まるぞう備忘録

無題のドキュメント

多重層。金融先物取引のトリックその2。

2013-10-25 10:44:22 | 多重層

金融商品先物取引の二つ目の柱は、

レバレッジが効かせられることです。

これは先物取引全般に言えることですが、

現在の手持ちのお金の何倍、何十倍、何百倍の

金額の取引をすることができるのです。

もともと先物取引とは来年の農作物を

予定した金額で購入しますよ。という取引です。

ですからその予約をした時点で全額のお金は不要です。

証拠金と呼ばれる金額を払えば取引ができます。

だいたいお米で50~100倍。金で1000倍です。

10万円の手元金で1億円の金が取引できます。

ですから儲かる時は大きいですが、

負ける時も一瞬です。

証拠金を超える損失が出そうな時は、

もうその時点で取引が清算されます。

今まで投資していた証拠金はゼロになります。

もしゼロにしたくなければ、

証拠金の追加しなければなりません。

商品が値上がりすればこれまでつぎこんで来た額は

一気に取り戻せるはずですから、

ここが辛抱のしどころです。

そうして個人投機家はお金を何とか工面して

あちこちから借金して、証拠金を追加します。

もしこれで運良く相場が持ち直したとしましょう。

今まで投資した額が回収できたとしましょう。

ああ、良かった。儲けが出た。

そういって取引をやめて清算するでしょうか。

いいえ、ほとんどの個人投機家は、

その額で更に先物取引に再投資するのです。

素人がギャンブルで失敗する理由は、

適当に勝ったところで抜けられないことにあります。

欲の皮は突っ張り始めたら、

自分の意思では弱めることが不可能となります。

同様に素人は適当な負けで、

損切りできないことも特徴です。



もし先物取引で追証したにも関わらず、

やはり相場が下がり続けたらどうしましょう。

大事な貯金が全てゼロになります。

借金だけが残ります。

何としてでもそれだけは避けたい。

もう少しだけ追証すればその間に市場は持ち直すはず。

大切なものを担保にしたり、

更に利息の高いところからお金を工面します。

もうちょっと。もうちょっとの辛抱やないかい。



先物取引のこわいところはここです。

手元金の何百倍もの取引ができる

レバレッジ(てこ)という仕組みのおかげで

儲けも大きいが損も大きいのです。

人間の欲の皮は一度突っ張り始めると、

自分の意思ではゆるむことはありませんから、

レバレッジの仕組みにハマってしまうと、

個人レベルの資産は一瞬で溶けます。



ただし、もし、

その賭けが絶対勝つとわかっていたらどうでしょう。

絶対に負けないとわかっていたらどうでしょう。

天文学的な資本を利用して、

相場を自由に操れるとしたらどうでしょう。

このレバレッジの仕組みを使えば、

短期間に世界中の富を回収することができます。



金融先物取引とはそういう発明でありました。





おひさま、ありがとうございます。