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それでも夜は明ける/12 YEARS A SLAVE

2014-03-08 23:59:59 | 劇場&試写★6以上

 

 12年、奴隷として。

 

史実に基づく実話を映画化。

 本年度アカデミー賞作品賞で見事受賞

 

 

   
   
   
   
   
   
 
   
   
   
   
   
   

以前から書いてるけど近年だけでみても、

トロント映画祭で観客賞(最高賞)受賞作品がとる割合は高い。

今後も前哨戦として注目です。

 

 

自由であることの尊さ

 

トロント映画祭で話題になってから楽しみにしていたけど、素晴らしい作品だった

監督は「SHAME- シェイム-」も話題になった、スティーヴ・マックィーン。

 

舞台は19世紀のアメリカ。

教育を受け、ミュージシャンとして裕福な暮らしをしていた黒人ソロモンは、バイオリンを仕事として頼まれて

出かけた先で白人の男二人に騙され拉致され、違う名前をつけられて奴隷として売られてしまう。

家族に手紙を書きたいが、奴隷にとってはそれすら困難で、、、、。

 

主演のソロモンを演じるのは、「キンキーブーツ」などのキウェテル・イジョフォー。

 

ソロモンの最初の農園主、フォードを演じるのは、ベネディクト・カンバーバッチ。

 

 

そのもとで奴隷たちの指揮をとる悪人ジョン・ティヴィッツに、ポール・ダノ。

本当に憎らしい役がハマるよね、この人

 

奴隷に暴力的な次の農園主エップスには、マックィーン監督と「Hunger(日本未公開)」、

SHAME- シェイム-」でも組んだマイケル・ファスベンダー。

 

 

エップスお気に入りの奴隷パッツィーに、今回助演女優賞受賞のルピタ・ニョンゴ。

 

 

 

ほかに、エップスの妻にコメディによく出てるサラ・ポールソン、

金儲けしか頭にない奴隷商人にポール・ジアマッティ。

 

 そしてかなりいいとこもってく

 本作でプロデューサーも兼ねているブラピはカナダからきた大工、バス役でちょこっと出演。

出ている白人の殆どが黒人を虐げている中、ひとりだけ優しい。おいしい役割

 

ブラピはプロデュースした経緯について、「Hunger」を見て

次の作品はぜひ僕らにプロデュースさせてほしい。とマックィーン監督にアプローチしたらしい。

 

 

 当時は合法でもあったという奴隷の売買の恐ろしさ。

まるで本当に家畜のように扱われる。

人間としての尊厳なんてない。

ただモノとしてみられ、言うことを聞かない、一定のところまで仕事ができない

いや、ただ気に食わないというだけで蹴飛ばされ、ムチで打たれ、首つりまでさせられる。

「自由黒人」なんていう言葉、いままで聞いたことあったかな?

定義としては、「奴隷制廃止までに南部および北部諸州において自由人として(自由人の母親から)生まれた黒人

もしくは北部における奴隷制廃止後に法的に自由となった黒人」のことを指すらしい。

黒人差別については度々考えさせられる場面がわたしの日常に今でもある。

肌の色が違うだけで苦しんできた人々。

人としての尊厳を奪われ、自由を失い、それでも生きることをひたすら願う。

 

自由黒人であった彼が、なぜ突然拉致されて奴隷としての人生を送ることになったのか。

 

 

8/10(88点)

 

 

 この映画、ほんとうに観ていて辛かった!

ホラーなどでもどんなに刺すシーンなどの「痛いシーン」でも平気なわたしだけど

このロープで首をくくられ木に結わえられた状態で 足が地面につくかのすれすれで

息絶えそうになりながらも耐えるソロモンの姿。

農園主を呼んでくるまでのその長まわしのカットは本当に苦痛で苦痛で

苦しくなってもうやめて、もう無理。って何度も早く場面変わること祈ってた。

それと同時に感じる このシーンの見せ方、伝え方での監督のすごさ。

吊るされてる一人の男なんてまるでみえないかのように

何にもないかのようにまわりの背景は動く。

子供は後ろではしゃいでいる、大人たちも気づかない風。

そのまま放置されている光景がずっと目に焼き付く。

 

もう1つ、痛々しいシーン。

お気に入りの奴隷パッツィーがいなくなったと騒ぐエップス。

石けんを奥様がくれないから、近くの農場の妻(黒人の奥さん)にもらってきたといっても

信じてもらえない。

自分でやるのは大変だからって人に押し付けてソロモンにムチで打たせるが

結局自分でも痛めつける。 背中の皮膚は裂けてめくれ上がって血が噴き出した。

最後の方以外はほとんど眉間にしわよってそうなくらい辛い顔して見てたと思う。

 

音楽も効果音としての曲もいいし選曲も含めて全体的にいい。

殺された仲間を忍んで皆で集まって合唱になるシーンも良かったなぁ。

 

マイケル・ファスベンダー演じる白人の農主は最初から最後まで徹底して悪人。

この仲良さそうな?写真だけ先にみてたから

こんなに悪人を演じたとは思ってなかったけど

演じたファスベンダーも最高に素晴らしかったし、彼のその内面の描き方がまた素晴らしかった。

もちろん、キウェテル・イジョフォーも素晴らしい。

 

反対に天使のような唯一の優しい白人、ブラピ演じるバスは

あんな家の側の屋根付き建物たてるためだけに、呼ばれた大工?

実際にこんな人がいて、そのお陰で助かったとすれば本当にすごいこと。

この映画は史実に基づいたものだけど、

拉致されて、その後戻ることが出来たのはごくわずかの人間だけだったという現実。

 

どのシーンも目が離せない 現実にあったこととして描かれなくてはならなかったことで

それから目を背けてはいけない。

 

大事な家族に会いたい。

生き延びようとする力の凄まじさ

絶望を希望に変えて、生き抜く底力を見せつけられる

 

 

考えさせられることが多く、見応えある1本でした。既にまた観たい!

 

ソロモン・ノーサップ(自由黒人のバイオリニスト)/キウェテル・イジョフォー
エドウィン・エップス(2番目の農園主)/マイケル・ファスベンダー
ウィリアム・フォード(1番目の農園主)/ベネディクト・カンバーバッチ
ジョン・ティビッツ(大工)/ポール・ダノ
セオフィラス・フリーマン(奴隷商人)/ポール・ジアマッティ
パッツィー(エップスの女奴隷)/ルピタ・ニョンゴ
エップス夫人/サラ・ポールソン
サミュエル・バス(カナダ人大工、奴隷解放論者)/ブラッド・ピット
ハリエット・ショー夫人/アルフレ・ウッダード

 

映画『それでも夜は明ける』予告編

 

  公式サイト 

 TWELVE YEARS A SLAVE      2013年   アメリカ   134min

3月7日より公開中~

 

 

2013年9月、トロント映画祭にて。

 

 

NY映画祭にて。

 

 

 

 

 

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