿から糸をつむぎ、染、織物設計もして、そしていよいよ織る段階に入りました。
順番に、3寸(約11cm)の長さを1時間ほどかけ織ってもらいました。
同じ条件で、こんなにも違うデザインが産まれてくるものですね。
ただ、経糸も表情豊かだけれど、とても織りにくいものなのですが、
それゆえにどれも味わいがある、奥行きのある布になったと思います。
糸や、草木の色の力のおかげでもあります。
この学びが、布を色や柄だけで見るだけではなく、糸の一本一本や、風合いということも感じ取れるようになると、布を見るときの助けになると思います。
たった3寸の体験で、細かいことをあれこれ指摘させてもらったのですが、
よくここまで学び取ってくれたなぁと有難く、やりがいも感じました。
みなさんの感想、気付きなどが揃いました。画像と共にご紹介します。
私は学生時代に一度織りを体験したことがあるくらいで、今回久しぶりに触れました。
まずは自分が織りたいデザインを紙の中で表現します。
これがとても難しく出来上がりの想像がいつまでたってもできませんでした。
どうにかこうにかこんな感じにというものが頭の中にあったので
何とか仕上げることができました。
先生にみてもらうとこれではグラフィックデザインだと指摘を受け、少し手直しして下さいました。
その時はまだ何のことやらで頭の中はクエスチョン(?)だらけでした。いざ織りはじめるとあっちにもこっちにもと神経を使い、緊張しましたが、とにかく楽しい。
当たり前ですがどの糸も色も違えば太さも違います。
糸の雰囲気が掴めてくると次第に紙に書いたデザイン通りではなく、次はこっちの糸がいいかなと織りながら変更したりと後半は楽しめました。
織り終えて全体的にみてみると、撫でたくなるような愛しい感じがして胸がいっぱいでした。
あの感覚ははじめての感覚で、ここで表現できないのが残念ですが、織ったことで、また自分で紡いで染めた糸に出会いたい、色んな糸に触れてみたいと思いました。
先生にアドバイス頂いた箇所は直して良かったと改めて思いました。
ベタではなく、個性を持った糸同士を交互に入れるとそれぞれの糸が活かされるんだなと。
ベタだけで織っていたらその糸の良さが際立たないんだと分かりました。
このような経験が出来て受講して良かったと改めて思いましたし、経験させていただいた先生に感謝の気持ちでいっぱいです。ほんとうにありがとうございました。 Aさん
とにかく夢中で取り組んだ1時間でした。
杼が手から手へうまく渡るように、耳の糸の具合を確認し・・・と、緊張で肩がガチガチになってしまいました。それでも手足が迷わず動いた瞬間があって、そんな時はリズムが生まれた様で、嬉しくてこのまま織り続けたいと思ってしまいました。
ひと越しずつ進んでいくにつれ重なって見えてくる色、単色の続きだけでなく色同士が作用して際立ったり、引き立てたり、一色で巻かれている時には分からなかった世界が現れて来ました。
よく見れば、緯糸と経糸が交差して細かな陰影が出来ていて、織りものは平面のようで実は立体作品なのだと、当たり前のことに気付きました。
また、設計通りに進まないのをやりくりしながら規定の幅に収めていくのも楽しいものでした。
今回は先生に機を全て準備していただいて、自分では緯糸を通して織っていくだけでしたが、自分で紡ぎ、染めた糸で織ることが楽しく、小さな端切れがとても愛しいものになりました。
神経を使い、手間をかけて糸を紡ぐことから織り上げるまで手掛けるということは魂を込めずして出来るわけがないとよくわかりました。そうして織り上がった布からは作り手の苦労と愛情が滲み出し、美しく、人を魅了するのだと思いました。 Jさん
実習もいよいよ最後、織りの日になりました。
秋晴れのさわやかなお天気の中、静けさが心地よい工房にて、さっそく実習が開始されました。
