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ブルーに生まれついて/BORN TO BE BLUE

2016-11-30 09:56:11 | 劇場&試写★6以上

 

 

イーサンがチェット・ベイカーに!

半年間、トランペットのトレーニングを受けたイーサン、名曲“My Funny Valentine”も披露

 

黒人アーティストが主流のモダンジャズ界で一世を風靡するも麻薬に溺れた

チェット・ベイカーの転落と、1人の女性との出会いによって再生される彼の生き様を描く。

 

イーサン・ホーク。出演作の度、毎回言うのだけど本作でも本当に素晴らしい。

 

恋人となるジェーンに、カーメン・イジョゴ。

 

 長年の友人で音楽プロデューサーのディックには、カラム・キース・レニー。

 

 

監督は、これまでプロデューサーをしてきて、長編2作目となるロバート・バドロー。

過去にチェット・ベイカーの謎の死を巡る短編を作っていて、

その作品でチェット・ベイカーの死ぬ直前を演じたステフン・マクハティは、今回チェットの父親役で出演。

ちょっとイーサンの父親ぴったりだし少しチェット・ベイカーの雰囲気もあるなと思ったら。

 

 

 

チェット・ベイカー

フランク・シナトラやエラ・フィッツジェラルドなど、名だたる人たちがカバーしてきた「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」

はジャズ詳しくない人でも聴いたことあるんじゃないかな?

 1929年12月23日、米オクラホマ州エール生まれのジャズ・トランペッター/ヴォーカリスト。

本名はチェスニー・ヘンリー・ベイカー・ジュニア。スウィートかつクールな音楽性を形成し、50年代の前半、ウエスト・コースト・ジャズの全盛期に米西海岸でスターとなる。その後は、ドラッグにおぼれながら典型的な破滅型芸術家としての放浪の生涯を送るが、自己の音楽性を頑固一徹に追求したその生き様は、ジャズメンのプライドに満ちたものであった。

1988年5月13日金曜日、午前3時。
チェット・ベイカーは、宿泊先のオランダ、アムステルダムのホテルの2階の窓から転落して謎の死を遂げた。
部屋にはヘロインが残されていた。享年58歳。

 

 

 

8/10(83点)

 

 

しつこいけど、とにかくイーサンが素晴らしい

 歌も真似になるんじゃなくて、自分のいい味、出していた。

それだけではもちろんなくて、麻薬に溺れていくだけの部分より、音楽を心から愛したというところにスポットを当て、

黒人優位のジャズミュージシャンの世界における、白人スターという地位に立ったチェットの苦悩と

運命の人とも言える女性との出会い、父親との関係。

 

一人の成功したジャズミュージシャンとしてだけではなく、

ミュージシャンには多い、麻薬にはまり抜けられなくなり、

それは手を出した本人が悪いし、何度も絶とうとするも止められないという怖さは理解できても

共鳴はもちろんできない。

だけど、一度も諦めることなく、あのチェット・ベイカーとして名を挙げた後でも

ガソリンスタンドやその他の仕事をして、生きようと懸命に勤めて生き延びたというところに

興味を魅かれる。

愛ゆえだったのか、愛する人の支えがあったからこそだろうし、

信頼を失い、誰もいなくなった中で再び再起にかけてくれた周りの人たちの大切さ。

何しろ「音楽は諦めず、生きていたい」という生命力に圧倒された。

脆いけれど、懸命で一途な人の良さや少年のような母性をくすぐるように思えるのは、演じたイーサンの魅力

だし、イーサンだったからこそよかった。

どんな時も明るくチャットを愛し、見守る女性を演じた、カーメン・イジョゴもよかったし。

わたしは音楽全てだいたい、ジャズも大好きなのでミュージシャンを描く映画は本当に惹かれてしまう。

ヤクに溺れた実在の人物の映画化は、退屈だったり映画らしく大げさな展開になりがちだけど、

チェット・ベイカーの愛した周りのものと断ち切れなかったものとが、静かに

約1時間半という短い時間の中にしっかり描かれていて、映画としても見応えあるものになっていた。

イーサンファンはもちろん、ジャズファンも是非

 

 

 

白人ジャズ・トランペット奏者のチェット・ベイカーは、その端正なルックスも相まって1950年代に一世を風靡する。しかしドラッグに溺れ、たびたびトラブルを起こして、いつしか表舞台から姿を消してしまう。そんな中、暴力沙汰に巻き込まれ、病院送りに。アゴを砕かれ、前歯を全部失う重傷で、トランペッターとしては致命傷かに思われた。それでも、恋人ジェーンの献身的なサポートのもと、ドラッグの誘惑を断ち、再起に向けて懸命に歩を進めていくチェットだったが…。

 

Chet Baker - My Funny Valentine - Torino 1959

 

作家の村上春樹氏は、チェット・ベイカーに関してこう書いている。

「ベイカーはジェームス・ディーンに似ている。顔立ちも似ているが、その存在のカリスマ性や破滅性もよく似ていた。彼らは時代の一片を貪り食べ、得た滋養を世界に向かって気前良く、ほとんど一つ残らずばらまいた。しかしディーンと違って、ベイカーはその時代を生きのびた。ひどい言い方かもしれないが、それがチェット・ベイカーの悲劇でもあった。」

<引用元『ポートレイト・イン・ジャズ』(新潮文庫)/村上春樹・和田誠著>

 

 

 サントラも要チェック

1. My Funny Valentine – Ethan Hawke
2. Over The Rainbow – David Braid
3. Let’s Get Lost – David Braid
4. Ko-Opt – David Braid
5. Could Have Been – David Braid & Strings
6. I’ve Never Been In Love Before – Ethan Hawke
7. Once Away – David Braid & Strings
8. Blue Room – David Braid & Strings
9. Haitian Fight Song – Charles Mingus
10. Bowling Alley Boogie – David Braid
11. Go Down Sunshine – Odetta
12. Tequila Earworm – David Braid
13. A Small Hotel – David Braid
14. Born To Be Blue – David Braid 

 

 

 公式サイト

BORN TO BE BLUE     2015年    イギリス=カナダ=アメリカ   107min

11月26日より、公開中〜

 

トロント映画祭にて。

 

年齢増すごとに素敵になっていく、かつてのユマの夫、イーサンだけど

今回そのヒゲどした??