そんなに食うなら走らんと

食道楽(ラーメン中心)とカロリー消費(ランニング中心)の葛藤の日々

「のどを通りにくいシュニッツェル」@ポーランド アウシュビッツ

2007-04-03 05:20:53 | 海外で飲み食い
初めに

リアルな画像は避けましたが
さすがに内容が内容なのでいつもと違います

ダウンな気持ちを避けたい方は
この記事は読まないで下さい



さて
そんなに覚悟を喚起するほどのものではないかもですが



物々しい国境を越えて
ドレスデン方面からポーランドにIN


ドイツにソビエトを注ぎこんだような
ちょいと薄めで
こころもとない風景のなか


ツギハギの道路を
5時間超のドライブの末



クラクフ@ポーランドに到着


おっと
このにぎやかな街はなんぞや


町の中心部は
驚くほどの人手&華やかさ


この街の詳細は
また別の機会ということで



さて


ポーランド?
なんで行くの?
秒殺で車盗まれるよ  なんて


ポーランドに好感バリバリなドイツ人


それも会うドイツ人皆からでして


ステキな事前情報得まくりな我々は
それこそビビリまくりなわけでしたが



ぜんぜん(゜∀゜)ダイジョブ



でもないかもですが






なんとなく
ロシアの香りを感じる語尾を確認しつつ


これならなんとかオケーだね


なんて
高をくくっていると





やっぱ全然(゜д゜lll)わからんがな

ってな朝食


ハムとスクランブルエッグを頼むと




ハムまでスクランブルされちゃったりして






結果アレスクラな朝食を済ませて向かったのは






そうです
目的の地です



お願いした日本語ガイドさんのオススメのもと


かなりの混雑をみせていた
第一収容所=「アウシュビッツ」を後回しにして
第二収容所=「ビルゲナウ」からスタートしましたが



いきなり眼前に現れる





あの風景


背筋がピンとしますが





実にのどかな日差しの下
ガイドさんに導かれ
2時間ほどの見学散歩コース@広大な敷地


散歩・・・
周遊・・・


どの言葉も
ここでは適切ではない気がしますが



実におだやかな日差しの中
おだやかでなかったころの名残を
体感してきたわけです





普通なら「展望台」なんでしょうけど
ここは間違いなく「監視台」


左の線路の行き着く先は
実に適切な英語表現
「Dead End」なわけで


右の路線は
次なる犠牲者を求めにまた


まさに
数時間後には灰となった
無数の方々が最後に見た風景




選別の後
バラックに収容された方々は

良かったのか悪かったのか
結局は数ヵ月後に同じ道をたどったわけで



正直言いますと

私はここにくるまで
残留しているあまりの「念」の強さに
自分がヤラれてしまうのではないかと思ってましたが


実際は
あまりの現実感の希薄さに
脳みそもどう対処してよいのやら



あまりの殺人効率の良さに
念を残す暇もなく
気がついたら死んでいた


もしくは
念を残す余裕もないくらい
徹底的にエグゾーストさせられて亡くなったか


ドイツ人の効率を求める性格が
悪い方へ傾くと
究極はこうなるのね という
最悪の実例





こちらは第一の収容所である
「アウシュビッツ」


当時の収容施設が
そのまま使われ展示室になってますが




だいたい
どんなところかわかるかと



事前にガイドさんが
「子供への影響を考えて入場させるように」
とおっしゃっていましたが


あまりの重い沈黙の中
無邪気な子供の声が響くのを警戒してはもちろん


同年齢で亡くなった子達の写真とカブらせて
その場で鬱になってしまう人や


訪れている犠牲者の遺族の心情を考慮してとの事



当時の写真や
犠牲者の遺留品をはじめ


織物にされるべく
女性から刈られた髪の毛が
山と詰まれているのには正直絶句


三つ編みのまま刈られた髪の毛に
息が詰まる思い



その他
数々の処刑場の名残
拷問のインストラクション
人体実験の写真


サディズムの究極がここに集結



念の塊のような場所です


今でも
聞こえる人には
悲鳴が聞こえるかと




この電流二重有刺鉄線を越え
向こうに逃げられた方々もいたようですが


ラッキーな彼らの逸話のその裏に
再犯防止の見せしめとして10倍の犠牲者




「働けば自由になる」


囚人に作らせた有名なゲートとのことですが


せめてもの抵抗に
「B」が上下逆とのその文字も


その彼が虐殺される
サディスティックな絵しか浮かばせない
圧倒的な死の臭い






このガス室&焼却炉からは
ホントにその臭いがしていたのでしょうが


この中は
とてもヤバかった


あまりの負の圧力


長くいると
気が変になりそうな場所でした




先生
質問です


どこをどう間違ってエスカレートすると
人間ここまで来ちゃうのでしょうか


喚起されたサディズムのなせる業?
自己防衛のためには何でもやる?


人間は深いですね


疑問ばっかりが
今もグルグル回っております





それでも
今を生きられる私は
やっぱりお腹が減りましたが


付属の食堂で
とってもビミョーな気持ちで食したのは
言うまでもありません


味的にもビミョーだったなんて
贅沢を言える場所でもなかった気がします






せめても
その後で見て良かった


多少なりともの





「正の遺産」


いま一度
あの映画を見てみなくては
Comments (10)
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