今までの作業を通してだいぶ絹糸の感触に慣れてきたようで、糸巻きのときに糸の太さなどを触知する左手の感覚が、ずいぶん鮮明になってきたように感じました。
次にいよいよ織りの作業です。
注意する点がたくさんあり、初めのうちはかなりてんやわんやしましたが、最後のほうは少しリズムがつかめたように思いました。
しかし、自分の欠点で、「調子にのると詰めが甘くなる」という性質がくっきりと表れ、苦笑いしてしまいました。
その結果、数越ずつやり直すことになりましたが、毛羽で絡みやすい糸を傷めないようにしながら元に戻す作業を通して、緯糸だけでなく経糸にも十分注意を払う意識を持てるようになったように思います。
織りの作業を終えて、まずはゴールまで到達できたことへの充実感でいっぱいになりました。本来の一反分から比べれば極々わずかな長さではありますが、自分が設計したメジャーをもとに設定したゴールに到達するということは、とても大きなことでした。
それから、やはり強く感じたことは、布の出発点は糸であり、織りあがった布という形になっても、1本1本の経糸、緯糸はそれぞれとても強い存在感を放つのだということでした。
以前より布が好きで、つい布があれば触ったりひっくり返したりしてしまうのですが、それはあくまで布として平面になった状態でとらえていただけでした。「糸」なのだ、という、いわば当たり前のことではありますが、改めて意識に刻まれる実習となりました。 Kさん
自分で糸を紡いで、草木で染められた糸で布を織る本物の経験をさせていただきありがとうございました。
ただ、私はせっかくの貴重な紬糸を上手く生かせないデザインを作成してしまいました。もっと色やつながり、組み合わせをよく考えれば良かったと思います。
織りの方も手順に意識がいき、加減が上手く出来ず、独特の風合いが出ていなかったように思います。
糸を優しく扱ったり、一つ一つの作業を丁寧に行うことの大切さを実感します。
とても反省の多い体験でしたが、先生のアドバイスを頂き、修正しながら織らせていただいたので、素敵なものになりました。布が出来上がった時は嬉しかったです。
今後、着物を着る時は関わられるすべてに感謝する気持ちが強くなりました。 Cさん
毎回、講座を楽しみにしている中、織る実習は、実際に真綿を紡ぎ、
7月の青々とした桜の葉と枝から染めた紬糸を使ってデザインし、織って
いくので、一連の工程によって、布が生まれる事の尊さをあらためて
感じました。
自分でデザインしたものが、実際にどのような感じになるのか・・・
不安と楽しみが入り混じりながらも、一織り、一織りの糸の重なりを
見ていくと、薄い色調ですが、それでも色それぞれがお互いの色を引き
立ててくれているような気がしました。
1本、1本の尊い糸によって布が生まれる事が、何より神秘に
感じています。お蚕さんや草木の命と向き合った時間を大切感じて
います。
手紬ぎならではの、風合いの糸を取り入れられた事が本当に嬉しい
です。 Rさん
今回の紬きもの塾に参加させて頂き
「プロの仕事」を拝見させて頂きました。
染織の仕事の工程からみたらほんの一部で、
全ての工程の中に糸と真剣に向き合っている姿勢を
感じさせて頂きました。
明確な目的(風合いのよい紬)のために
考え抜かれた作業工程を、今回のお教室で
学ばせて頂いたことは本当に有り難いことと思います。 Tさん
最後の方は、経継ぎ用に残す8寸ギリギリのところまで織ってもらいました。
2つの画像でよくわかるように、緯糸の太さに合わせて、糸の傾斜を変えて織ることも説明しました。
一越ひとこしを見つめながら変えていきます。
幅や、色の出方もこれだけのことで違ってきます。
緊張が解け、織り終えてホッとした表情をみなさんが必ずされます。
そして何故か嬉しそうです。。。
私も一番神経を使うのがこの織りの回の時ですので、無事に終わってホッとしました。
