まるぞう備忘録

無題のドキュメント

日本の組織とトンがった人材。

2016-03-14 11:06:49 | まるぞう経営学

ソニーもシャープもiPhoneのようなスマートフォンは出せる技術力はありました。しかし出せなかった理由は、カリスマのリーダーが存在しなかったからでした。

カリスマのオピニオンリーダーとは、もう彼の頭の中に「こうあるべきだ」という世界が先に存在しています。どうして世の中が俺について来ないんだろう。という苛立ちを持っているぐらい、自分の中の世界観に自信を持っています。

しかし、会社が大企業になると、そういうトンがった人材は出世しづらくなります。社内の調整力に長けて、自分の評価を上手に見せるワザに長けた人が出世しやすくなります。トンがった人材は敵を作りやすいため、彼らに上手に利用されることも多いことでしょう。プロジェクトの失敗の責任は誰が取るのかというババ抜きルールが大企業の出世原理ですが、トンがった人材は丁度良い彼らの生け贄になりやすいことでしょう。特に日本の企業は。





昔シャープにはザウルスという端末がありました。今のスマホの先駆けでした。しかし非常に使い勝手が良くありませんでした。ザウルスに入っているアプリが、アプリごとに操作性(ユーザーインターフェイスといいます。略してUI。)が異なるのです。

iPhoneやAndroidに慣れた今のユーザーには考えられないことです。今のスマホは初めてのアプリでも誰もが何となく使えるのは、そのUIが統一されているからです。どのボタンが終了で、どのボタンが設定で、詳細を見るにはどこを押せばいいのか。それらが統一されているため、誰でも初めてのアプリでも使えるのでした。

しかしザウルスのUIはそうではありませんでした。アプリ毎に操作性が全く異なっていました。もしスティーブジョブズがザウルスのプロジェクトリーダーだったら烈火のごとく怒り、ザウルスを床に叩きつけたことですしょう。こんなバラバラな部品の寄せ集めで世の中に出せるか~っと。



シャープは一つ一つの部品は職人たちの高いワザで精度も高いのですが、職人たちをまとめるカリスマのリーダーが育っていないことがわかります。このザウルスの話は、もう20年前の話ですが、まさかこの天下のシャープが中国(表面は台湾)に身売りされるとは誰もが信じられなかったことでしょう。しかしその兆候はすでに社内にあったのかもしれません。

シャープは、残念ながら社名のようにトンがった人材はトップにはなっていなかったようです。しかしこれはシャープという固有の会社の問題ではなく、日本の企業全体が持っている弱点でした。
つづく。



おひさま、ありがとうございます。
(本日は中潮ですね)



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