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悪童日記/A NAGY FUZET/THE NOTEBOOK

2014-10-12 23:03:36 | 劇場&試写★6以上

 

 

 

戦争と、周囲の大人たちによって、彼らは作られた。

 兄弟はいつも一緒、同じ行動。気持ちも一つの一心同体、手段は選ばない。生き延びるためなら。

 

ハンガリー出身の亡命作家アゴタ・クリストフの処女小説にして世界的ベストセラーを実写映画化。

 

アカデミー賞外国語映画賞ハンガリー代表作品。

 

第2次世界大戦末期を舞台に、“魔女”と呼ばれる祖母のもとに預けられた双子の兄弟が、

過酷な日々を生き抜くために身も心も鍛え上げ、非情な世界に立ち向かう。

 

原作は三部作らしいが未読。

監督はハンガリー出身のヤーノシュ・サース。

どこかちょっと雰囲気はハネケっぽいところもあるなと思ったら

撮影が。「隠された記憶」や「白いリボン」などの撮影を担当したクリスティアン・ベルガーでした。

 

この双児の兄弟が素晴らしく、この作品全体はこの子たちにかかってる。

アンドラーシュとラースロー・ジェーマント兄弟。本作で映画デビュー。

少し、いつも右にいる方の子が濃い顔のうちの甥っ子に似ていて

なんかみてて可愛くて 。いやこの二人実際美少年で可愛いんだけど、、、

 

元々純真無垢だったはずの子たちが。家族が。 戦争によってもたらされた悲劇へ。

 

母親のお母さんで会ってもいなかったおばあちゃん。

くそばぁばと呼びたくなるくらい、憎たらしいばあさんでそこがまたイイ。

これがデビュー作?のピロシュカ・モルナール。素晴らしい。

 自分の娘の子供たちだけど「メス犬の子供」と双児を呼ぶ。

娘(双児の母親)は結婚式にも呼ばず、20年も会ってなかったのに

いきなり子供を押し付けて出て行く。

まるでハイジ。姪のおばさんがむりやりオンジにハイジを押し付けてったみたいに自分勝手。

原作では痩せてるおばあさんらしいけど、子供たちの設定も少し年上なので体格に合わせたとか。

 

臭い匂いのするスープを出すばあさん。

カラダと精神を鍛えるために、3日間、水だけで過ごすと宣言すると

二人の目の前で、焼いた鳥をむしゃむしゃ食べて、ほら美味しそうだろう?食べたいだろう?

とかぶりつく性格悪いばあさん。面白い。

男の子二人でどついちゃえば余裕で勝つと思うけどね 笑。

 

近所に寝泊まりしだす将校はイケメンな二人に興味を示す。

正式に言ってはいないがこれはナチス。

気に入らない人間は簡単に殺す。

 

母親役、レナ・オリンかと思ってたわ。

行かないでと追ってすがる愛する息子たちを払いのけてまでしていく。

1度の手紙でいつか戻るからと書いてきてはいたものの、

本当に戻ってくるとは。世話になった母親(ばあさん)の元から

勝手に都合良く引き離そうとするが、他の男との間に出来てた赤ん坊をみて

二人は気持ちが変わる。「嫌だ、僕らはここを離れない」と。

 

 

ある日、ばあさんのところに美人の若いお姉さんが芋を買いにくる。

小汚い二人の美少年をみて、芋を運ばせついでにお風呂へ誘い

なんと自分も一緒に入っちゃう。

蚤とかいる小汚い彼らの服で自分の身体洗っちゃう女性に目が釘付け 笑。

シャワーじゃなくためたお湯だから余計汚いーとか思っちゃったりして

 

しかし。良い人だと思えたこの女性は実はこれまた酷い女で。

 

悪には制裁が下された。彼らによって。

 

神父は言う。「聖書を読んでるか?」

暗記するほど聖書も十戒も頭に入ってる彼らは言う。

「汝、殺すなかれ。というけれど、皆殺し合ってる」

 

 

 8/10(82点)

 

 

二人で顔くっつけて寝ちゃって可愛い。まさに一心同体。

少年と音楽がまた素晴らしいから作品も全体が惹き立つ。

この双児の少年たちが目で訴える、この世の理不尽。

純粋だったはずの少年たちが、戦争という時代の背景のなかで

いやがおうにも、強くならなくてはいけなかった、飢え、貧困に耐え、お風呂にもいれてもらえない。

大人は言う事を聞かせるために、ぶったりどついたり

こんな環境の中では、耐えるしかない。生き抜くためには強くなって。

 そうして選ぶ、様々な決断。

ついにラストでは父親をも犠牲にする。

そこまでして生き抜こうとする生命力にも驚くけれど、

そういう彼らにしたのはまぎれもなく、両親であり、おばあさんであり、まわりの大人たち。

お互いが離れるのは何よりも苦痛といっていた二人が下した別れ。

希望となんとも言えない感覚が、感動とは違うけど押し寄せる。

 

わたしの場合、ハネケとか残虐さを描いた作品は見慣れてるせいか

そこまで恐ろしさとか残虐さとか感じはしなかったけど、

ベストセラーを任されただけある監督の手腕、そしてセンスが活きた素晴らしい作品でした~

個人的にはアカデミー賞外国語映画賞ノミニーも納得。

 

第2次大戦末期。ブダペストに暮らす双子の兄弟は、戦争に行く父自ら離され、田舎にある祖母の農園に疎開する。

人々から“魔女”と呼ばれている冷酷な祖母は、双子を“メス犬の子ども”と呼び、容赦なくこき使う。

双子はそんな過酷な日々の出来事を、父から渡された日記に綴る。

そしてどんなことにも負けない強さを身につけるため、2人で様々な鍛錬を重ねていく。

 

 

 公式サイト

A NAGY FUZET       2014年    ドイツ=ハンガリー  111min

10月3日より公開中~

 

 プレミアにて

うわー、双児ちゃんすっかり大きくなっちゃった。

ほんとに子供は成長早すぎて うーん、少しイケメンぶり落ちちゃったかな。

子役ウォッチャーとしては今後も期待したいところ★