まるぞう備忘録

無題のドキュメント

仮想通貨について考えてみた。その4。

2018-02-08 11:16:06 | まるぞう経営学

ほぼ無限といえる秘密鍵の種類

ヨメ「でもその秘密鍵って、もしダブったらどうなるの?だって一人100個ずつ作られて、そして使い切ったらまた100個作るんでしょ?そんなに消費したら誰かの秘密鍵とダブったりしそうだけど。」

私「うむ。その秘密鍵は2^256通りあると言われている。」

「それってどのくらいなの?」

「うむ。たとえば1秒間に1個秘密鍵を作るとする。そうすると2^256通りに達するにはどのくらいかかると思う?」

「う〜ん。1年くらいかしら。いやそんなに長くないかな。だって昼も夜も1秒間に1個ずつ作り続けるんでしょ。」

「うん。この宇宙ができてから今まで150億年立っていると言われている。」

「ええ?まさか秘密鍵を全通り発行するのにそれだけかかるの?」

「うんにゃ。違う。もっとだよ。この150億年だけじゃ足りなくて、その150億年を300000000000000000000000000000000000000000000000000000000000回繰り返す。1秒間に1回秘密鍵を作ってとして、これだけの長〜い長〜い期間を経て、ようやく2^256通りを網羅することができる。それほど膨大な数なんだよ。事実上無限といってもいいね。」

「じゃあ、秘密鍵がダブルということはないわね。」

「そうです。そしてこれが秘密鍵を総当りで試してハッキングすること(ブルートフォースアタックと呼ばれる)も事実上不可能である理由です。」

「じゃあ、どの秘密鍵が発行されたかは、運営組織の人しか知らないのね。」

「いいえ。前にも言ったけど、ビットコインなどの仮想通貨は運営母体はないんだよ。各ユーザのパソコンにインストールされたプログラムが、発行時に機械的にランダムに秘密鍵を発行する。だから誰にどの番号の秘密鍵を発行したかは、誰も知らないし知る方法がないんだ。」

「じゃあ、仮想通貨のセキュリティって完璧じゃない。」

「うむ。そう見えるきれど、ただ一つだけセキュリティに弱みがある。」

「なあに?」



最終的に人間が保管する。それが弱点となる。

「うん。それはその秘密鍵を保管するのが最後は人間だ。ということなんだ。あなたは秘密鍵を紙に印刷して保管しているけれど、その紙を盗まれたら終わりだろ?」

「そうね。じゃあこの紙を金庫にしまっておいたら?」

「うん。ずっと安全になるし、貸金庫だともっと安全だね。だけど結局貸金庫と同じレベルの安全性にしかならないということだ。いくら宇宙を何回も繰り返さないと破れないセキュリティでもね。

 そして問題は秘密鍵を貸金庫に入れておいたら利便性が落ちるだろ。」

「そうね。」

「だから紙に印刷する次に安全と言われているのが、USBメモリーなどに入れて保存すること。USBメモリーだと、紙よりはずっと便利に扱える。

 そしてその次に安全なのは、インターネットにつながらないパソコンやハードディスクに保存しておくこと。セキュリティは少し落ちるけれど、いちいち秘密鍵を書き出さなくていいので、手間がずっと減る。」

「でもどうしてインターネットにつながっちゃいけないの?」

「それはね、インターネットに繋がっているとウイルスに感染する可能性があるからね。最近のウイルスは本人に気づかれないようにパソコンのデータを盗むものが増えているから。」

「ふうん。じゃあ、インターネットに繋がらないパソコンに入れておけばいいのね。貸金庫より簡単だわ。」

「うむ。盗難という意味ではそうなんだけど。」

「うん?」



秘密鍵を紛失すると二度と仮想通貨を取り出すことができない。

「実は秘密鍵の問題は盗難だけじゃない。実は紛失も同じようにリスクなんだ。」

「え?だって無くしたら再発行してもらえばいいじゃない。」

「うんにゃ。何回も言うけれど仮想通貨には運営母体も組織もない。その人のパソコンのプログラムが毎回ランダムに秘密鍵を発行してるだけだから、同じものを再発行することは不可能なんだ。だから決して無くちゃだめなんだ。

 実際秘密鍵が入ったパソコンをあやまって捨てた人がいる。その人の口座には7500ビットコインはいっていた。今日のレートだと60億円くらいだね。」

「まあ、もったいない。」

「うむ。その口座の秘密鍵をパソコンごと捨てたので、彼はもう二度とその60億円分を引き出すことができない。さっきも言ったように秘密鍵は天文学的な数字からたった一つだけだからね。それを見つけることは不可能。

 だから盗まれたわけじゃないけど、二度と引き出せないのだから、同じことだね。この人だけじゃない。世界ではだいたい280万ビットコイン(約2兆円)が行方不明になっていると言われている。もう二度と引き出せないビットコイン。

 これがビットコインの大きな問題点。秘密鍵という64桁の文字列をどうやって盗難と紛失から守るか。だね。」

「じゃあ、そういう秘密鍵を守ってくれるサービスはないの?」



仮想通貨取引所の役割

「あります。取引所と呼ばれているものです。実はビットコインのユーザの大半はこの取引所を使っています。

 自分のパソコンにビットコインのソフトを入れて、パソコンに1テラのハードディスクをくっつけて、世界中の送金記録(トランザクション)を24時間カリカリ記録している人。秘密鍵を紙で保管する人。ビットコインの初期はそういう人も多かっただろうけど、今はほとんどが簡単に取引所でビットコインなどの仮想通貨口座を作る。」

「なんだ。変だと思った。みんなこんな大変な操作しているなんておかしいと思った。」

「そう。今は仮想通貨は便利な取引所で行うことが一般的だね。面倒な口座の開設や秘密鍵の管理、そして円やドルとの換金。これらを手数料をとって代行してあげますよ。それが仮想通貨の取引所です。

 ただしこれらの取引所は仮想通貨の運営母体ではない。あくまでもその人のビットコインの口座の管理を代行するだけ。基本的な仕組みは今まで話したのと同じだよ。

 そしてね。ビットコインの相場が急騰して『乗り遅れちゃ損する』とばかりに参加した人の大半はこのお手軽取引所を使った。
 そしてその取引所のサーバがハッカーに狙われ、そして秘密鍵が奪われたんだよ。」



つづく



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