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愛、アムール / Amour

2013-03-10 23:22:01 | 劇場&試写★6以上

 

 

 

これは、老人介護の話でも不治の病がテーマの話でもなく

ある老夫婦の 愛を描いたストーリー

 

愛する者が死に臨む、その姿を横で見届けることは果たして愛の終焉か、

それとも幸福の完成なのか。


白いリボン」(2009)に続き、カンヌ国際映画祭パルムドールを受賞。

先日のアカデミー賞では、作品賞や主演女優賞にノミネート、外国語映画賞を見事受賞

待ってました、ミヒャエル・ハネケ監督最新作

 

出演は、共に80歳を超えた、「男と女」のジャン=ルイ・トランティニャンと、

「二十四時間の情事」のエマニュエル・リヴァ。

この方、アカデミー賞主演女優賞受賞してほしかったな。

若い方にオスカーいったという感じだけど

明らかにジェニファー・ローレンスより素晴らしいよ。

 

二人とも長年寄り添った真の夫婦に見える。

娘ちょこっとと近所の人など、ほぼ二人しか出て来ないんだけど、本当にこのお二人が素晴らしい!

 

娘、エヴァには ハネケの「ピアニスト」のエマニュエル・ユペール。

 

 パリの高級アパートで静かに暮らすジョルジュとアンヌは80代の元ピアノ教師の老夫婦。教え子がピアニストで活躍する姿を誇らしげに感じ、お互いを思いやりながら日々を送る二人だったが、妻が病で突然倒れ、穏やかだった日常が少しずつ変わっていく…。
     

 

冒頭、ピアノの戦慄から幕が開ける。

パリの住宅街の、とある一軒の家に、警察が踏み込む。

部屋には臭いひどいらしく、鼻を押さえながら窓をあける。

そして、老人がベッドに横たわっていた。

 

 

 

8/10(86点)

 

 

わたしの好きな監督で、アレハンドロ・アメナーバルが以前

ハビエル主演で「海を飛ぶ夢」という、尊厳死について撮った作品があったけど

それともまたちょっと違う、上にも書いた通り、

これは ひとつの愛を描いた作品。

 

 どうなるかは予測はついてたし、思った通りの展開ではあったのだけど。

そこに素晴らしい役者ふたりの感情が伝わるから

どうしても終わりの方では自然に涙が溢れてとまらなくなった。

 

老人介護問題とか、生死の問題、尊厳死問題というテーマではなく、

あくまで 誰にでもいつかくる 愛する人との別れ

そこを描いてるところがもう、ずっしりと心に突き刺さる。

 

夫婦は、もとは他人であり、娘は血の繋がった存在。

だけど 父親は言う。「お前がママを愛してるように、私も愛しているんだ」

 

離れた所に住んでる娘が来ると こんな風に、家で介護などやめてという。

それならあんたが面倒みてあげなよ、とも思うけどそう簡単にもいかないようで。

かといって、部屋に鍵をかけて娘に会わせない権利ももちろんないわけで。

 

病院には入りたくないという妻、アンヌとの約束通り、

つきっきりで家で介護と妻の話し相手になると決めた夫ジョルジュ。

 

徐々に悪化していき 自分だけでは手に負えなくなってくると介護人を頼みながらも 

精一杯に妻と一緒にいる。

 

こんなに年ではないけど、6人も産んで父よりも母の方が身体が悪くなってきてるウチの両親のことも

ちょっと重ねてみてしまったり。

 

こんなに仲良しだったら最高に理想的だけど 笑。

日常が描かれ、特にこれといって衝撃的なことや事件が起こるわけでもなく

話は進むので、いつものようなハネケ的衝撃やおもしろおかしい部分はなく

そしていつものように音楽もないので淡々としている。

長回しのシーンは今回はほとんどなかった。いや全部が長回し? 

ただ、ゆっくりと夫婦の情景が描かれる中、

ジョルジュが最終的にとった行動とは。。。

 

そうするでしょう。 というか、その行動は理解できる。わたしは。

ここは「尊厳死」問題が浮上するけど。

 

命を奪う、のではなく これもひとつの愛。

愛する人の辛く苦しむ姿は見たくないもの、、、。

無理矢理生き続けさせるのは、本人には地獄。

そして、残されたものにも。

 

妻との日々を懐かしむ想いが伝わるラストがまた素晴らしい哀しみの余韻でした 

 

いつものように、無音のエンドロール後にはとくになにもなし。


年を重ねても、おなじ想いで一緒にいられたら幸せだろうね。


老夫婦の愛なんて興味ないなんて言ってちゃだめ

人生の伴侶がいる人はその人と、もちろんひとりでも、じっくり観て欲しい傑作です



 公式サイト

Amour    2012年     フランス・ドイツ・オーストリア   130min

3月9日より、公開中~



アカデミー賞にて。主演女優賞ノミニー、エマニュエル・リヴァ。


カンヌ映画祭にて。

まだ未定だけど、ハネケの次回作がまた楽しみ


 

 

 

 

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