まるぞう備忘録

無題のドキュメント

長生き企業の共通点。

2016-02-27 10:57:52 | まるぞう経営学

 私の母の兄は私が社会人になる前に他界しました。叔父は町工場の経営者でした。工場はシャープ系列でした。叔父はいつも母に「シャープはほんまにええ会社やで」と言っていたそうです。シャープを愛していた人たちは日本中にたくさんいたのでしょう。我が家も冷蔵庫の左右開きは重宝していました。掃除機も空気清浄機もシャープ製であります。

どんな企業でも栄枯盛衰があります。ただ日本には長く続く企業も多いのです。

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・米国最古の農園場、シャーリープランテーションは1613年に開園したが、705年に西山温泉で開業した慶雲館は(同じ一族が52代に渡って経営)、その時すでに創業からほぼ1000年が経とうとしていた。石川県の法師旅館も、同じような歴史を有している。

・上記の西山温泉(慶雲館)ですら、日本では最古ではない。建設会社の金剛組は、西暦578年に設立されているのだ。

・日本にある老舗企業の数は膨大である。西暦1300年以前に設立され、今も続く企業50社のうち24社が日本にある。また、200年以上の歴史を持つ企業は世界に5586社存在するが、そのうちの半数以上となる3146社が日本企業である。100年以上続く日本の企業は、2万1000社以上にのぼる。



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 お金が手に入るということは、二つのケースがあるようです。
 一つは自分の陰徳が充分蓄積されて、それがお金が手に入る(売上が伸びる)という現象としてこの世に現れることです。陰徳とは、人様世間様の役に立つように「愛情と手間」を蓄積することです。人様世間様への愛情と手間の蓄積がある点を超えると、お金としてどこからか入って来るのです。
 この陰徳が目に見える幸運として現れるにはタイムラグがあります。だから働いても働いてもラクにならない。という局面が人生にはありますが、実はこの陰徳を積んでいる時が一番幸せな時期ではないかと私は思います。陰徳を積んでいる人が一番輝いて見えるからでもあります。


 お金が手に入るもう一つのケースは徳のサラ金です。怖い怖いサラ金です。将来の自分の幸運を担保に表面上のお金を手にいれることです。自分が人様世間様の役に立つ努力もしていないのに、お金が入ることがあれば、それは怖い怖いサラ金かもしれません。
 ただし多くの人はその怖いサラ金を望むように思います。怖さを知らずに。その人達は、ラクして大金稼ぎたいなあ、といつも望んでいます。
 シャープの役員さんたちもそうであるのかもしれません。莫大な赤字の資金繰りというプレッシャーで、かつての創業者が行なったようにゼロから陰徳を積むという地道な努力より、とにかく一攫千金でこの借金をチャラにすることを、強く強く切望しているのかもしれません。そういうサラ金があれば契約してしまいそうな勢いです。




 長く続く企業は、きっとこれらのお金の陰の流れを見抜く知恵が備わっているのだと思います。見かけの売上数字はもちろん大事ですが、その底流にある「陰徳貯金」がどうか、を肌で感じていることでしょう。
 すぐにお金になるかどうかよりも、人様他人様のために「愛情と手間を積む」ことができているかという感性。陰徳を伴わないお金はとても危険だという感性。
 それらの感性は本来日本人の多くが持っていたものだったのでしょう。これが日本に長く続く老舗企業が多い理由でもあると思います。


 もし人間が謙虚さや質素を忘れ傲慢慢心になってしまうと、この陰徳を見抜く眼も失われてしまいます。だから老舗企業の経営者は特に代々特に謙虚で質素であることが求められているのでしょう。謙虚で質素である間は、自分たち企業の陰徳の流れを感じることができますから。しかし傲慢慢心になると目が曇るので、たちまち企業は傾むくリスクが大きくなります。


 だから老舗企業の経営者ほど謙虚さと質素を自らの生き方の哲学にしているのだと思います。本来の日本人の多くがそうであったように。



おひさま、ありがとうございます。
(今日は月の最遠日で中潮ですね)



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