第83回アカデミー賞外国語映画賞受賞「未来を生きる君たちへ」の女流監督スサンネ・ビア
&アナス・トマス・イェンセン脚本のコンビが母国デンマークを舞台に、
育児放棄、ドラッグ中毒、家庭内暴力など現代社会に蔓延する問題を盛り込んだサスペンスドラマ。
警察官アンドレアスと美しい妻、そして対極的な薬物依存の男女。
共に産まれて半年くらいの男の子がいる。
あるときアンドレアスの赤ちゃんが突然死んでしまう。
通報を受けて駆け付けた一室にいたのは20代後半くらいの薬物依存の男女。
昔、逮捕した事のある男との間に産まれた赤ん坊は糞尿まみれで、明らかに育児放棄とみられる衝撃的な現場に遭遇する。
その後突然、自分の息子が急死したことで、息子から引き離すなら自らも命を絶つと叫ぶ妻。
気も動転して車を走らせた先は、、、、、、!
アンドレアスは我が子の遺体と育児放棄されていた赤ん坊をすり替える。
警察官、アンドレアスには 北欧のジョシュ・ホロウェイことニコライ・コスター=ワルドー
この方、トムちんの「オブリビオン」や、ノルウェーの「ヘッドハンター」、ギレルモデルトロ製作のホラー、「MAMA」にも出ていた
この人が出てるから観たというのもある
ほんとちょこっと特に右目がジョシュにそっくり。ワイルド系イケメン。
発狂し、悲しみに暮れる美しい妻アナに、「ヴェラの祈り」のマリア・ボネヴィー。
裏がありそうな雰囲気も醸す。
薬物依存の若い夫婦は確かに育児放棄しているような感じもあるし
実際赤ん坊わんわん泣いてウンチも服に付けたまんまほっといているが、
虐待をしてるわけではなかったし、実際 母親も、夫トリスタンから暴力は振るわれていたけど
子供に対する愛情は普通に持っていた。
はたからみて、ダメな母親だと勝手に判断して子供をとりあげていいはずはない。
しかしいきなり子供が死んだからって、ぱっと他の子供とすり替えて
自分の赤ちゃんの遺体をダメな親のところに置いてくるなんて、出来るものか??
しかも、すり替えられた方だって顔の違いにいくらなんでも気づくだろー!
と思ったら、死んだら顔は変わるんだ、とあっさり納得してたダメ夫。
奥さんの方はさすがにおっぱいをあげてるからなのか愛情あるからなのか、
これは自分の子じゃない!と気づくが夫は受け入れない。
(そんなバカな)
警察官のアンドレアスの方も、やっちまったから後戻りは出来ないと覚悟決め、
妻に本当のことを打ち明けると避難されながらも何とかなるからと言い聞かせ
誘拐して来た赤ん坊を自分の子として育てることに。
しかし、相棒は何かがおかしいと思いながら気づかない。(気づくの、遅っ)
せっかく悩みあったら何でも打ち明けてくれよと言ってくれてるいい人なのに
さっさと消えてくれ!と突き飛ばしたり。心配してくれてるのに酷すぎ
そのうち、子供を殺した罪に問われるのを恐れたトリスタンは
自分の子供を狂言で誘拐されたことにし、、、、
遺体の行方は、、、、、。
子供の幸せは 誰が決めるものでもない。
6/10(68点)
話としては観た事ある感じというか、ベン・アフレック監督作でもあったな。
ほかにもすり替えの話とか。
オープニングからラストまで飽きずに入りこむことができる。
一見何の問題もなさそうな幸せな家族。
母親のストレスや一度も産まれてから自分の孫を見に来ない両親という
家庭背景から察知するに、この人もまた自分の両親との間に何か溝があって
産まれて来た息子に愛情注いでると自分では思っていても気づかないうち
揺さぶり症候群になるほど、ダメージを与えていた。
皆、闇や心に何かを抱えている。
北欧デンマークの薄曇りの景色が印象的。
ラストはまぁ想像通りというか 意外とあっさり終わってしまったかな。
悲劇に見舞われた主人公が取った行動の先に待ち受ける運命。
その行動は、正しかったのか。それとも。
映画「真夜中のゆりかご」予告編
EN CHANCE TIL 2014年 デンマーク 102min
5月15日より、公開中~