みなさん、良く織り上がりました。
順番に、3寸(約11cm)の長さを1時間ほどかけ織ってもらいました。
同じ条件で、こんなにも違うデザインが産まれてくるものですね。
ただ、経糸も表情豊かだけれど、とても織りにくいものなのですが、
それゆえにどれも味わいがある、奥行きのある布になったと思います。
糸や、草木の色の力のおかげでもあります。
この学びが、布を色や柄だけで見るだけではなく、糸の一本一本や、風合いということも感じ取れるようになると、布を見るときの助けになると思います。
たった3寸の体験で、細かいことをあれこれ指摘させてもらったのですが、
よくここまで学び取ってくれたなぁと有難く、やりがいも感じました。
みなさんの感想、気付きなどが揃いました。画像と共にご紹介します。
私は学生時代に一度織りを体験したことがあるくらいで、今回久しぶりに触れました。
まずは自分が織りたいデザインを紙の中で表現します。
これがとても難しく出来上がりの想像がいつまでたってもできませんでした。
どうにかこうにかこんな感じにというものが頭の中にあったので
何とか仕上げることができました。
先生にみてもらうとこれではグラフィックデザインだと指摘を受け、少し手直しして下さいました。
その時はまだ何のことやらで頭の中はクエスチョン(?)だらけでした。いざ織りはじめるとあっちにもこっちにもと神経を使い、緊張しましたが、とにかく楽しい。
当たり前ですがどの糸も色も違えば太さも違います。
糸の雰囲気が掴めてくると次第に紙に書いたデザイン通りではなく、次はこっちの糸がいいかなと織りながら変更したりと後半は楽しめました。
織り終えて全体的にみてみると、撫でたくなるような愛しい感じがして胸がいっぱいでした。
あの感覚ははじめての感覚で、ここで表現できないのが残念ですが、織ったことで、また自分で紡いで染めた糸に出会いたい、色んな糸に触れてみたいと思いました。
先生にアドバイス頂いた箇所は直して良かったと改めて思いました。
ベタではなく、個性を持った糸同士を交互に入れるとそれぞれの糸が活かされるんだなと。
ベタだけで織っていたらその糸の良さが際立たないんだと分かりました。
このような経験が出来て受講して良かったと改めて思いましたし、経験させていただいた先生に感謝の気持ちでいっぱいです。ほんとうにありがとうございました。 Aさん
とにかく夢中で取り組んだ1時間でした。
杼が手から手へうまく渡るように、耳の糸の具合を確認し・・・と、緊張で肩がガチガチになってしまいました。それでも手足が迷わず動いた瞬間があって、そんな時はリズムが生まれた様で、嬉しくてこのまま織り続けたいと思ってしまいました。
ひと越しずつ進んでいくにつれ重なって見えてくる色、単色の続きだけでなく色同士が作用して際立ったり、引き立てたり、一色で巻かれている時には分からなかった世界が現れて来ました。
よく見れば、緯糸と経糸が交差して細かな陰影が出来ていて、織りものは平面のようで実は立体作品なのだと、当たり前のことに気付きました。
また、設計通りに進まないのをやりくりしながら規定の幅に収めていくのも楽しいものでした。
今回は先生に機を全て準備していただいて、自分では緯糸を通して織っていくだけでしたが、自分で紡ぎ、染めた糸で織ることが楽しく、小さな端切れがとても愛しいものになりました。
神経を使い、手間をかけて糸を紡ぐことから織り上げるまで手掛けるということは魂を込めずして出来るわけがないとよくわかりました。そうして織り上がった布からは作り手の苦労と愛情が滲み出し、美しく、人を魅了するのだと思いました。 Jさん
実習もいよいよ最後、織りの日になりました。
秋晴れのさわやかなお天気の中、静けさが心地よい工房にて、さっそく実習が開始されました。
今までの作業を通してだいぶ絹糸の感触に慣れてきたようで、糸巻きのときに糸の太さなどを触知する左手の感覚が、ずいぶん鮮明になってきたように感じました。
次にいよいよ織りの作業です。
注意する点がたくさんあり、初めのうちはかなりてんやわんやしましたが、最後のほうは少しリズムがつかめたように思いました。
しかし、自分の欠点で、「調子にのると詰めが甘くなる」という性質がくっきりと表れ、苦笑いしてしまいました。
その結果、数越ずつやり直すことになりましたが、毛羽で絡みやすい糸を傷めないようにしながら元に戻す作業を通して、緯糸だけでなく経糸にも十分注意を払う意識を持てるようになったように思います。
織りの作業を終えて、まずはゴールまで到達できたことへの充実感でいっぱいになりました。本来の一反分から比べれば極々わずかな長さではありますが、自分が設計したメジャーをもとに設定したゴールに到達するということは、とても大きなことでした。
それから、やはり強く感じたことは、布の出発点は糸であり、織りあがった布という形になっても、1本1本の経糸、緯糸はそれぞれとても強い存在感を放つのだということでした。
以前より布が好きで、つい布があれば触ったりひっくり返したりしてしまうのですが、それはあくまで布として平面になった状態でとらえていただけでした。「糸」なのだ、という、いわば当たり前のことではありますが、改めて意識に刻まれる実習となりました。 Kさん
自分で糸を紡いで、草木で染められた糸で布を織る本物の経験をさせていただきありがとうございました。
ただ、私はせっかくの貴重な紬糸を上手く生かせないデザインを作成してしまいました。もっと色やつながり、組み合わせをよく考えれば良かったと思います。
織りの方も手順に意識がいき、加減が上手く出来ず、独特の風合いが出ていなかったように思います。
糸を優しく扱ったり、一つ一つの作業を丁寧に行うことの大切さを実感します。
とても反省の多い体験でしたが、先生のアドバイスを頂き、修正しながら織らせていただいたので、素敵なものになりました。布が出来上がった時は嬉しかったです。
今後、着物を着る時は関わられるすべてに感謝する気持ちが強くなりました。 Cさん
毎回、講座を楽しみにしている中、織る実習は、実際に真綿を紡ぎ、
7月の青々とした桜の葉と枝から染めた紬糸を使ってデザインし、織って
いくので、一連の工程によって、布が生まれる事の尊さをあらためて
感じました。
自分でデザインしたものが、実際にどのような感じになるのか・・・
不安と楽しみが入り混じりながらも、一織り、一織りの糸の重なりを
見ていくと、薄い色調ですが、それでも色それぞれがお互いの色を引き
立ててくれているような気がしました。
1本、1本の尊い糸によって布が生まれる事が、何より神秘に
感じています。お蚕さんや草木の命と向き合った時間を大切感じて
います。
手紬ぎならではの、風合いの糸を取り入れられた事が本当に嬉しい
です。 Rさん
今回の紬きもの塾に参加させて頂き
「プロの仕事」を拝見させて頂きました。
染織の仕事の工程からみたらほんの一部で、
全ての工程の中に糸と真剣に向き合っている姿勢を
感じさせて頂きました。
明確な目的(風合いのよい紬)のために
考え抜かれた作業工程を、今回のお教室で
学ばせて頂いたことは本当に有り難いことと思います。 Tさん
最後の方は、経継ぎ用に残す8寸ギリギリのところまで織ってもらいました。
2つの画像でよくわかるように、緯糸の太さに合わせて、糸の傾斜を変えて織ることも説明しました。
一越ひとこしを見つめながら変えていきます。
幅や、色の出方もこれだけのことで違ってきます。
緊張が解け、織り終えてホッとした表情をみなさんが必ずされます。
そして何故か嬉しそうです。。。
私も一番神経を使うのがこの織りの回の時ですので、無事に終わってホッとしました。
みなさん、良く織り上がりました。